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第六章「彼のトナリをかけたタイマン勝負⁉︎の前に嫌われちゃった⁉︎」

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 そして、放課後。恥ずかしすぎて、わたしは最後まで席を立てなかった。作文対決が帰りの会で良かったよ、ホントに。
 夕日ヶ丘君の拍手がうれしすぎて、つい大泣き通り越してガチ泣きしちゃったけど、その後がもうジゴクだった。
 上川先生はめちゃくちゃあわてててメガネ落ちちゃってたし、クラス中大さわぎだし、南さんのお友だちは怒ってるしで、もうてんやわんやのハチャメチャ状態。
 とりあえず、上川先生ごめんなさい。明日また、ちゃんと謝りにいきます。
 みんな帰って、教室にはわたし以外誰もいなくなった。ようやく、顔が上げられる。
 
ポンッ
 
「ひぃ……っ!」
 突然後ろから肩を叩かれて、わたしは飛び上がる。クックックッて、イジワルな笑い声が聞こえた。
「ビビりすぎだって」
「あ、当たり前じゃん!誰もいないと思ってたんだから!」
「まぁ、驚かそうと思って戻ってきたんだけどね」
「わざわざ⁉︎ありがとう!」
 なんか勢いでお礼言っちゃった。夕日ヶ丘君、涙出るくらい笑ってるし……。
「朝日さん、目真っ赤じゃん!」
「そりゃあまぁ、思いっきり泣きましたので……」
「あれは、たぶん一生忘れないだろうな~」
「だ、ダメだって!今すぐ忘れてよ!」
 思い出したら、また恥ずかしくなってきた!もう明日から学校行けない!いや行くけど!
「いいじゃん別に。悪役令嬢も泣くんだって、みんなわかったんだからさ」
「それっていいの⁉︎いいことなの⁉︎」
「さぁ~」
「テキトー!」
 なんか、いつもと逆になってる気がする。わたしがツッコんで、夕日ヶ丘君はすごく楽しそう。
「……ごめんね、夕日ヶ丘君」
 笑ってる横顔に向かって、わたしは謝る。どうしても声が小さくなっちゃって、情けない。
「そういえば、おれ朝日さんに怒ってたんだった」
「う、うん。夕日ヶ丘君が怒るのも無理ないよ」
 勝負するとか、副委員長やめるとか、相談もしないで決めたんだから。
「おれも、勝手にしろとか言ってごめん」
「ゆ、夕日ヶ丘君が謝ることないよ!」
「朝日さんがおれとクラス委員やるの、ホントはいやなのかと思ったら、つい……。でもよく考えたら、朝日さんめちゃくちゃ楽しそうにしてたし、いやだったとしてもあんなやり方はしないよなって」
 さっきまで笑ってた夕日ヶ丘君が、今度は悲しそうにしてる。わたしの心臓も、誰かにグッと押されてるみたいに痛くなった。
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