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第四章「かわいいはセイギ!彼のやさしさと、ちょっとのイヘン⁉︎」
①
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「だーかーらー!なんでそうなるんだよ!マジで不器用だな!言っとくけど、一番最初にアンタが作業した資料のホッチキス、ガッタガタだったからな⁉︎」
「うそ、わたしホッチキス好きなのに!」
「ホッチキスはアンタのこときらいだろーな!」
はい、現在わたしと夕日ヶ丘君は口ゲンカ?中。ではなく、クラス委員の作業中です。なってみてから分かったけど、クラス委員って結構いろんな仕事があるんだよね。まぁわたしは、師匠である夕日ヶ丘君と一緒にいる時間が増えるから、うれしいんだけど。
ひとりのケガ人もなく、遠足は無事に終わった。ちなみにチョコレートの件については、後日夕日ヶ丘君からめちゃくちゃ怒られた。そのまま洗濯しちゃったんだって。ごめんなさい。
「今日、実はこっそり持ってきたんだ!だからあとで渡すね!上川先生にはナイショだよ!」
「そういうことじゃないし、朝日さんがそのポーズすると妙にイラッとするのはなんでだろーな」
あれ?前にも言われたっけ?そういえば。
「てかそれもう、花じゃなくてインセキだろどう見ても」
夕日ヶ丘君に言われて、わたしは自分の手元を見る。今は二人で、花を作ってる最中なんだ。このお花紙ってすごい薄くて、ちょっと力入れると、すぐグシャグシャになる。
わざとやってるわけじゃないのに、気付けばわたしの目の前にはお花紙のかたまりがたくさん転がっていた。
「まぁ、子どもは案外よろこんだりして?色とりどりのインセキとかレアだし」
「夕日ヶ丘君がそう言うなら、もうインセキでいっか!」
「いやこれイヤミだから。気付けよナットクするな」
このやり取りも、すっかり定番になった気がする。二人でいる時、夕日ヶ丘君は笑わなくなったし。わたしとしては、それがうれしいんだよね。いつも笑顔じゃ、疲れちゃうし。ちなみにこのお花は、来週の交流会で使うためのもの。学校そばの私立幼稚園から、子ども達がここに遊びにやってくるんだ。
「あ、そういえばこの間夕方のニュースに、夕日ヶ丘君のお父さんとお母さん映ってたね!すぐ録画ボタン押したんだけど、全部は撮れなくてザンネンだったなぁ」
「さぁ?おれキョーミないし知らない」
「えっ?でも夕日ヶ丘君の将来の夢って、ご両親と同じ弁護士なんだよね?」
サラッと言うと、夕日ヶ丘君はものすごーくいやそうな顔になる。彼の今の気持ちを代弁すると、「なんで知ってんだストーカー」ってところかな。それはほら、夕日ヶ丘君有名人だから。
「別になりたいわけじゃない。なって当たり前ってだけ」
「えっ?なんで?」
「親が弁護士事務所やってんだから、息子のおれが将来継ぐのが当然だろ」
「ほぇー、そうなんだ。すごいね、夕日ヶ丘君のお家って」
ウチは私立だし、みんなそこそこ頭良くてお金持ちで……っていうのはめずらしくない。でも、弁護士になって当たり前っていえるのは、たぶん夕日ヶ丘君くらいだと思う。
「努力家だよね!ホント尊敬!ステキ!えらすぎる!笑顔バッチリ!さわやか!」
「……朝日さんの場合、それが本音なのが分かるから怖い」
わたしはわたしで、夕日ヶ丘君の前ではすっかりおしゃべりに。緊張もしないし、目の前で夕日ヶ丘君のレッスン(勝手に)受けられるし、もう毎日が楽しくてしょうがない。
「うそ、わたしホッチキス好きなのに!」
「ホッチキスはアンタのこときらいだろーな!」
はい、現在わたしと夕日ヶ丘君は口ゲンカ?中。ではなく、クラス委員の作業中です。なってみてから分かったけど、クラス委員って結構いろんな仕事があるんだよね。まぁわたしは、師匠である夕日ヶ丘君と一緒にいる時間が増えるから、うれしいんだけど。
ひとりのケガ人もなく、遠足は無事に終わった。ちなみにチョコレートの件については、後日夕日ヶ丘君からめちゃくちゃ怒られた。そのまま洗濯しちゃったんだって。ごめんなさい。
「今日、実はこっそり持ってきたんだ!だからあとで渡すね!上川先生にはナイショだよ!」
「そういうことじゃないし、朝日さんがそのポーズすると妙にイラッとするのはなんでだろーな」
あれ?前にも言われたっけ?そういえば。
「てかそれもう、花じゃなくてインセキだろどう見ても」
夕日ヶ丘君に言われて、わたしは自分の手元を見る。今は二人で、花を作ってる最中なんだ。このお花紙ってすごい薄くて、ちょっと力入れると、すぐグシャグシャになる。
わざとやってるわけじゃないのに、気付けばわたしの目の前にはお花紙のかたまりがたくさん転がっていた。
「まぁ、子どもは案外よろこんだりして?色とりどりのインセキとかレアだし」
「夕日ヶ丘君がそう言うなら、もうインセキでいっか!」
「いやこれイヤミだから。気付けよナットクするな」
このやり取りも、すっかり定番になった気がする。二人でいる時、夕日ヶ丘君は笑わなくなったし。わたしとしては、それがうれしいんだよね。いつも笑顔じゃ、疲れちゃうし。ちなみにこのお花は、来週の交流会で使うためのもの。学校そばの私立幼稚園から、子ども達がここに遊びにやってくるんだ。
「あ、そういえばこの間夕方のニュースに、夕日ヶ丘君のお父さんとお母さん映ってたね!すぐ録画ボタン押したんだけど、全部は撮れなくてザンネンだったなぁ」
「さぁ?おれキョーミないし知らない」
「えっ?でも夕日ヶ丘君の将来の夢って、ご両親と同じ弁護士なんだよね?」
サラッと言うと、夕日ヶ丘君はものすごーくいやそうな顔になる。彼の今の気持ちを代弁すると、「なんで知ってんだストーカー」ってところかな。それはほら、夕日ヶ丘君有名人だから。
「別になりたいわけじゃない。なって当たり前ってだけ」
「えっ?なんで?」
「親が弁護士事務所やってんだから、息子のおれが将来継ぐのが当然だろ」
「ほぇー、そうなんだ。すごいね、夕日ヶ丘君のお家って」
ウチは私立だし、みんなそこそこ頭良くてお金持ちで……っていうのはめずらしくない。でも、弁護士になって当たり前っていえるのは、たぶん夕日ヶ丘君くらいだと思う。
「努力家だよね!ホント尊敬!ステキ!えらすぎる!笑顔バッチリ!さわやか!」
「……朝日さんの場合、それが本音なのが分かるから怖い」
わたしはわたしで、夕日ヶ丘君の前ではすっかりおしゃべりに。緊張もしないし、目の前で夕日ヶ丘君のレッスン(勝手に)受けられるし、もう毎日が楽しくてしょうがない。
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