居場所を無くした孤独女子は、エリート上司に甘く囲われる〜二人で美味しい同棲生活〜《R-18》

第八章

ポークチャップと、懐かしい思い出③

大澤係長はいつものようにおいしいおいしいと言いながら、たくさん食べてくれた。

今日はちょっと贅沢をしてケーキショップのプリンも買っておいたから、それも二人で食べた。

高揚感からか頭がふわふわして、なぜだかいつも以上に大澤係長が輝いて見えるから、困る。

「あ、あの」

（いいかな。ダメかな。こんなこと頼んじゃ）

ソファに二人で並んで他愛ない会話をしいてる時、思いきって口を開く。

「えっと…」

「どうした？」

「その…あ、頭を…」

「頭？」

大澤係長はキョトンとしていて、私だけが煩悩まみれな気がして余計に恥ずかしい。

「撫でてほしいな、なんて…」

予想外だったのか、係長は目を丸くする。

「あ！すいません、ダメなら全然！」

「…フッ」

私の焦りようがおかしかったのか、大澤係長が口元に拳を当てながら笑った。

「それむしろ、俺へのご褒美になるけどいいの？」

「えっ、えぇ！？」

目を細めて、係長は私の頭に掌を乗せる。そのままポンポンと、優しく撫でてくれた。

「頑張ったな。本当によかった。山田さんは、偉いな」

「っ」

（あったかい）

涙がこぼれそうになるほどに。

「大澤係長」

「ん？」

「好きです…っ」

思いが溢れてどうしようもなくなって、目を瞑ったまま想いを伝えた。

こんなことをいきなり口にして、絶対に困ると分かっているのに。

欲張りな自分を、止めることが出来ない。

もっと彼に近づきたい、と。