26 / 121
トラップ
しおりを挟む
カトレアの血が入った瓶を持ち上げると、台座に仕込まれた魔法陣が光り出し100階層に振動が起きる。
振動は徐々に大きくなり、奥の部屋が光ったと思うと、防風のような荒れ狂う魔力が部屋に吹き荒れ、それが収まると、白い鎧と黒い鎧のリビングアーマーが現れ、仁王立ちしながら剣をこちらに向けて構える。
デカい!
2メートル以上ある? それに盾と剣持ってるけど、なんか全く隙が無さそうなんですけど…。
そう思いながらカトレアの方を見ると、何故か楽しそうな顔をして剣を構えてるし。
「カトレアさん? 一応聞きますけど、あれ倒せますか?」
「そうだな、相当な魔力に隙の無い構、相当骨が折れそうだが勝てない相手ではないわね…」
そんな言葉とは裏腹に楽しそうな顔をするカトレア。自分攻撃魔法はカトレアの1/10ぐらいの威力しか出せないし、剣技とか初心者クラスなんだけど…。
そんな自分の気持ちは全く理解していないであろうカトレアは小手調べだ! と言わんばかりに地面を蹴ってリビングアーマーに斬りかかる。
甲高い金属がぶつかる音が数度響き、間合いを取ったカトレアが楽しそうな顔をしている。
「見たか? カツヒコ、こいつらかなりの相手だぞ!本気で無いとはいえ私の初撃を余裕でさばいたわ」
なんでそんなに楽しそうなの?
確かに長い間ここで一人ぼっちで戦う相手もいなくて寂しかったのは分かるけど、こっちは生きるか死ぬかだからね?
自分、戦闘狂じゃないからね?
自分に向かって来た黒いリビングアーマーの剣を覚えたての結界で防ぐが、どうやらギリギリ結界を破壊する威力は無い様でヒビが入ったものの結界は自分を中心に球形を保っている。
よし、このまま結界を維持・修復し身を守りつつ槍でリビングアーマーを突っつこう。
さっき浄化魔法を喰らわしたけど効果なかったから、槍で鎧の継ぎ目を刺してそこから浄化魔法を流し込もう!
そう決めると球状の結界を縮小したうえで念のため二重にして槍を突き出すが、どうやらこれまで戦って来たリビングアーマーとは全く異なる機敏な動きで槍をよけ結界に剣を叩きつける。
結界が二重の為、一撃で破壊されないのはいいけど、自分の槍捌きじゃ有効打を与えられないし、これはカトレアが白いリビングアーマー倒して黒いのも倒してくれるのを待つしかないか…。
そう思いながらもカトレアの方を見ると、楽しそうに笑顔を浮かべたカトレアが白いリビングアーマーと戦っている。カトレアの剣戟を受けリビングアーマーの白い鎧が所々がはがれ、金属が見えだしているけど、戦いを楽しんでいるカトレアはこちらを見向きもしてくれないし、助けてくれる様子も無い。
まあ魔力に余裕はあるから結界を長時間維持するのは可能だから自分は大丈夫だろうけどなんかこの黒いリビングアーマーを倒す方法とか無いのかな。
そんな事を考えているとカトレアが魔法はイメージと言っていたので、結界は触手っぽくすることもできるのか? なんて事を思ったけど、ふとした思い付きで出来るとは限らないし、二重に張った結界の外周部分を触手のイメージで形を変えようとか、思い付きでできるのか?
一応チャレンジをしてみるが、ニョリニョロと何本も触手が出る感じでは無く、球形の結界がグニュャリと形が変わる感じが精一杯だ…。
その間も黒いリビングアーマーは剣を結界に叩きつけ斬ろうとしてくるし…。
やっぱダメか。
まあリビングアーマーの触手プレイを見たかったわけでも無いし、むしろ見ても面白くないからその辺はどうでもいいんだけど現状が変わらずなのは困るな…。
そう考えている間も黒いリビングアーマーは結界を剣で斬りつけてきますがグニャリと歪んだ結界が攻撃を続けた成果と感じたのか更に距離を詰めてくる。
グニャリと結界を流動的に出来るって事はこのままリビングアーマーを結界で拘束出来ないかな?
そんな事を思いつき、リビングアーマーとの距離を詰め結界をぎこちなく流動的に動かしてリビングアーマーの足に結界を包み込むように動かして拘束を試みる。
リビングアーマーは突如足にスライムのように纏わりついて来た結界に驚いたようで剣で斬りつけるが結界は硬質なものから流動的なものになっている為、斬る事が出来ずで傍から見たらジタバタしている。
これなら行けるかも。
そう思い槍を鎧の隙間に突き刺して鎧の内部に浄化魔法を流し込む。
浄化魔法を流し込まれた黒いリビングアーマーは苦しむ様にもがき暴れ、その度に槍が抜け、再度槍を突き刺し浄化魔法を流し込むを繰り返すと徐々に抵抗が弱くなり遂には動きが止まる。
トドメとばかりに槍を通して浄化魔法を流し込むとリビングアーマーは一瞬、ビクッとし直後動きを止める。
内部が浄化された事で鎧もバラバラになり辺りに散らばった。
流石にトラップで出て来るリビングアーマーだけあって魔石も大きいな、大体20センチぐらいか…、色も黄色いし普通のアンデッドじゃなく階層主クラスだったんだろうか。
そんな事を思いながらもカトレアの方を見ると、確実に攻撃を受けているのに決定打を喰らっていないのかボロボロになりながらも動きの衰えない白いリビングアーマーがカトレアと剣を交えている。
よしカトレアと戦っているリビングアーマーも同じ戦法で浄化しよう!!
そう決めると結界を流動的に動かしながら白いリビングアーマーに向かって行く。
やっぱこれって常識はずれな結界の使い方なんだろうな…。
振動は徐々に大きくなり、奥の部屋が光ったと思うと、防風のような荒れ狂う魔力が部屋に吹き荒れ、それが収まると、白い鎧と黒い鎧のリビングアーマーが現れ、仁王立ちしながら剣をこちらに向けて構える。
デカい!
2メートル以上ある? それに盾と剣持ってるけど、なんか全く隙が無さそうなんですけど…。
そう思いながらカトレアの方を見ると、何故か楽しそうな顔をして剣を構えてるし。
「カトレアさん? 一応聞きますけど、あれ倒せますか?」
「そうだな、相当な魔力に隙の無い構、相当骨が折れそうだが勝てない相手ではないわね…」
そんな言葉とは裏腹に楽しそうな顔をするカトレア。自分攻撃魔法はカトレアの1/10ぐらいの威力しか出せないし、剣技とか初心者クラスなんだけど…。
そんな自分の気持ちは全く理解していないであろうカトレアは小手調べだ! と言わんばかりに地面を蹴ってリビングアーマーに斬りかかる。
甲高い金属がぶつかる音が数度響き、間合いを取ったカトレアが楽しそうな顔をしている。
「見たか? カツヒコ、こいつらかなりの相手だぞ!本気で無いとはいえ私の初撃を余裕でさばいたわ」
なんでそんなに楽しそうなの?
確かに長い間ここで一人ぼっちで戦う相手もいなくて寂しかったのは分かるけど、こっちは生きるか死ぬかだからね?
自分、戦闘狂じゃないからね?
自分に向かって来た黒いリビングアーマーの剣を覚えたての結界で防ぐが、どうやらギリギリ結界を破壊する威力は無い様でヒビが入ったものの結界は自分を中心に球形を保っている。
よし、このまま結界を維持・修復し身を守りつつ槍でリビングアーマーを突っつこう。
さっき浄化魔法を喰らわしたけど効果なかったから、槍で鎧の継ぎ目を刺してそこから浄化魔法を流し込もう!
そう決めると球状の結界を縮小したうえで念のため二重にして槍を突き出すが、どうやらこれまで戦って来たリビングアーマーとは全く異なる機敏な動きで槍をよけ結界に剣を叩きつける。
結界が二重の為、一撃で破壊されないのはいいけど、自分の槍捌きじゃ有効打を与えられないし、これはカトレアが白いリビングアーマー倒して黒いのも倒してくれるのを待つしかないか…。
そう思いながらもカトレアの方を見ると、楽しそうに笑顔を浮かべたカトレアが白いリビングアーマーと戦っている。カトレアの剣戟を受けリビングアーマーの白い鎧が所々がはがれ、金属が見えだしているけど、戦いを楽しんでいるカトレアはこちらを見向きもしてくれないし、助けてくれる様子も無い。
まあ魔力に余裕はあるから結界を長時間維持するのは可能だから自分は大丈夫だろうけどなんかこの黒いリビングアーマーを倒す方法とか無いのかな。
そんな事を考えているとカトレアが魔法はイメージと言っていたので、結界は触手っぽくすることもできるのか? なんて事を思ったけど、ふとした思い付きで出来るとは限らないし、二重に張った結界の外周部分を触手のイメージで形を変えようとか、思い付きでできるのか?
一応チャレンジをしてみるが、ニョリニョロと何本も触手が出る感じでは無く、球形の結界がグニュャリと形が変わる感じが精一杯だ…。
その間も黒いリビングアーマーは剣を結界に叩きつけ斬ろうとしてくるし…。
やっぱダメか。
まあリビングアーマーの触手プレイを見たかったわけでも無いし、むしろ見ても面白くないからその辺はどうでもいいんだけど現状が変わらずなのは困るな…。
そう考えている間も黒いリビングアーマーは結界を剣で斬りつけてきますがグニャリと歪んだ結界が攻撃を続けた成果と感じたのか更に距離を詰めてくる。
グニャリと結界を流動的に出来るって事はこのままリビングアーマーを結界で拘束出来ないかな?
そんな事を思いつき、リビングアーマーとの距離を詰め結界をぎこちなく流動的に動かしてリビングアーマーの足に結界を包み込むように動かして拘束を試みる。
リビングアーマーは突如足にスライムのように纏わりついて来た結界に驚いたようで剣で斬りつけるが結界は硬質なものから流動的なものになっている為、斬る事が出来ずで傍から見たらジタバタしている。
これなら行けるかも。
そう思い槍を鎧の隙間に突き刺して鎧の内部に浄化魔法を流し込む。
浄化魔法を流し込まれた黒いリビングアーマーは苦しむ様にもがき暴れ、その度に槍が抜け、再度槍を突き刺し浄化魔法を流し込むを繰り返すと徐々に抵抗が弱くなり遂には動きが止まる。
トドメとばかりに槍を通して浄化魔法を流し込むとリビングアーマーは一瞬、ビクッとし直後動きを止める。
内部が浄化された事で鎧もバラバラになり辺りに散らばった。
流石にトラップで出て来るリビングアーマーだけあって魔石も大きいな、大体20センチぐらいか…、色も黄色いし普通のアンデッドじゃなく階層主クラスだったんだろうか。
そんな事を思いながらもカトレアの方を見ると、確実に攻撃を受けているのに決定打を喰らっていないのかボロボロになりながらも動きの衰えない白いリビングアーマーがカトレアと剣を交えている。
よしカトレアと戦っているリビングアーマーも同じ戦法で浄化しよう!!
そう決めると結界を流動的に動かしながら白いリビングアーマーに向かって行く。
やっぱこれって常識はずれな結界の使い方なんだろうな…。
14
お気に入りに追加
733
あなたにおすすめの小説
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
転生幼女の異世界冒険記〜自重?なにそれおいしいの?〜
MINAMI
ファンタジー
神の喧嘩に巻き込まれて死んでしまった
お詫びということで沢山の
チートをつけてもらってチートの塊になってしまう。
自重を知らない幼女は持ち前のハイスペックさで二度目の人生を謳歌する。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。
トロ猫
ファンタジー
仕事をやめ、なんとなく稼ぎながら暮らしていた白川エマ(39)は、買い物帰りに偶然道端で出会った虐待された少年と共に異世界に飛ばされてしまう。
謎の光に囲まれ、目を開けたら周りは銀世界。
「え?ここどこ?」
コスプレ外国人に急に向けられた剣に戸惑うも一緒に飛ばされた少年を守ろうと走り出すと、ズボンが踝まで落ちてしまう。
――え? どうして
カクヨムにて先行しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる