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最初の話
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「着きぃましたっ。さっさと降りて。」
ぶっきらぼうに吐き捨てたグレーのパーカーの髭面が、ルームミラー越しに垂れ下がった瞼から茶色い目を光らせた。
辺りはすっかり薄暗く、ドアからスルッと出てきた少女の脚を真っ白に映した。
雨が降っていたのか、地面は少しぬかるんでいる。周りに生えている木は、蛸のようにうねり、老人の指のようにボコボコしている。ほとんどが枯れ木で、不気味な雰囲気を醸し出している。
しかし意外にも、空気がとても澄んでおり、都会の空気を溜め込んだ少女の肺をすぐに浄化させた。
「ありがとうございます。あっ、あの、タバコ、辞めた方がいいです。後で、病院に行ってください。あの、早死したかったら、別に大丈夫です。」
ペコッと頭を下げ、すぐに後ろを向いて歩き出した少女の背中を見つめ、髭面は黄色く濁った白目をシパシパさせた。
「気味のわりぃ餓鬼だな・・・」
黒い普通自動車は芳香剤の匂いを窓から垂れ流して行ってしまった。
もう、家には帰れない。
少女は目の前の屋敷を見上げた。
4~5時間前、少女は中学校の卒業式を終えたばかりだった。母親と一緒にニコニコしながら学校の門を出て、母親と一緒に真顔で黒い普通自動車に向かった。
母はとにかく「普通」である事を子に強いる人だった。成績、運動、容姿、性格、人望。全て「普通」を求めた。しかし、少女、大平 雪 (オオヒラ ユキ)は違った。もちろん、彼女自身も母親を喜ばせようと必死に「普通」を目指した。成績、運動、容姿、性格。ここまでは極「普通」であった。
「お母さん・・・その靴は、良くないって。靴擦れしちゃうよ。コンタクトも、度数あってないみたい、眼科に、行った方がいいよ。」
「うるさい、煩い、五月蝿い。だまれ。気色が悪い、話しかけないで。」
「ごめんなさい」
実の母親からここまで言われる娘もそうはいない。彼女の洞察力は、昔からずば抜けていた。そのせいで、「普通」を求める母親からは悪魔の子のように扱われていた。
「あなたのその気色の悪い言動から解放されると思ったら・・・」
「あそこ遠いんすよねぇ、早くしてくれませんかぃ?」
窓から髭面が顔を出した。
「あぁごめんなさい。ほら、さっさと乗りなさい。」
「はい」
渋々と乗り込んだ少女は、どんどん小さくなる母親を横目で眺めながらホロッと涙を流した。
目の前の屋敷の話は、母からよく聞いていた。「人さらいの家」・・・私は今日からここのメイドになる。
それなりに出入りがあるらしい。車のタイヤ跡が、新しいのから古いのまである。水のたまっていないものもあるのを見るに、つい最近も出入りがあったみたい。
自分のより大きい足跡がいくつか・・・・
そこで考える事をやめた。この思考は人を不愉快にさせてしまうのを私は知ってる。「人さらいの家」に自分からメイドとしてやってくる人間なんてどこ探してもいないと思う。
とりあえず、この大きな戸を開けなければいけない。
キィ…
古めかしい見た目と裏腹に、扉は少女の腕力でかなりすんなり開いた。
「わっ?!?!だっ、誰だ?!?!」
「?!?!」
男の人の大きな声に飛び上がった。
「ん゛んっ、コホン。」
背の高い男の人は落ち着いて続けた。
「今日、来客の予定はもう無かったはずだが。」
「あっ、私、あの、ここに・・・」
「まだ子供じゃないか。迷ったのか?ここに山菜は生えてないぞ。」
「そうじゃなくて、私、ここでメイドを、母に言われて!」
「メイド・・・?」
男の人が少し屈んで私の顔をのぞき込んだ。
「わ、」
男の人の顔はびっくりするほど綺麗で、テレビで見たどのイケメン俳優やアイドルでもこんなに整った顔立ちの人は見たことがないくらいだった。
少女の顔が少し赤くなった事に気がついた男は、釣られて赤面して姿勢を正した。
「あだっ、いや。メイドは雇って、うん。雇った覚えは、ない。」
「ええっ?!でも、母が電話したって・・・」
卒業式の前日に、母が電話して話がついたと、確かにそう言っていた。
「電話・・・???」
男の人は面白げにニヤついた。
「もしかして・・・」
「ははは!君!それ親に捨てられだんだよ!」
階段上から高らかに、とても中性的な声が降ってきた。
「ここに電話なんてないからね!連絡手段は文通!鳩が持ってきてくれるんだ。君んちにそんな感じの鳩、来てた?」
階段を降りてきた声の主は、喋りながら男の人の横までやってきた。
「いや、来てない、です。」
「なら捨てられたんだ。可哀想に。」
ニコッと笑ったその人の顔は、人間とは思えないほど美しい顔をしていた。
キリンのように長いまつ毛が影を落とす下には、まるで宝石のようにキラキラとした瞳が隠れていて、それらがついた顔はとても小さく、白く。蛇のようなにしなやかな手足は陶器のように艶やか。まるで、おばあちゃん家にあった球体関節人形みたいだ。
「あぁ、我が主プッペ様・・・今日もお美しい・・・」
「いやー!やめてって。それ今日何回目だよ。」
「いやしかし・・・」
少し、いや、かなり情報量が多い。ぐるぐるしている。
「あの・・・」
「ん?わ、鼻血出てるよ」
「え?」
視界の縁から黒くモヤがかかり、何も見えなくなった。
視界が晴れた時には、ほんのり桜の香りのする白い布団の中だった。
アンティーク調のベッドには桃色の天蓋がかかっていて、その向こうにセピア色の家具が置いてあるのが見える。
「ここは、、、?」
もっとよく見るために起き上がろうとした時、手にサラッとしたものが当たった。
「あ・・・」
美しい濡れ羽色のそれは、さっき見たここの主の髪だった。私と同じ黒髪なのに、まるで違う。月光に碧色に反射して、艶々と光っている。
「起きた?」
顔を伏せたままこっちを向いて、主が話しかけた。
「突然倒れてびっくりしたよ。」
「おっ、起きてたん、ですね、」
「うん」
ニッコリとわらって続けた。
「メイドとして雇われに来たって言ってたよね。確かサイズの会うメイド服があったはずだから、今タクマに探させてるよ。」
「え、いいんですか・・・?」
「もちろん!」
全身の力が抜けた。ここに居ていいんだ。居させて貰えるんだ・・・
冷たくなってしまった心臓が、ほわっと暖かくなって行くのがわかった。
「君、名前なんて言うの?」
「オオヒラ、です。オオヒラ、ユキ。」
「ユキ。これからよろしくね。この部屋好きに使っていいから。後でタクマが服を持ってきてくれると思うから、その時お風呂の場所も教えてもらうといいよ。うん、うん、辛かったね。今日はもうゆっくりしててね。」
とめどなく涙を流す私の頭を優しく撫でてくれた手は、私より少し大きかった。
涙が落ち着いてから、主が話し始めた。
「僕の名前はプッペ。ここの主だけど、そう大して秀でた事はやってないから友達感覚でいてくれたらいいよ。」
「はい、よろしくお願いします・・・」
この人からは何も読み取れない。目の挙動、仕草、口の動き、声色、、、色んな所から、感情や行動の情報が入ってくる。でも、プッペからは何も分からない。「普通」の人が見ているのであろう他人像に、酷く心地良さを感じた。
「敬語じゃなくていいのに。あ、でもメイドだったら敬語じゃないとダメなのか。まぁいいや。話しやすい方で。」
プッペが部屋を出て少ししたら、最初に会った男性が紺色の服を持ってやってきた。
私と目が合うやいなや、そっぽを向いてしまった。
「・・・起きたのか。」
「あ、はい」
「・・・メイドの制服だ。サイズは合うはずだ。ここに置いておく。」
少しの沈黙のあと、また続けた。
「・・・今日はもう遅い。ここでは夜食は出ない。もう寝ろ。」
相変わらず顔を合わせないまま、出ていこうとした所にすかさず聞いた。
「お風呂!は、どこですか」
「!!!風呂!!・・・ここをでて右に進んだ突き当りにある」
背を向けドアノブに手をかけたまま早口で言い、今度は質問をする間もなく出ていってしまった。
「・・・嫌われているのかもしれない」
触り心地の良いメイド服を手に取って、ほ、とため息を着いた。
窓の外には、少し欠けた月が青白く光っていた。
ぶっきらぼうに吐き捨てたグレーのパーカーの髭面が、ルームミラー越しに垂れ下がった瞼から茶色い目を光らせた。
辺りはすっかり薄暗く、ドアからスルッと出てきた少女の脚を真っ白に映した。
雨が降っていたのか、地面は少しぬかるんでいる。周りに生えている木は、蛸のようにうねり、老人の指のようにボコボコしている。ほとんどが枯れ木で、不気味な雰囲気を醸し出している。
しかし意外にも、空気がとても澄んでおり、都会の空気を溜め込んだ少女の肺をすぐに浄化させた。
「ありがとうございます。あっ、あの、タバコ、辞めた方がいいです。後で、病院に行ってください。あの、早死したかったら、別に大丈夫です。」
ペコッと頭を下げ、すぐに後ろを向いて歩き出した少女の背中を見つめ、髭面は黄色く濁った白目をシパシパさせた。
「気味のわりぃ餓鬼だな・・・」
黒い普通自動車は芳香剤の匂いを窓から垂れ流して行ってしまった。
もう、家には帰れない。
少女は目の前の屋敷を見上げた。
4~5時間前、少女は中学校の卒業式を終えたばかりだった。母親と一緒にニコニコしながら学校の門を出て、母親と一緒に真顔で黒い普通自動車に向かった。
母はとにかく「普通」である事を子に強いる人だった。成績、運動、容姿、性格、人望。全て「普通」を求めた。しかし、少女、大平 雪 (オオヒラ ユキ)は違った。もちろん、彼女自身も母親を喜ばせようと必死に「普通」を目指した。成績、運動、容姿、性格。ここまでは極「普通」であった。
「お母さん・・・その靴は、良くないって。靴擦れしちゃうよ。コンタクトも、度数あってないみたい、眼科に、行った方がいいよ。」
「うるさい、煩い、五月蝿い。だまれ。気色が悪い、話しかけないで。」
「ごめんなさい」
実の母親からここまで言われる娘もそうはいない。彼女の洞察力は、昔からずば抜けていた。そのせいで、「普通」を求める母親からは悪魔の子のように扱われていた。
「あなたのその気色の悪い言動から解放されると思ったら・・・」
「あそこ遠いんすよねぇ、早くしてくれませんかぃ?」
窓から髭面が顔を出した。
「あぁごめんなさい。ほら、さっさと乗りなさい。」
「はい」
渋々と乗り込んだ少女は、どんどん小さくなる母親を横目で眺めながらホロッと涙を流した。
目の前の屋敷の話は、母からよく聞いていた。「人さらいの家」・・・私は今日からここのメイドになる。
それなりに出入りがあるらしい。車のタイヤ跡が、新しいのから古いのまである。水のたまっていないものもあるのを見るに、つい最近も出入りがあったみたい。
自分のより大きい足跡がいくつか・・・・
そこで考える事をやめた。この思考は人を不愉快にさせてしまうのを私は知ってる。「人さらいの家」に自分からメイドとしてやってくる人間なんてどこ探してもいないと思う。
とりあえず、この大きな戸を開けなければいけない。
キィ…
古めかしい見た目と裏腹に、扉は少女の腕力でかなりすんなり開いた。
「わっ?!?!だっ、誰だ?!?!」
「?!?!」
男の人の大きな声に飛び上がった。
「ん゛んっ、コホン。」
背の高い男の人は落ち着いて続けた。
「今日、来客の予定はもう無かったはずだが。」
「あっ、私、あの、ここに・・・」
「まだ子供じゃないか。迷ったのか?ここに山菜は生えてないぞ。」
「そうじゃなくて、私、ここでメイドを、母に言われて!」
「メイド・・・?」
男の人が少し屈んで私の顔をのぞき込んだ。
「わ、」
男の人の顔はびっくりするほど綺麗で、テレビで見たどのイケメン俳優やアイドルでもこんなに整った顔立ちの人は見たことがないくらいだった。
少女の顔が少し赤くなった事に気がついた男は、釣られて赤面して姿勢を正した。
「あだっ、いや。メイドは雇って、うん。雇った覚えは、ない。」
「ええっ?!でも、母が電話したって・・・」
卒業式の前日に、母が電話して話がついたと、確かにそう言っていた。
「電話・・・???」
男の人は面白げにニヤついた。
「もしかして・・・」
「ははは!君!それ親に捨てられだんだよ!」
階段上から高らかに、とても中性的な声が降ってきた。
「ここに電話なんてないからね!連絡手段は文通!鳩が持ってきてくれるんだ。君んちにそんな感じの鳩、来てた?」
階段を降りてきた声の主は、喋りながら男の人の横までやってきた。
「いや、来てない、です。」
「なら捨てられたんだ。可哀想に。」
ニコッと笑ったその人の顔は、人間とは思えないほど美しい顔をしていた。
キリンのように長いまつ毛が影を落とす下には、まるで宝石のようにキラキラとした瞳が隠れていて、それらがついた顔はとても小さく、白く。蛇のようなにしなやかな手足は陶器のように艶やか。まるで、おばあちゃん家にあった球体関節人形みたいだ。
「あぁ、我が主プッペ様・・・今日もお美しい・・・」
「いやー!やめてって。それ今日何回目だよ。」
「いやしかし・・・」
少し、いや、かなり情報量が多い。ぐるぐるしている。
「あの・・・」
「ん?わ、鼻血出てるよ」
「え?」
視界の縁から黒くモヤがかかり、何も見えなくなった。
視界が晴れた時には、ほんのり桜の香りのする白い布団の中だった。
アンティーク調のベッドには桃色の天蓋がかかっていて、その向こうにセピア色の家具が置いてあるのが見える。
「ここは、、、?」
もっとよく見るために起き上がろうとした時、手にサラッとしたものが当たった。
「あ・・・」
美しい濡れ羽色のそれは、さっき見たここの主の髪だった。私と同じ黒髪なのに、まるで違う。月光に碧色に反射して、艶々と光っている。
「起きた?」
顔を伏せたままこっちを向いて、主が話しかけた。
「突然倒れてびっくりしたよ。」
「おっ、起きてたん、ですね、」
「うん」
ニッコリとわらって続けた。
「メイドとして雇われに来たって言ってたよね。確かサイズの会うメイド服があったはずだから、今タクマに探させてるよ。」
「え、いいんですか・・・?」
「もちろん!」
全身の力が抜けた。ここに居ていいんだ。居させて貰えるんだ・・・
冷たくなってしまった心臓が、ほわっと暖かくなって行くのがわかった。
「君、名前なんて言うの?」
「オオヒラ、です。オオヒラ、ユキ。」
「ユキ。これからよろしくね。この部屋好きに使っていいから。後でタクマが服を持ってきてくれると思うから、その時お風呂の場所も教えてもらうといいよ。うん、うん、辛かったね。今日はもうゆっくりしててね。」
とめどなく涙を流す私の頭を優しく撫でてくれた手は、私より少し大きかった。
涙が落ち着いてから、主が話し始めた。
「僕の名前はプッペ。ここの主だけど、そう大して秀でた事はやってないから友達感覚でいてくれたらいいよ。」
「はい、よろしくお願いします・・・」
この人からは何も読み取れない。目の挙動、仕草、口の動き、声色、、、色んな所から、感情や行動の情報が入ってくる。でも、プッペからは何も分からない。「普通」の人が見ているのであろう他人像に、酷く心地良さを感じた。
「敬語じゃなくていいのに。あ、でもメイドだったら敬語じゃないとダメなのか。まぁいいや。話しやすい方で。」
プッペが部屋を出て少ししたら、最初に会った男性が紺色の服を持ってやってきた。
私と目が合うやいなや、そっぽを向いてしまった。
「・・・起きたのか。」
「あ、はい」
「・・・メイドの制服だ。サイズは合うはずだ。ここに置いておく。」
少しの沈黙のあと、また続けた。
「・・・今日はもう遅い。ここでは夜食は出ない。もう寝ろ。」
相変わらず顔を合わせないまま、出ていこうとした所にすかさず聞いた。
「お風呂!は、どこですか」
「!!!風呂!!・・・ここをでて右に進んだ突き当りにある」
背を向けドアノブに手をかけたまま早口で言い、今度は質問をする間もなく出ていってしまった。
「・・・嫌われているのかもしれない」
触り心地の良いメイド服を手に取って、ほ、とため息を着いた。
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