上 下
11 / 121

墳墓のダンジョン1

しおりを挟む
キャールの街まではルミナ村から徒歩で5日程だが、幸いキャールまでの道沿いには小さいながらも宿場を兼ねた村が複数あるので野宿の心配は無かった。 あえて注意するとしたら盗賊や魔物が現れる可能性が高い事、なので探知を使い周囲を警戒しながら進んでいくが、幸い盗賊も魔物も現れず順調な旅になった。

キャールの街に行く前に、ハズレダンジョンと言われている墳墓のダンジョンを探索するつもりなので、ダンジョンに一番近そうな村で宿泊し、宿の人にダンジョンの場所を聞いてからダンジョンを目指し街道を外れ森を進む。

それにしても宿屋のオッサン、自分は墳墓のダンジョンに行くって言ったら大爆笑していたな。
何階層まであるかは知らないけど、出て来るのはスケルトンのみで宝箱も生まれないダンジョンで何日もかけて深くまで潜る価値がないダンジョンだって言ってたな。
まあ自分からしたらスケルトンも魔物だし、数を倒せばそこそこ魔力の一部を吸収し身体能力や魔力が上がるなら丁度よいし、得られる魔石がショボくても数があればそれなりに金になるだろうしね。

そんな考えを抱きつつ、森を進むと、不自然に開けた場所の真ん中に石を積んだ円墳のような小山が見えて来た。

 宿屋のオッサンいわく、ダンジョンの外にある開けた空間は何故か魔物が寄り付かないらしいので、夜に野宿するなら安全だと言ってたけど…。
本当に魔物が寄り付かないのか?
まあテント張って焚火してれば大丈夫かな…。
寝てる間も探知を使い続けるのは不安なんだけど、オッサンを信じるしかないか。

その後、テントを張って、周囲の森から焚き木を集め拠点づくりをすると同時に、ダンジョンの入り口を確認すると、綺麗に大石を詰んだ入り口があり、そこから石造りの通路が続き、少し進むと分かれ道などもある。
RPGによくあるダンジョンそのままだ。

いきなり奥まで突き進んで死亡とかありえないからな、とりあえず慎重に進んで魔物を1匹見つけて様子を見よう。

そう思いながら、慎重に進んでいくと、第一魔物を発見。
うん、骨だ…。
理科室にありそうな人骨が手ぶらで歩いてる。

第一魔物、というかスケルトン?は歯をカチカチと鳴らしながらダンジョンを彷徨ってる感じだけど、とりあえず動きが緩慢だし、こちらに気が付いていないみたいだし、コッソリと後ろから忍び寄り浄化の魔法が効くか試してみるか。

後ろから忍び寄り浄化魔法を放つと、掌から放たれた光がスケルトンを包み込み、直後スケルトンはサラサラ~と灰のようになって消滅し、スケルトンの居た場所には1センチぐらいの赤い魔石が転がっている。

意外と簡単だな…。
そんな事を思いつつ魔石をアイテムボックスに収納し再度慎重にダンジョン探索を再開する。

それにしても倒した魔物の魔力を吸収して身体能力や魔力がUPするって言ってたけど、スケルトン1体じゃ特に実感が無いな…。

その後、2体スケルトンを浄化で倒し、ダンジョンの外に出て来たけど、
もう夕方だし、野営でもしようか。

そして集めた焚き木に火魔法で火を付け夜を迎える。

食事をし、しばらくすると眠気が来るが、やはり魔物の襲撃に対しての恐怖もあり睡魔に身を委ねて良いのか心配になってくる。
一応探知を使用しながらうとうとしていると、そのまま睡魔に負けて眠ってしまったようで、目を覚ますと焚火は消え、空が白みだしていた。

うん、無事に朝を迎えられたみたいだけど、オッサンの言う通りこの辺は安全地帯なのかな?

そう思いながら朝食を摂り、ダンジョン探索を開始する。それにしても、ダンジョンの中ってそれなりに明るいんだな。
何故だろう?魔力による何らかの作用だろうか?

そんな事を思いつつもダンジョン内を慎重に進み、現れるスケルトンを浄化し、魔石の回収をし、下層へ続く道を探す。

スケルトンは動きも緩慢だし、単体で行動してるから、少し大胆にスケルトン狩りを本格的に始めよう。

うん、スケルトンを浄化魔法で瞬殺はラクだし!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)

田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ? コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。 (あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw) 台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。 読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。 (カクヨムにも投稿しております)

異世界でゆるゆる生活を満喫す 

葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。 もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。 家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。 ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。

おおぅ、神よ……ここからってマジですか?

夢限
ファンタジー
 俺こと高良雄星は39歳の一見すると普通の日本人だったが、実際は違った。  人見知りやトラウマなどが原因で、友人も恋人もいない、孤独だった。  そんな俺は、突如病に倒れ死亡。  次に気が付いたときそこには神様がいた。  どうやら、異世界転生ができるらしい。  よーし、今度こそまっとうに生きてやるぞー。  ……なんて、思っていた時が、ありました。  なんで、奴隷スタートなんだよ。  最底辺過ぎる。  そんな俺の新たな人生が始まったわけだが、問題があった。  それは、新たな俺には名前がない。  そこで、知っている人に聞きに行ったり、復讐したり。  それから、旅に出て生涯の友と出会い、恩を返したりと。  まぁ、いろいろやってみようと思う。  これは、そんな俺の新たな人生の物語だ。

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

前世の記憶さん。こんにちは。

満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。 周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。 主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。 恋愛は当分先に入れる予定です。 主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです! 小説になろう様にも掲載しています。

ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。

トロ猫
ファンタジー
仕事をやめ、なんとなく稼ぎながら暮らしていた白川エマ(39)は、買い物帰りに偶然道端で出会った虐待された少年と共に異世界に飛ばされてしまう。 謎の光に囲まれ、目を開けたら周りは銀世界。 「え?ここどこ?」 コスプレ外国人に急に向けられた剣に戸惑うも一緒に飛ばされた少年を守ろうと走り出すと、ズボンが踝まで落ちてしまう。 ――え? どうして カクヨムにて先行しております。

処理中です...