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第八章
ポークチャップと、懐かしい思い出④
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私はもうずっと前から、大澤係長のことが好きだった。だけど今の自分では、彼につり合わない。
本当は今だって、自信なんてこれっぽっちもない。
ただ採用してもらえたというだけで実際に働いてもいないし、胸を張れる状況じゃない。
でも大澤係長は、私のために三ノ宮さんに怒ってくれた。しかもそのことを凄く後悔していて、私になにかあったらどうしようと、自分の立場そっちのけで私のことを一番に思ってくれた。
そんな彼が、愛しいと思った。
同時に、自信のなさを言い訳にいつまでもウジウジしてる自分自身を、情けなくも思った。
大澤係長だって、完璧なんかじゃない。
悩んだり後悔したり、私となにも変わらない。
私に告白をしてくれたことも、きっと勇気を持って伝えてくれたんだ。私だって、少しでも彼に返したいと思う。
一度溢れ出したら、もう止まらない。
この人のことが、心から愛しいと思うこの気持ちは。
「山田さん」
「は、はい」
後から猛烈に恥ずかしさが追いかけてきて、顔を上げられない。
「ありがとう」
だけど、その声を聞くだけで。
「俺も、君のことが好きだ」
嬉しそうな声色に、どうしようもなく心が震える。
(好き。大好き)
「顔が見たい」
「絶対赤いから嫌ですっ」
「それでもいい」
「で、でも」
「見せて」
甘く蕩けるその雰囲気に逆らえなくなって、上目遣いに顔を上げる。まっすぐに私を見つめる大澤係長と、視線が絡んだ。
照れているのを誤魔化すような彼のはにかんだ笑顔に、ドキドキと高鳴る鼓動が止まらない。
「ちゃんと、目を見て言いたかった」
「…」
「山田さん、好きだ」
「わたし、も」
ゆっくりと近づいてくる大澤係長に、私はキュッと目を瞑る。
瞬間、唇にふんわりとした優しい感触を感じた。
本当は今だって、自信なんてこれっぽっちもない。
ただ採用してもらえたというだけで実際に働いてもいないし、胸を張れる状況じゃない。
でも大澤係長は、私のために三ノ宮さんに怒ってくれた。しかもそのことを凄く後悔していて、私になにかあったらどうしようと、自分の立場そっちのけで私のことを一番に思ってくれた。
そんな彼が、愛しいと思った。
同時に、自信のなさを言い訳にいつまでもウジウジしてる自分自身を、情けなくも思った。
大澤係長だって、完璧なんかじゃない。
悩んだり後悔したり、私となにも変わらない。
私に告白をしてくれたことも、きっと勇気を持って伝えてくれたんだ。私だって、少しでも彼に返したいと思う。
一度溢れ出したら、もう止まらない。
この人のことが、心から愛しいと思うこの気持ちは。
「山田さん」
「は、はい」
後から猛烈に恥ずかしさが追いかけてきて、顔を上げられない。
「ありがとう」
だけど、その声を聞くだけで。
「俺も、君のことが好きだ」
嬉しそうな声色に、どうしようもなく心が震える。
(好き。大好き)
「顔が見たい」
「絶対赤いから嫌ですっ」
「それでもいい」
「で、でも」
「見せて」
甘く蕩けるその雰囲気に逆らえなくなって、上目遣いに顔を上げる。まっすぐに私を見つめる大澤係長と、視線が絡んだ。
照れているのを誤魔化すような彼のはにかんだ笑顔に、ドキドキと高鳴る鼓動が止まらない。
「ちゃんと、目を見て言いたかった」
「…」
「山田さん、好きだ」
「わたし、も」
ゆっくりと近づいてくる大澤係長に、私はキュッと目を瞑る。
瞬間、唇にふんわりとした優しい感触を感じた。
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