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第三章「昔の彼と、今の彼」
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学校が終わり家に帰ったわたしは、着替えてからキッチンに立つ。お店の開店時間になり、お母さん達は今仕事中だ。
「今日はなにを作ろうかな」
一心君は病み上がりだし、まだ体に優しいものの方が食べやすい気がする。お粥やうどんは飽きただろうし、なにか違うもの…
「そうだ、チキンスープにしよう!」
チキンスープは、海外では風邪や体調を崩した時によく食べられてるって、わたしがいつも見てる料理動画チャンネルのシェフが言ってた。これなら消化にもいいし、食べやすそう。
そうと決まれば早速準備だと、わたしはお気に入りの黄色いエプロンを身につける。
「えーっと、人参とキャベツとあとは…」
しっかり手を洗ったあとは、食材の準備。鶏肉と野菜を小さく切って、油を敷いた鍋にニンニクと鶏肉を入れて焼き色がつくまで炒める。
それから水を加えて丁寧にアクを取って、人参、キャベツの順番で入れる。味付けは、鶏がらスープと塩コショウ。
あとは煮込んで完成なんだけど、これだけだとちょっと物足りない気がするなぁ。
「そうだ、確かパスタあったよね!」
パン!と手を叩くと、戸棚を開けてゴソゴソ探す。お目当てのものを見つけて、思わずニヤッと笑いがこぼれた。
ダメ元で一心君の部屋に行き「一緒に食べない?」と誘うと、彼は無言で頷いてくれた。てっきり断られると思ってたから、嬉しいのとドキドキが混ざって声が裏返りそうになった。
一心君と一緒に食卓を囲めることが嬉しくて、ガマンしてても勝手に顔がにやけちゃう。
今日のメニューはチキンスープにパスタを合わせた、チキンヌードルスープ。パスタにも色々種類があるんだけど、わたしが使ったのは茹で時間が短くて細いタイプのもの。それを短く折って、スープにそのまま入れた。
「いただきます」
丁寧に手を合わせてから、スープを一口飲む。野菜の甘味と鶏肉の旨味が口いっぱいに広がって、お腹の中がフワッとあったかくなる。パスタにも染み込んでいて、いくらでも食べられそうだ。
我ながらおいしくできた気がするけど、どうしても一心君の反応が気になって無意識のうちにチラチラ見てしまう。
「なに」
「あ、味つけ…大丈夫かなって」
「おいしいけど、別に」
ぶっきらぼうな言い方だったけど、その一言がビックリするくらいに嬉しい。
「よかったぁ…っ」
ホッと胸を撫で下ろしたわたしを見て、一心君がスプーンを置いた。
「…この間のは、ただの八つ当たりだった」
「い、一心君」
「…悪かったと思ってる」
かろうじて聞き取れるくらいの、小さくて掠れた声。それでもじゅうぶん気持ちが伝わってきて、心がジンワリとあったかくなる。
「わたしの方こそ、また会えたことが嬉しくて一心君の気持ちをちゃんと考えられてなかった。家族とも離れて、記憶もなくして、不安に決まってるよね。ごめんね、一心君」
彼と同じようにスプーンを置いて、まっすぐ視線を向ける。ニコッと笑うと、一心君はそっぽを向いた。
「…なに笑ってんだよ」
「嫌われてないなら、嬉しいなって」
「俺は人間は嫌いだ」
「でも、わたしと向き合ってくれた」
一心君がここを出ていってから今まで、どんな風に生活してきたのかわたしには分からない。だからきっと、彼の全部を理解することは出来ないんだろう。
だけどそれでも、諦めたくない。今の一心君を知りたいし、わたしのことも知ってもらいたい。忘れてしまったなら、またもう一回仲良くなりたいと思う。
「体調も良くなったみたいだし、ホントによかったよ」
「なんでお前がそんなに嬉しそうなんだよ」
「嬉しいに決まってる!高熱ですごく辛そうだったから、わたしまで悲しくなっちゃったもん」
あの夜、一心君が泣いていたことは誰にもヒミツにしようって心に決めた。
「…なぁ」
ふいに、一心君がぶっきらぼうな声を出す。
「なに?」
「昔ここに住んでたのは、俺と母さんだけだったんだよな?」
そんな問いかけに、わたしは首を縦に振った。
「そうだよ。わたしと一心君が五歳か六歳くらいのころ、何ヶ月か一緒に住んでたんだ。心さんがね?川で溺れてたわたしを助けてくれて、それで知り合ったんだ」
「ふぅん」
「心さんってホントにいい人だよね。キレイで優しくて、わたしも大好きだった」
「……」
一心君の横顔がくもる。なにか余計なことを言ったのかもしれないと、謝ろうとしたわたしよりも先に、彼が口を開いた。
「俺には、ここを出るより前のキオクがない」
「じゃあ、お父さんのことも覚えてないの?」
一心君は、小さくうなずく。
「母さんは、いつも父さんのことと、この店の話をしてた。覚えてなかったし、なんとなく聞き流してたけど」
「心さん…」
わたしがこんなに心配なんだもん、一心君はもっと気になってるに決まってる。小さい頃しか知らないけど二人は凄く仲の良い親子だったし、心さんが一心君に向ける笑顔はホントに優しげだった。
「俺にメモを渡す時、母さんは言ったんだ。俺と母さんがここで過ごしてたあの時間を思い出せたら、父さんを探す“カギ”になるって」
「お父さんを探す、カギ…?」
「いなくなった父さんを探して、俺が【ウルフマン】の暴走を止める」
急な展開に、頭がついていけない。一心君がどうしてわたしにこんな話をしてくれるのか、そして彼が今なにを思っているのか、想像することしかできない。
だけど、昔の記憶をなくした人間嫌いの一心君がメモをここにやってきた理由が、今の言葉でなんとなく分かった。
「心さんは、今どこにいるの?」
「あいつらのところにいる」
「そうなんだ…」
心さんの優しい笑顔を思い出すと、心臓がぎゅうっと締めつけられた。
「警察とか、他の大人に相談とかは…」
「できない。多分、あいつらも今すぐ母さんをどうこうはしないと思う。表面上は仲間として振るまってるし」
彼の黒い瞳が、固い決意を現してるみたいに揺れる。真一文字に結ばれた唇に、うっすらと噛み跡があるのが見えた。
「一心君はたった一人で、たくさんのものを背負ってるんだね…」
「…元はといえば、全部俺のせいだから」
ポツリと呟いたその言葉の先を、一心君が教えてくれることはなかった。
「別に協力してほしくて話したわけじゃない。なにか知ってたら、教えてほしいとは思ってるけど」
「うん。わたしもちゃんと思い出してみる。なにか手がかりになりそうかことがあったら、すぐに教えるから」
「…よろしく」
無表情のままそう言って、一心君は立ち上がる。いつのまにかカップの中は空っぽだった。
「ま、待って!」
「先に言っとくけど、同情はいらない。俺が人間に良い印象がないのは事実だし、キオクを取り戻したいのも自分のためだけだから」
突き放すような言い方。きっとわたしの知らないところで、一心君はたくさん傷ついてきたんだと思う。わたしといることで嫌な思いをするかもしれないなら、そばにいない方がいいのかもしれない。
だけど、一心君は話してくれた。覚えてなくても今は嫌われてても、ほんの少しでもわたしに心を打ち明けてくれた、その気持ちが凄く嬉しい。
一心君が困ってる時は、力になりたい。そう思う感情は、今も昔もちっとも変わらない。
「わたしも協力する!できることは、なんだってする!」
「…簡単に他人を信用すると、痛い目見るぞ」
「二人は他人じゃないもん!」
思わず大きな声が出た後、ハッとして口を押さえる。この前反省したばっかりなのに、またやっちゃった。
「ご、ごめんね一心君…」
「別に」
チラッと彼を見たけど、相変わらずの無表情。怒ってるようには感じない。
「話してくれてありがとう。わたし、絶対誰にも言わないよ」
「…お前って、お節介なヤツだな」
「一心君はわたしの、大切な友達だから」
「覚えてないって言ってんのに」
一心君の表情が、ほんの一瞬寂しそうに見えた。
そのまま部屋へと戻っていった彼の背中を見つめながら、わたしは無意識にギュッと唇を噛みしめた。
「今日はなにを作ろうかな」
一心君は病み上がりだし、まだ体に優しいものの方が食べやすい気がする。お粥やうどんは飽きただろうし、なにか違うもの…
「そうだ、チキンスープにしよう!」
チキンスープは、海外では風邪や体調を崩した時によく食べられてるって、わたしがいつも見てる料理動画チャンネルのシェフが言ってた。これなら消化にもいいし、食べやすそう。
そうと決まれば早速準備だと、わたしはお気に入りの黄色いエプロンを身につける。
「えーっと、人参とキャベツとあとは…」
しっかり手を洗ったあとは、食材の準備。鶏肉と野菜を小さく切って、油を敷いた鍋にニンニクと鶏肉を入れて焼き色がつくまで炒める。
それから水を加えて丁寧にアクを取って、人参、キャベツの順番で入れる。味付けは、鶏がらスープと塩コショウ。
あとは煮込んで完成なんだけど、これだけだとちょっと物足りない気がするなぁ。
「そうだ、確かパスタあったよね!」
パン!と手を叩くと、戸棚を開けてゴソゴソ探す。お目当てのものを見つけて、思わずニヤッと笑いがこぼれた。
ダメ元で一心君の部屋に行き「一緒に食べない?」と誘うと、彼は無言で頷いてくれた。てっきり断られると思ってたから、嬉しいのとドキドキが混ざって声が裏返りそうになった。
一心君と一緒に食卓を囲めることが嬉しくて、ガマンしてても勝手に顔がにやけちゃう。
今日のメニューはチキンスープにパスタを合わせた、チキンヌードルスープ。パスタにも色々種類があるんだけど、わたしが使ったのは茹で時間が短くて細いタイプのもの。それを短く折って、スープにそのまま入れた。
「いただきます」
丁寧に手を合わせてから、スープを一口飲む。野菜の甘味と鶏肉の旨味が口いっぱいに広がって、お腹の中がフワッとあったかくなる。パスタにも染み込んでいて、いくらでも食べられそうだ。
我ながらおいしくできた気がするけど、どうしても一心君の反応が気になって無意識のうちにチラチラ見てしまう。
「なに」
「あ、味つけ…大丈夫かなって」
「おいしいけど、別に」
ぶっきらぼうな言い方だったけど、その一言がビックリするくらいに嬉しい。
「よかったぁ…っ」
ホッと胸を撫で下ろしたわたしを見て、一心君がスプーンを置いた。
「…この間のは、ただの八つ当たりだった」
「い、一心君」
「…悪かったと思ってる」
かろうじて聞き取れるくらいの、小さくて掠れた声。それでもじゅうぶん気持ちが伝わってきて、心がジンワリとあったかくなる。
「わたしの方こそ、また会えたことが嬉しくて一心君の気持ちをちゃんと考えられてなかった。家族とも離れて、記憶もなくして、不安に決まってるよね。ごめんね、一心君」
彼と同じようにスプーンを置いて、まっすぐ視線を向ける。ニコッと笑うと、一心君はそっぽを向いた。
「…なに笑ってんだよ」
「嫌われてないなら、嬉しいなって」
「俺は人間は嫌いだ」
「でも、わたしと向き合ってくれた」
一心君がここを出ていってから今まで、どんな風に生活してきたのかわたしには分からない。だからきっと、彼の全部を理解することは出来ないんだろう。
だけどそれでも、諦めたくない。今の一心君を知りたいし、わたしのことも知ってもらいたい。忘れてしまったなら、またもう一回仲良くなりたいと思う。
「体調も良くなったみたいだし、ホントによかったよ」
「なんでお前がそんなに嬉しそうなんだよ」
「嬉しいに決まってる!高熱ですごく辛そうだったから、わたしまで悲しくなっちゃったもん」
あの夜、一心君が泣いていたことは誰にもヒミツにしようって心に決めた。
「…なぁ」
ふいに、一心君がぶっきらぼうな声を出す。
「なに?」
「昔ここに住んでたのは、俺と母さんだけだったんだよな?」
そんな問いかけに、わたしは首を縦に振った。
「そうだよ。わたしと一心君が五歳か六歳くらいのころ、何ヶ月か一緒に住んでたんだ。心さんがね?川で溺れてたわたしを助けてくれて、それで知り合ったんだ」
「ふぅん」
「心さんってホントにいい人だよね。キレイで優しくて、わたしも大好きだった」
「……」
一心君の横顔がくもる。なにか余計なことを言ったのかもしれないと、謝ろうとしたわたしよりも先に、彼が口を開いた。
「俺には、ここを出るより前のキオクがない」
「じゃあ、お父さんのことも覚えてないの?」
一心君は、小さくうなずく。
「母さんは、いつも父さんのことと、この店の話をしてた。覚えてなかったし、なんとなく聞き流してたけど」
「心さん…」
わたしがこんなに心配なんだもん、一心君はもっと気になってるに決まってる。小さい頃しか知らないけど二人は凄く仲の良い親子だったし、心さんが一心君に向ける笑顔はホントに優しげだった。
「俺にメモを渡す時、母さんは言ったんだ。俺と母さんがここで過ごしてたあの時間を思い出せたら、父さんを探す“カギ”になるって」
「お父さんを探す、カギ…?」
「いなくなった父さんを探して、俺が【ウルフマン】の暴走を止める」
急な展開に、頭がついていけない。一心君がどうしてわたしにこんな話をしてくれるのか、そして彼が今なにを思っているのか、想像することしかできない。
だけど、昔の記憶をなくした人間嫌いの一心君がメモをここにやってきた理由が、今の言葉でなんとなく分かった。
「心さんは、今どこにいるの?」
「あいつらのところにいる」
「そうなんだ…」
心さんの優しい笑顔を思い出すと、心臓がぎゅうっと締めつけられた。
「警察とか、他の大人に相談とかは…」
「できない。多分、あいつらも今すぐ母さんをどうこうはしないと思う。表面上は仲間として振るまってるし」
彼の黒い瞳が、固い決意を現してるみたいに揺れる。真一文字に結ばれた唇に、うっすらと噛み跡があるのが見えた。
「一心君はたった一人で、たくさんのものを背負ってるんだね…」
「…元はといえば、全部俺のせいだから」
ポツリと呟いたその言葉の先を、一心君が教えてくれることはなかった。
「別に協力してほしくて話したわけじゃない。なにか知ってたら、教えてほしいとは思ってるけど」
「うん。わたしもちゃんと思い出してみる。なにか手がかりになりそうかことがあったら、すぐに教えるから」
「…よろしく」
無表情のままそう言って、一心君は立ち上がる。いつのまにかカップの中は空っぽだった。
「ま、待って!」
「先に言っとくけど、同情はいらない。俺が人間に良い印象がないのは事実だし、キオクを取り戻したいのも自分のためだけだから」
突き放すような言い方。きっとわたしの知らないところで、一心君はたくさん傷ついてきたんだと思う。わたしといることで嫌な思いをするかもしれないなら、そばにいない方がいいのかもしれない。
だけど、一心君は話してくれた。覚えてなくても今は嫌われてても、ほんの少しでもわたしに心を打ち明けてくれた、その気持ちが凄く嬉しい。
一心君が困ってる時は、力になりたい。そう思う感情は、今も昔もちっとも変わらない。
「わたしも協力する!できることは、なんだってする!」
「…簡単に他人を信用すると、痛い目見るぞ」
「二人は他人じゃないもん!」
思わず大きな声が出た後、ハッとして口を押さえる。この前反省したばっかりなのに、またやっちゃった。
「ご、ごめんね一心君…」
「別に」
チラッと彼を見たけど、相変わらずの無表情。怒ってるようには感じない。
「話してくれてありがとう。わたし、絶対誰にも言わないよ」
「…お前って、お節介なヤツだな」
「一心君はわたしの、大切な友達だから」
「覚えてないって言ってんのに」
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