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触媒と蘇生の可能性
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それからしばらくの間、起きるとカトレアによる剣技や魔法の修行、そして力尽きたら少し休憩し、財宝類の鑑定と仕分けを繰り返す。
うん、剣技も魔法もカトレアに全く敵わない…。
まあノーライフキングと戦って敵う訳ないんだけど、剣でかすり傷一つ付ける事が出来ないうえ、カトレアは容赦なく斬って来るから生傷が絶えない。
とはいえ大怪我させないようにかなり手加減をしてくれてるけど、前世の記憶ではノーライフキングって魔法使いってイメージだったんだけどな…。
まあおかげで回復魔法が上達したから良いんだけど、斬られたら、痛いんだよ!
そんな生活を続けて数日後、その日の修行を終えてふと思い出したことをカトレアに伝えてみる。
「それはそうと、カトレアの血が保管されてるんだけど、鑑定したら(白銀の聖女カトレア=フォルバン=フレグラードの血、結界の触媒)ってなってたけど…」
財宝類の仕分けをしながらなんのけなしに行った言葉にカトレアがすごい勢いで反応した。
「なんでそれを早く言わないの!!! 他に何があったの? なんでその血を持って来ないの!!!」
そう言ってすごい勢いで迫るカトレアですが、美少女モードなのですごくドキドキする。
「近い! 顔が近い!」
そう言って距離を取るが、見た目が美少女だから本当にドキドキする…。
美少女とダンジョンの最下層で2人っきり、アンデッドと分かっていても自制心が…。
「それで、なんで私の血を持って来ないの?」
「それなんだけど、なんかトラップみたいなものがあったから一応カトレアと相談してと思ったら、カトレアは鎧と剣に頬ずりして聞いてないし、その後、仕分けや戦闘訓練してたら忘れてたみたいな?」
「はぁ~? なんでそんな大事なことを忘れるのよ!! 結界の触媒ならそれを何とかすれば結界が解ける可能性があるんでしょ?」
「いや、まあそうなんだけど、なんかトラップぽいのがあってヤバそうだったから相談してからと思って。 それにカトレアってノーライフキングだけど、人間世界においてどの程度の脅威になるか考えたら少し躊躇したんだよね」
「そう、まあ確かにそうね、人間から、いえ、生者からしたら私は脅威よね、小さい国なら1年もあれば2~3カ国滅ぼせるだろうし」
「滅ぼせるの? ていうか1年って微妙に時間かかり過ぎじゃない?」
「ようはやり方よ! 私が直接城に乗り込んで滅ぼす事も出来るけどそうしたら討伐対象として人間に認知されるでしょ、だったら瘴気を振りまき不毛の大地を生み出し、さらにアンデッドを生成しながら各地を歩き回った方が安全じゃない? 上手くやれば暫くは私が原因とは思わないでしょうし」
「うん、確かにそうなんだけど、ここ出たら国滅ぼすの?」
「しないわよそんな事、何でそんな事しないといけないの? 私はここから出れたら世界がどの程度変わったか見て周りたいわ。 まあ聖ジャンダーク教会の人間で私を殺した人間が生きているなら殺しに行くけどね。 まあ生きてる事はないからね」
そう言うカトレアはなんか寂しそうな感じを醸し出しています。
「それで、結界の媒体となっている血液を回収したらどうするの? 飲む?」
「そうね…。 血液の入った瓶を回収しただけで結界が解ければ、どうかしようとは思ってないな、ノーライフキングとなってしまったからには血液など不要じゃない?」
「う~ん、確かに血は必要ないか…。 所でノーライフキングと言うよりアンデッドって死者なんだよね?」
「そうだけど、それがどうかしたの?」
そう言って訝しむカトレアに、生命のネックレス、命の指輪がある事を伝え、それを装備して血液を摂取したら人間として生き返るんじゃない? っと提案をしてみる。
「生命のネックレス、命の指輪ね…。 昔聞いたことはあったが見たのは初めてわ…。 だけど死者と言ってもアンデッドには有効かは分からないわよ? このような特殊で国宝として扱われてもおかしくない物を試しで使って失敗でもし失ったら勿体ないとは思わないの?」
「思わないね…。 まあ自分が死んだときに復活出来る道具として考えたら貴重だけど、実験してみるのもアリじゃない? 失敗しても失うとは限らないし、売って金にする財宝類も沢山あるから金には困らなさそうだし」
そう生命のネックレス、命の指輪をいじりながら淡々と話していると、カトレアは不思議そうにこちらを見ています。
「ふむ、転生者や召喚者と言うのは皆、力や権力、そして名誉や女を求めるのが普通と思ってたのに、カツヒコはあまり興味が無さそうね…」
「まあ名誉や権力は要らないね、お金はのんびり生活する為には必要だし力は生活を守るために欲しいけど、基本的に冒険者やっていくだけ力があればいんだよね。 まあ既にこの財宝売ったら超大金持ちになれるから冒険者する必要性はなさそうだけど…」
そんな会話をしばらくした後、生命のネックレス、命の指輪を使ってノーライフキングが人間として蘇生できるかの実験をしてみる事になった。
「う~ん、でも実験するにはやっぱり本人の血液もあった方がいいよね。 なんかあからさまにトラップぽいけど回収してみようか…」
そう言って血液が置かれた部屋へ行き、カトレアの血液の入った瓶を持ち上げ部屋を出ます。
うん、大きいな、普通に一抱えある瓶に入った血液って、血液全部抜かれて殺されたのか?
そんな事を思いながら、結界の外にいるカトレアに血液の入った瓶を渡そうとした時、部屋に微細な振動が起き、その振動が徐々に大きくなっていきます。
「やっぱりトラップあったね」
そう言うと、アイテムボックスに生命のネックレス、命の指輪、そして血液の入った瓶を収納し、なにが起きても対処できるよう身構える。
出来れば簡単に対処できる相手やトラップでありますように…。
ホント、異世界に転生して初ダンジョンの主がノーライフキングってだけでもお腹いっぱいなのに、これ以上重たいのは要らんよ。
うん、剣技も魔法もカトレアに全く敵わない…。
まあノーライフキングと戦って敵う訳ないんだけど、剣でかすり傷一つ付ける事が出来ないうえ、カトレアは容赦なく斬って来るから生傷が絶えない。
とはいえ大怪我させないようにかなり手加減をしてくれてるけど、前世の記憶ではノーライフキングって魔法使いってイメージだったんだけどな…。
まあおかげで回復魔法が上達したから良いんだけど、斬られたら、痛いんだよ!
そんな生活を続けて数日後、その日の修行を終えてふと思い出したことをカトレアに伝えてみる。
「それはそうと、カトレアの血が保管されてるんだけど、鑑定したら(白銀の聖女カトレア=フォルバン=フレグラードの血、結界の触媒)ってなってたけど…」
財宝類の仕分けをしながらなんのけなしに行った言葉にカトレアがすごい勢いで反応した。
「なんでそれを早く言わないの!!! 他に何があったの? なんでその血を持って来ないの!!!」
そう言ってすごい勢いで迫るカトレアですが、美少女モードなのですごくドキドキする。
「近い! 顔が近い!」
そう言って距離を取るが、見た目が美少女だから本当にドキドキする…。
美少女とダンジョンの最下層で2人っきり、アンデッドと分かっていても自制心が…。
「それで、なんで私の血を持って来ないの?」
「それなんだけど、なんかトラップみたいなものがあったから一応カトレアと相談してと思ったら、カトレアは鎧と剣に頬ずりして聞いてないし、その後、仕分けや戦闘訓練してたら忘れてたみたいな?」
「はぁ~? なんでそんな大事なことを忘れるのよ!! 結界の触媒ならそれを何とかすれば結界が解ける可能性があるんでしょ?」
「いや、まあそうなんだけど、なんかトラップぽいのがあってヤバそうだったから相談してからと思って。 それにカトレアってノーライフキングだけど、人間世界においてどの程度の脅威になるか考えたら少し躊躇したんだよね」
「そう、まあ確かにそうね、人間から、いえ、生者からしたら私は脅威よね、小さい国なら1年もあれば2~3カ国滅ぼせるだろうし」
「滅ぼせるの? ていうか1年って微妙に時間かかり過ぎじゃない?」
「ようはやり方よ! 私が直接城に乗り込んで滅ぼす事も出来るけどそうしたら討伐対象として人間に認知されるでしょ、だったら瘴気を振りまき不毛の大地を生み出し、さらにアンデッドを生成しながら各地を歩き回った方が安全じゃない? 上手くやれば暫くは私が原因とは思わないでしょうし」
「うん、確かにそうなんだけど、ここ出たら国滅ぼすの?」
「しないわよそんな事、何でそんな事しないといけないの? 私はここから出れたら世界がどの程度変わったか見て周りたいわ。 まあ聖ジャンダーク教会の人間で私を殺した人間が生きているなら殺しに行くけどね。 まあ生きてる事はないからね」
そう言うカトレアはなんか寂しそうな感じを醸し出しています。
「それで、結界の媒体となっている血液を回収したらどうするの? 飲む?」
「そうね…。 血液の入った瓶を回収しただけで結界が解ければ、どうかしようとは思ってないな、ノーライフキングとなってしまったからには血液など不要じゃない?」
「う~ん、確かに血は必要ないか…。 所でノーライフキングと言うよりアンデッドって死者なんだよね?」
「そうだけど、それがどうかしたの?」
そう言って訝しむカトレアに、生命のネックレス、命の指輪がある事を伝え、それを装備して血液を摂取したら人間として生き返るんじゃない? っと提案をしてみる。
「生命のネックレス、命の指輪ね…。 昔聞いたことはあったが見たのは初めてわ…。 だけど死者と言ってもアンデッドには有効かは分からないわよ? このような特殊で国宝として扱われてもおかしくない物を試しで使って失敗でもし失ったら勿体ないとは思わないの?」
「思わないね…。 まあ自分が死んだときに復活出来る道具として考えたら貴重だけど、実験してみるのもアリじゃない? 失敗しても失うとは限らないし、売って金にする財宝類も沢山あるから金には困らなさそうだし」
そう生命のネックレス、命の指輪をいじりながら淡々と話していると、カトレアは不思議そうにこちらを見ています。
「ふむ、転生者や召喚者と言うのは皆、力や権力、そして名誉や女を求めるのが普通と思ってたのに、カツヒコはあまり興味が無さそうね…」
「まあ名誉や権力は要らないね、お金はのんびり生活する為には必要だし力は生活を守るために欲しいけど、基本的に冒険者やっていくだけ力があればいんだよね。 まあ既にこの財宝売ったら超大金持ちになれるから冒険者する必要性はなさそうだけど…」
そんな会話をしばらくした後、生命のネックレス、命の指輪を使ってノーライフキングが人間として蘇生できるかの実験をしてみる事になった。
「う~ん、でも実験するにはやっぱり本人の血液もあった方がいいよね。 なんかあからさまにトラップぽいけど回収してみようか…」
そう言って血液が置かれた部屋へ行き、カトレアの血液の入った瓶を持ち上げ部屋を出ます。
うん、大きいな、普通に一抱えある瓶に入った血液って、血液全部抜かれて殺されたのか?
そんな事を思いながら、結界の外にいるカトレアに血液の入った瓶を渡そうとした時、部屋に微細な振動が起き、その振動が徐々に大きくなっていきます。
「やっぱりトラップあったね」
そう言うと、アイテムボックスに生命のネックレス、命の指輪、そして血液の入った瓶を収納し、なにが起きても対処できるよう身構える。
出来れば簡単に対処できる相手やトラップでありますように…。
ホント、異世界に転生して初ダンジョンの主がノーライフキングってだけでもお腹いっぱいなのに、これ以上重たいのは要らんよ。
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