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第十章
二人の手作り餃子と、新しいスタート⑫
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(やっぱり怒ってない、ていうかむしろ楽しんでる!)
素早く足を引っ込めて再度抵抗の意思表示をするが、こうしてくるまっていると外の様子が分からない。
「ん…っ」
次は、背中。丸めている背中に沿わせるように、また指でなぞられた。タオルケットは、私が思っていた以上に生地が薄かったらしい。
「やっ、やめ」
「んー?」
「新太さ」
「そこからじゃよく聞こえないな」
(絶対に嘘だ!)
透視でもしているんじゃないかと思いたくなるほど、新太さんは私の弱い箇所をピンポイントで撫でてくる。
指の腹でスーッと擦られると、くすぐったいのと恥ずかしいのが混ざって声が抑えられない。
「呼んでも出てきてくれないから、こうするしかないよな?」
「……っ」
勢いよくタオルケットを放り投げて、私のすぐ横にいた新太さんに正面から抱きついた。
突然のことで驚いた表情をしながらも、新太さんはしっかりと私を抱きとめてくれる。
「来未?」
「…」
答えないまま彼の首元にしがみつく。
「悪い、度が過ぎた?」
「…って」
「え?」
「もっとちゃんと、触って」
彼の耳元で、消え入りそうな声でそう言うのが精いっぱい。
一瞬、新太さんの肩がピクリと反応したかと思うと、いつもより少しだけ荒々しく、私をベッドの上に押し倒した。
「来未可愛すぎ」
「ん…っ、ふぅ…っ」
いきなりの激しいキスに、口の端から混ざり合った唾液が溢れる。
「ごめん優しくできない」
「しなくていい」
「っ」
(私この人に、全部食べられちゃう)
ギラリと光る新太さんの鋭い瞳に見つめられて、身体の奥がキュンと震えた。
素早く足を引っ込めて再度抵抗の意思表示をするが、こうしてくるまっていると外の様子が分からない。
「ん…っ」
次は、背中。丸めている背中に沿わせるように、また指でなぞられた。タオルケットは、私が思っていた以上に生地が薄かったらしい。
「やっ、やめ」
「んー?」
「新太さ」
「そこからじゃよく聞こえないな」
(絶対に嘘だ!)
透視でもしているんじゃないかと思いたくなるほど、新太さんは私の弱い箇所をピンポイントで撫でてくる。
指の腹でスーッと擦られると、くすぐったいのと恥ずかしいのが混ざって声が抑えられない。
「呼んでも出てきてくれないから、こうするしかないよな?」
「……っ」
勢いよくタオルケットを放り投げて、私のすぐ横にいた新太さんに正面から抱きついた。
突然のことで驚いた表情をしながらも、新太さんはしっかりと私を抱きとめてくれる。
「来未?」
「…」
答えないまま彼の首元にしがみつく。
「悪い、度が過ぎた?」
「…って」
「え?」
「もっとちゃんと、触って」
彼の耳元で、消え入りそうな声でそう言うのが精いっぱい。
一瞬、新太さんの肩がピクリと反応したかと思うと、いつもより少しだけ荒々しく、私をベッドの上に押し倒した。
「来未可愛すぎ」
「ん…っ、ふぅ…っ」
いきなりの激しいキスに、口の端から混ざり合った唾液が溢れる。
「ごめん優しくできない」
「しなくていい」
「っ」
(私この人に、全部食べられちゃう)
ギラリと光る新太さんの鋭い瞳に見つめられて、身体の奥がキュンと震えた。
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