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特別編「フィリアとオズベルトは、理想の夫婦」
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――朝と変わらずスカーフをきっちり二枚巻いた私は、マリッサに頼んで自慢のガゼボにアフタヌーンティーの支度をしてもらった。幸いなことに本日は碧天で、暖かな風がそよそよと吹いている。
「ようこそ、アイゼンベルク様。ご足労いただき感謝いたします」
「……別に、礼を言われるほどではない」
「私も旦那様も、とても嬉しいです!」
朝食があまり進んでいなかったようだけれど、唯一ラズベリーパイだけのお皿だけは空っぽだった。甘酸っぱいフルーツを使ったお菓子がお好きなのかと、それらしい種類のものをたくさん並べて、ブルーメルに咲き誇る草花を加工した新鮮なハーブティーも用意済み。
旦那様との和解の場として、これ以上ない完璧さ。遠くには元気な牛や羊も見えて、ほんわか癒し効果もばっちりだし。
「……俺は別に、話すことなどない」
「またまた、そんなことをおっしゃらずに。あ、水入らずがよろしければ、私は失礼して……」
気を遣ったつもりだったけれど、双方から食い気味に「それはやめて」と言われたので、大人しく椅子に腰掛けた。
「で?」
旦那様はそれだけ言って、ハーブティーをひと口。
「は?」
アイゼンベルク様も負けじと一字で返し、ベリージャムの乗ったビスケットを手に取る。
「ふわぁ……」
私はというと、このぴりぴりとした雰囲気にあてられてなんだか眠くなってきたところ。男性の友人がいないから分からないけれど、男同士の会話って一文字で終わるのが普通なんだろうか。つーかーの仲というか、二人の間に余計な言葉は必要ない、みたいな。
「つまり、今こうしてただ睨み合っているだけのように見えて、実は熱いハートをぶつけ合って魂で会話なさっているということね」
「フィ、フィリア。それは違う」
「そうだ、妙な言い方をするな」
急に慌て出したところを見るに、どうやら図星らしい。
「だってそうじゃなきゃ、説明がつきませんものね。ふむふむ、私もまだまだですわ」
ふふふ、と笑いながら二人を交互に見やると、どちらもなぜか居心地が悪そうにきゅっと眉根を寄せていた。
「分かった、率直に問おう。お前はなぜこのタイミングでここに来た?」
口火を切ったのは旦那様、どうやらあんまり長い会話は、熱い魂同士でも難しいらしい。
「だからそれは、仕事の話を……」
「誤魔化すのは止めろ。どう考えても、それだけでは説明がつかない」
旦那様は厳しい顔をして、じっとアイゼンベルク様を見つめている。彼はそれを躱すように下を向いていて、いつの間にか手にあったビスケットはなくなっていた。
「正直に話してくれないか。もし本当にフィリアを気に入ったのであれば、そうだとはっきり……」
「そ、それは断じて違う!」
今日一番の大声が辺りに響き渡り、なぜだかマリッサが私の肩にぽんと手を乗せる。視線を上げると、彼女はまるで「気を落とさないで」とでも言いたげな慈愛に溢れた瞳をしていた。
「い、いや……。そうとも言い切れないか」
「……は?」
麗しの旦那様に似つかわしくない、ドスの効いた声が静かに響く。
「ご、誤解するな!僕は友人の妻に手を出すような屑じゃない!」
「まぁ、そうだな。お前は極端に女性を毛嫌いする困った性分の男だが、そこは信用している」
「……お前もつい最近まで似たようなものだったくせに」
信用していると言いつつ、ずっと顔が怖い。アイゼンベルク様は唇を尖らせたまま、斜め前に座る私に初めて目を向けた。
「……やっぱり、お前だけ狡い」
「またそんなことを」
「だって、夫人みたいな女性に知り合えるなんて奇跡としか言いようがないじゃないか‼︎」
まぁ、奇跡だなんて。ぽぽっと頬を赤らめる私に、彼はさらに「少し食い意地が張っているくらいまったく問題ない」と追加した。
「政略結婚だったんだろう?お前はよほど運が良かったんだな」
「まぁ、運といえばそうですね。私も旦那様も、天命に従いましたから」
けろりとした顔でそう言うと、アイゼンベルク様はぱちぱちと瞬きをしてみせる。今は落ち込んでいるせいか髪は靡いていないけれど、それでも美貌が霞むことはない。何を食べたらそんなに睫毛が伸びるんだろうと、純粋に聞いてみたくなった。
「天命、とは?」
「要は『適当』ですね」
「て、テキトウ……?」
アイゼンベルク様はなぜか雷に打たれた人みたいな顔をしながら、私と旦那様を交互に見つめている。よほどの馴れ初めがあった方が納得するのかも、とも思ったけれど、ご友人に嘘を吐くのは気が引けた。
「旦那様、アレを」
「ああ、アレだな」
私が事前にお願いしておいた、私達を結びつけてくれた『アレ』。まるで聖なる剣でも取り出すかのような厳かな所作で、旦那様は懐から絹の小袋を取り出した。
それをテーブルの真ん中に置くと、ゆっくりと傾ける。ころんと顔を出したのは、何の変哲もないただのサイコロだった。
「旦那様はこれを振って、私を結婚相手に選んでくださいました」
「へ、へぇ……?」
「よろしければ、どうぞお手に取ってらしてください」
まぁ、だからといって何がどうというわけではない。けれどその小さな正六面体は、アイゼンベルク様の大きな夢を打ち砕くには十分過ぎる破壊力を備えていたらしい。
「お前は、こんなもので結婚相手を決めたというのか……?」
「ああ、そうだ」
「正気の沙汰じゃない」
目を血走らせながら放ったアイゼンベルク様のひと言を聞いて、後ろに控えるマリッサが盛大に噴き出した。
「ようこそ、アイゼンベルク様。ご足労いただき感謝いたします」
「……別に、礼を言われるほどではない」
「私も旦那様も、とても嬉しいです!」
朝食があまり進んでいなかったようだけれど、唯一ラズベリーパイだけのお皿だけは空っぽだった。甘酸っぱいフルーツを使ったお菓子がお好きなのかと、それらしい種類のものをたくさん並べて、ブルーメルに咲き誇る草花を加工した新鮮なハーブティーも用意済み。
旦那様との和解の場として、これ以上ない完璧さ。遠くには元気な牛や羊も見えて、ほんわか癒し効果もばっちりだし。
「……俺は別に、話すことなどない」
「またまた、そんなことをおっしゃらずに。あ、水入らずがよろしければ、私は失礼して……」
気を遣ったつもりだったけれど、双方から食い気味に「それはやめて」と言われたので、大人しく椅子に腰掛けた。
「で?」
旦那様はそれだけ言って、ハーブティーをひと口。
「は?」
アイゼンベルク様も負けじと一字で返し、ベリージャムの乗ったビスケットを手に取る。
「ふわぁ……」
私はというと、このぴりぴりとした雰囲気にあてられてなんだか眠くなってきたところ。男性の友人がいないから分からないけれど、男同士の会話って一文字で終わるのが普通なんだろうか。つーかーの仲というか、二人の間に余計な言葉は必要ない、みたいな。
「つまり、今こうしてただ睨み合っているだけのように見えて、実は熱いハートをぶつけ合って魂で会話なさっているということね」
「フィ、フィリア。それは違う」
「そうだ、妙な言い方をするな」
急に慌て出したところを見るに、どうやら図星らしい。
「だってそうじゃなきゃ、説明がつきませんものね。ふむふむ、私もまだまだですわ」
ふふふ、と笑いながら二人を交互に見やると、どちらもなぜか居心地が悪そうにきゅっと眉根を寄せていた。
「分かった、率直に問おう。お前はなぜこのタイミングでここに来た?」
口火を切ったのは旦那様、どうやらあんまり長い会話は、熱い魂同士でも難しいらしい。
「だからそれは、仕事の話を……」
「誤魔化すのは止めろ。どう考えても、それだけでは説明がつかない」
旦那様は厳しい顔をして、じっとアイゼンベルク様を見つめている。彼はそれを躱すように下を向いていて、いつの間にか手にあったビスケットはなくなっていた。
「正直に話してくれないか。もし本当にフィリアを気に入ったのであれば、そうだとはっきり……」
「そ、それは断じて違う!」
今日一番の大声が辺りに響き渡り、なぜだかマリッサが私の肩にぽんと手を乗せる。視線を上げると、彼女はまるで「気を落とさないで」とでも言いたげな慈愛に溢れた瞳をしていた。
「い、いや……。そうとも言い切れないか」
「……は?」
麗しの旦那様に似つかわしくない、ドスの効いた声が静かに響く。
「ご、誤解するな!僕は友人の妻に手を出すような屑じゃない!」
「まぁ、そうだな。お前は極端に女性を毛嫌いする困った性分の男だが、そこは信用している」
「……お前もつい最近まで似たようなものだったくせに」
信用していると言いつつ、ずっと顔が怖い。アイゼンベルク様は唇を尖らせたまま、斜め前に座る私に初めて目を向けた。
「……やっぱり、お前だけ狡い」
「またそんなことを」
「だって、夫人みたいな女性に知り合えるなんて奇跡としか言いようがないじゃないか‼︎」
まぁ、奇跡だなんて。ぽぽっと頬を赤らめる私に、彼はさらに「少し食い意地が張っているくらいまったく問題ない」と追加した。
「政略結婚だったんだろう?お前はよほど運が良かったんだな」
「まぁ、運といえばそうですね。私も旦那様も、天命に従いましたから」
けろりとした顔でそう言うと、アイゼンベルク様はぱちぱちと瞬きをしてみせる。今は落ち込んでいるせいか髪は靡いていないけれど、それでも美貌が霞むことはない。何を食べたらそんなに睫毛が伸びるんだろうと、純粋に聞いてみたくなった。
「天命、とは?」
「要は『適当』ですね」
「て、テキトウ……?」
アイゼンベルク様はなぜか雷に打たれた人みたいな顔をしながら、私と旦那様を交互に見つめている。よほどの馴れ初めがあった方が納得するのかも、とも思ったけれど、ご友人に嘘を吐くのは気が引けた。
「旦那様、アレを」
「ああ、アレだな」
私が事前にお願いしておいた、私達を結びつけてくれた『アレ』。まるで聖なる剣でも取り出すかのような厳かな所作で、旦那様は懐から絹の小袋を取り出した。
それをテーブルの真ん中に置くと、ゆっくりと傾ける。ころんと顔を出したのは、何の変哲もないただのサイコロだった。
「旦那様はこれを振って、私を結婚相手に選んでくださいました」
「へ、へぇ……?」
「よろしければ、どうぞお手に取ってらしてください」
まぁ、だからといって何がどうというわけではない。けれどその小さな正六面体は、アイゼンベルク様の大きな夢を打ち砕くには十分過ぎる破壊力を備えていたらしい。
「お前は、こんなもので結婚相手を決めたというのか……?」
「ああ、そうだ」
「正気の沙汰じゃない」
目を血走らせながら放ったアイゼンベルク様のひと言を聞いて、後ろに控えるマリッサが盛大に噴き出した。
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