ワガママ姫とわたし!

清澄 セイ

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第六章「妖精の剣」

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それも当たり前だと思う。だってあんな近くで魔獣を見たのは初めてだし、相手は問答無用で襲いかかってくる。

わたしたちの命を、奪おうとしてる。

「あ、あの」
「ソルがもっと早く魔獣を倒していれば、わたくしがこんなに疲れることだってなかったわ!」
「はあ?なんも関係ないだろ!大体姫が」
「は、はなしを……っ」

話を聞いてほしいのに。手が震えて、口もカラカラに乾いて、上手く声が出せない。

だってもし、わたしに剣が抜けなかったら?

そうしたら本当に、どうすることもできなくなっちゃう。

このまま、どうすることも……。

「そっ、そんなの嫌だ!」

もしかしたら、こんな風にお腹の底から声を上げたのは初めてかもしれない。

自分でもビックリするくらいの大きな声。

言い合いをしていたみんなが、一斉に私の方を見た。

「わ、わたし……この世界が、ずっとずっと大好きだったんです」

泣きそうになるのを、必死に堪える。

今は泣いてる場合じゃないから。

「お母さんの作った、この大切な世界を守りたい。ルミエール姫も、ソルも、ラランもソララも、ここにいる人たちみんなが暮らすこの場所を、幸せでいっぱいにしたい」
「メイ……」

パタパタと小さく羽の擦れる音が聞こえて、ラランがわたしの肩に乗る。なぐさめてくれてるんだと思うと、ますます泣きそうになった。

「ルミエール姫だけが、妖精の聖なる剣を抜くことができる。わたしが知ってる物語では、そうなんです」
「だけどわたくしは……」

フルフルと首を横に振って、わたしはルミエールの両肩をつかむ。

「よっ、弱気にならないでください!いつもの自信たっぷりな姫はどこにいっちゃったんですか!」
「な……っ」
「ひ、ひとりじゃないです!」

こんなこと、今までだったら絶対言えなかった。

「わ、わ、わたしがついてますから!」

ちゃんとしなきゃって思うのに、勝手に手が震える。

「メイ」
「あ……ご、ごめんなさいわたしっ」

わたしの手に、ルミエール姫の手が重なる。

それは冷たくて、わたし以上に震えてて。

「頼りにしているわ、メイ」

まるで目の前に、自分がいるような気がした。
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