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第十章

二人の手作り餃子と、新しいスタート⑬

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(んん…もう、朝…?)

「今何時だろう」

枕の下に手をやり、目を瞑ったままスマホを探す。見つけたそれで時間を確認した瞬間、眠気が一気に吹き飛んだ。

「新太さんっ!」

乱れたパジャマにボサボサ頭のまま、慌ててリビングのドアを開けた。

「おはよう」

「おはようございます…ではなくて!」

「ん?」

「時間!」

「時間?」

「あぁ、私なんで…」

時計の針はもう、おはようよりもこんにちはに近かった。

「朝飯用意したけど、食う?」

「わぁ、嬉しいです…って違う!」

ソファに優雅に腰掛けている彼の前で、私はガックリと肩を落とした。

「ごめんなさい、新太さん」

「なんで謝るの?」

「だって、せっかく久しぶりに重なったお休みなのに。朝ご飯だって私が…」

普段朝はコーヒーしか飲まない新太さんの為に、お休みの今日は張り切ろうと思って色々考えていたのに。こんな時間まで寝てしまうなんて、私は馬鹿だ。

「そんな顔しなくてもいいよ。来未だって休みなんだから、いくら寝たっていいだろう?」

「でも…」

俯く私の両頬を、新太さんのあったかい手がふわりと包んだ。

「気持ちは嬉しいけど、昨日だって色々作ってくれたんだし十分だから。来未に無理させる方が嫌だ」

「無理なんてそんな」

「分かってる。俺のことを喜ばせたくてやってくれているんだって。でも、そんなに落ち込むな。俺だって、来未にゆっくりしてほしかったから起こさなかったんだし」

「新太さん…」

「それに、来未が起きられなかったのは百パーセント俺の責任だし…なぁ?」

「っ!」

(急に耳元でえっちな声出さないで!)


びくりと反応する私を見て、新太さんは楽しげに喉を鳴らした。
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