居場所を無くした孤独女子は、エリート上司に甘く囲われる〜二人で美味しい同棲生活〜《R-18》

清澄 セイ

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第六章

お洒落なランチと、あの人④

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こうして美味しい料理を食べていると、また大澤係長の顔が浮かんでくる。

係長もこれ好きだろうな、食べたらどんな顔するかな、家で再現できないかなって。

最近は何をしていても、ふとした拍子につい彼のことを絡めて考えてしまうようになった。

こんなこと、今までになかったのに。

「ねぇ来未、もしかして彼氏できた?」

「えっ!」

やえちゃんの質問に、つい大袈裟に反応する。まさかそんなことを聞かれるなんて思ってもいなかった。

「その反応、やっぱり彼氏できたんだ?」

「う、ううん。できてないよ」

「じゃあ、好きな人?」

やえちゃんは昔から、私の考えてることなんて全てお見通しだ。

「う、うん」

カカッと頬っぺたが熱くなる。やえちゃんの形のいい唇が、ニンマリと弧を描いた。

「こういう系の話するとすぐ真っ赤になるとこも、変わってないね」

「あ、からかってるっ」

「ねぇ、その好きな人って同じ会社に勤めてる人?」

「同じ会社だった人っていうのが正しいのかな?私、会社辞めちゃったから」

「そうなの?いつ?」

「二ヶ月くらい前」

「そっかぁ。確か結構大手のコンサル会社だったよね?社畜やってたとか?」

「うーん、そういうわけじゃないんだけど…」

「まぁ、働いてると色々あるよね。いいじゃん、精神おかしくなるよりさっさと辞めちゃった方が。私らまだ若いんだし幾らでも次見つかるよ」

モゴモゴと口籠る私を見て、やえちゃんははなんでもないことのように、そう言ってくれた。

「ありがとう、やえちゃん」

(本当のこと、言えなくてごめんね)

社会人として頑張っている彼女に、余計な心配をかけたくなかった。
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