おとなりさんはオカン男子!

清澄 セイ

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第四章「スナオになりたい」

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「ふわあぁ…ホットプレートだ…お好み焼きだぁ…っ!」

長机の真ん中に置かれたホットプレート。甘崎君が生地をお玉ですくってそこに流し込むと、ジュウッと小気味いい音を立てた。

「ツバサさんの反応は相変わらずかわいい」

ギンガ君にニコッと笑って言われると、可愛くてキュンキュンする。

「だから食べさせがいがあるって、兄さんいつも言ってるしね」

「おい朱太郎、余計なこと言うな」

「はいはい」

クールなシュタロー君と同じくクールな甘崎君が並ぶと、なんだかおもしろい。でもここ最近、私は甘崎君の色んな顔を知ることができた。

教室での彼とは違う、優しくて世話焼きな一面。それに照れたように笑った顔が少し幼くて、可愛い。こうして仲良くなれてホントによかったなぁって思う。

「できたよツバサちゃん!」

コトリと目の前に置かれたお皿から、ホカホカと湯気が出てる。ソースのいい香りがますます食欲をそそる。

「いただきまーす!」

皆で一斉に手を合わせて、お好み焼きにかぶりつく。生地はふわふわでキャベツはシャキシャキ、カリカリに焼いた豚肉を噛むとジュワッと油が口に広がる。

ソースとマヨネーズの相性も最高で、いくらでも食べられそうだ。

「ホントにおいしい…」

「おいしいねぇ~」

「白石、はい」

甘崎君が次から次へと私のお皿にお好み焼きや付け合わせを乗せる。それを見て、ミドリ君達が楽しそうに笑った。

「ましろにぃはホントお世話が好きだよな!」

「いっつも何かしてるもんね」

「兄ちゃんって言うより母さんみたい」

次々に甘崎君をからかう皆に、彼はため息をつく。

「アホなこと言ってないで食え」

「ほら、やっぱり母さんだ~!」

「アハハ」

やりとりがおもしろくてつい笑うと、甘崎君がジトリとした目で私を見た。

「笑わないで」

「ごめんね?」

少し恥ずかしそうな表情を、私はやっぱり可愛いと思ってしまった。
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