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第一章
唐揚げのお弁当と、元上司⑧
しおりを挟むていうか私今、お腹鳴ったのを聞かれてしまった。恥ずかしい。
お腹を押さえたまま、俯いた。
「仕方ないです。朝もお昼も食べてなかったんですから」
「俺と同じこと言ってる」
低めの笑い声。なんとなく男の人って感じがする。
大澤係長はサラッと当たり前のように、私の隣に座った。
「腹減ったな」
「フフッ、はい」
「山田さんも忙しかったの?」
「いえ、そういうわけではないんですけど」
「弁当忘れたとか?」
「いえ、それも違います」
あれ?大澤係長、私がお弁当だって知ってるんだ。
「お弁当は食べられなかったので、夜に食べます」
保冷バッグに入れてるし、きっと食べられるだろう。
「なぁ」
「はい」
「それ、俺が今食べちゃダメ?」
「えっ」
驚いて、パッと視線を上げる。大澤係長は、至って真面目そうな顔をしていた。
目が合った彼はやっぱり整った顔をしていて、思わずまじまじと見つめてしまった。
「山田さん?」
「あ…すみません」
「でさ。いい?」
「とても係長に食べていただけるようなものでは」
「でも食べたい」
「傷んでるかもしれませんし」
「食べてみたら分かるよ」
意外としつこいな…
私は横に置いていた保冷バッグから、お弁当の包みを取り出す。
「本当に、食べるんですか?」
「うん」
「なんだか申し訳ないです」
「俺が無理言ってるのに」
(まぁ、いいか)
そう思った私は、素直にお弁当箱を大澤係長に手渡した。
お腹を押さえたまま、俯いた。
「仕方ないです。朝もお昼も食べてなかったんですから」
「俺と同じこと言ってる」
低めの笑い声。なんとなく男の人って感じがする。
大澤係長はサラッと当たり前のように、私の隣に座った。
「腹減ったな」
「フフッ、はい」
「山田さんも忙しかったの?」
「いえ、そういうわけではないんですけど」
「弁当忘れたとか?」
「いえ、それも違います」
あれ?大澤係長、私がお弁当だって知ってるんだ。
「お弁当は食べられなかったので、夜に食べます」
保冷バッグに入れてるし、きっと食べられるだろう。
「なぁ」
「はい」
「それ、俺が今食べちゃダメ?」
「えっ」
驚いて、パッと視線を上げる。大澤係長は、至って真面目そうな顔をしていた。
目が合った彼はやっぱり整った顔をしていて、思わずまじまじと見つめてしまった。
「山田さん?」
「あ…すみません」
「でさ。いい?」
「とても係長に食べていただけるようなものでは」
「でも食べたい」
「傷んでるかもしれませんし」
「食べてみたら分かるよ」
意外としつこいな…
私は横に置いていた保冷バッグから、お弁当の包みを取り出す。
「本当に、食べるんですか?」
「うん」
「なんだか申し訳ないです」
「俺が無理言ってるのに」
(まぁ、いいか)
そう思った私は、素直にお弁当箱を大澤係長に手渡した。
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