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第一章「憧れのセンパイ」
⑦
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「ミドリ、ミドリーっ!」
男の子はポイッと靴を投げ捨て、中に入っていく。しばらくして、全く同じ顔をした子を連れてきた。
「これミドリだよ!僕達双子なの!」
「ふ、双子…」
それで見た目がそっくりなんだ。可愛い子が二人並ぶとさらに可愛くて、アニメを観てる気分になってくる。
「知らない人連れてきちゃダメだろアオ!」
「知らない人じゃないよ、お姉ちゃん僕のサメオさん拾ってくれたんだもん」
「さ、サメおっさん?」
「おっさんじゃないよ!サメオさん!」
「きゃはは、おっさんだってー!」
ミドリと呼ばれた男の子が大声で笑うと、ぬいぐるみを抱えたアオって呼ばれた方の子が、またうるうると泣きそうになる。
「ご、ごめんね!サメオさん、可愛いよ」
慌ててフォローすると、一瞬で可愛い笑顔に。
「ねぇ入って、一緒に遊ぼう!」
「いやそれはダメだって」
「お姉ちゃんお隣さんだからいいよ!」
小さい子特有の謎理論で“アオ”君は再びぐいぐいと私の手を引っ張る。さっきまで反対してた“ミドリ”君も、なぜか一緒になって私を中に入れようとしてる。
だ、誰か助けてーっ!
「お前ら、何やってんの?」
不意に後ろから聞こえた声。もしかしてこの子達のお父さんだったら、天の助けだ!
「あ、シュタローにぃちゃん!」
「にぃちゃんおかえり!」
振り向いた先に居たのはお父さんではなく、ランドセルを背負った男の子。アオ君とミドリ君に似てるような気もするけど、もっとずっと大人っぽい。
というより、下手したら私より年が上に見えるかもしれない。
「すいません。弟達がなんかしました?」
「あ、いえそういうわけじゃなくて…っ」
ドアの枠に手をかけて必死に中に入らないようにしてる私に、シュタローと呼ばれた男の子が話しかけてくる。
こんな訳の分からない状況なのに、全然動じていないみたい。
「こいつらの友達?」
「なんでそうなるの!」
「お姉ちゃんにサメオさん見せたいの!」
キラッキラの笑顔で言われると、なんだか私の方が悪いことしてるみたいに思えてくる。
「だってさ」
いやだってさじゃないよ!いくら小さい子にお願いされたからって、家の人の許可もなしに勝手に家に入るなんてできるわけない。
「もううるさいよぉ。宿題に集中できないじゃん」
半ば涙目になっていると、部屋の中からまた男の子が顔を出す。
シュタロー君よりずっと幼いけど、双子君達よりはお兄さんに見える。この子も、可愛い顔してるなぁ…
「って、一体何人いるの!」
半ばパニックになりながら叫ぶと、中からもう一人やってきた。その人物の顔を見た瞬間、私はピタリと固まる。
「さっきから玄関先でギャーギャー騒いで、お前らいい加減に…」
エプロン姿で、手にはおたま。怒ったように顔をしかめてる彼は…
「甘崎、君?」
なんと同じクラスの甘崎君だったのだ。
男の子はポイッと靴を投げ捨て、中に入っていく。しばらくして、全く同じ顔をした子を連れてきた。
「これミドリだよ!僕達双子なの!」
「ふ、双子…」
それで見た目がそっくりなんだ。可愛い子が二人並ぶとさらに可愛くて、アニメを観てる気分になってくる。
「知らない人連れてきちゃダメだろアオ!」
「知らない人じゃないよ、お姉ちゃん僕のサメオさん拾ってくれたんだもん」
「さ、サメおっさん?」
「おっさんじゃないよ!サメオさん!」
「きゃはは、おっさんだってー!」
ミドリと呼ばれた男の子が大声で笑うと、ぬいぐるみを抱えたアオって呼ばれた方の子が、またうるうると泣きそうになる。
「ご、ごめんね!サメオさん、可愛いよ」
慌ててフォローすると、一瞬で可愛い笑顔に。
「ねぇ入って、一緒に遊ぼう!」
「いやそれはダメだって」
「お姉ちゃんお隣さんだからいいよ!」
小さい子特有の謎理論で“アオ”君は再びぐいぐいと私の手を引っ張る。さっきまで反対してた“ミドリ”君も、なぜか一緒になって私を中に入れようとしてる。
だ、誰か助けてーっ!
「お前ら、何やってんの?」
不意に後ろから聞こえた声。もしかしてこの子達のお父さんだったら、天の助けだ!
「あ、シュタローにぃちゃん!」
「にぃちゃんおかえり!」
振り向いた先に居たのはお父さんではなく、ランドセルを背負った男の子。アオ君とミドリ君に似てるような気もするけど、もっとずっと大人っぽい。
というより、下手したら私より年が上に見えるかもしれない。
「すいません。弟達がなんかしました?」
「あ、いえそういうわけじゃなくて…っ」
ドアの枠に手をかけて必死に中に入らないようにしてる私に、シュタローと呼ばれた男の子が話しかけてくる。
こんな訳の分からない状況なのに、全然動じていないみたい。
「こいつらの友達?」
「なんでそうなるの!」
「お姉ちゃんにサメオさん見せたいの!」
キラッキラの笑顔で言われると、なんだか私の方が悪いことしてるみたいに思えてくる。
「だってさ」
いやだってさじゃないよ!いくら小さい子にお願いされたからって、家の人の許可もなしに勝手に家に入るなんてできるわけない。
「もううるさいよぉ。宿題に集中できないじゃん」
半ば涙目になっていると、部屋の中からまた男の子が顔を出す。
シュタロー君よりずっと幼いけど、双子君達よりはお兄さんに見える。この子も、可愛い顔してるなぁ…
「って、一体何人いるの!」
半ばパニックになりながら叫ぶと、中からもう一人やってきた。その人物の顔を見た瞬間、私はピタリと固まる。
「さっきから玄関先でギャーギャー騒いで、お前らいい加減に…」
エプロン姿で、手にはおたま。怒ったように顔をしかめてる彼は…
「甘崎、君?」
なんと同じクラスの甘崎君だったのだ。
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