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冒険者に初同行
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一年が経過し、10歳の春、今年も続々とやって来た冒険者の中からフォレストの皆さんを見つけ、挨拶をし出迎えると、今年は解体とかでも使える15センチくらいのナイフをお土産に貰った。
そして一年以上かかったけど、索敵を使えるようになったので、探知を含め剣や弓、魔法の練習成果を見せると、夏頃になったら森の奥に連れて行ってくれるとの事。
ヤランさんは探知を身に着けるまであと2~3年はかかると思ってたみたいだけど、同世代からハブられ一人で毎日訓練してる暇人なんだから普通の人よりは早く覚えられるよね。
うん、実は自分ボッチだ……。
ちなみに、春には森の奥に連れて行ってくれないのかと聞いてみたら、春は希少な薬草などが採れ稼ぎ時だからダメとの事。
確かに春しか採れない薬草とかあるって言うし、忙しいときに無理を言うのはいかんね。
なんせ10歳になったとはいえ、足手まといは確実だしね。
夏までは、毎日訓練と酒場での仕事を続け少しでも足手まといにならないようにしないと……。
一応、親には冒険者と一緒に森に行くと伝えたが、父はそっけなく「そうか」 と言っただけで特にダメとも良いとも言わなかったけど、母は心配している感じだったので、採取と狩の見学だけと言っておいた。
そんなこんなで、日々を過ごしていると、季節も夏になり、森の奥に連れて行ってくれる日がやって来た。
前夜から準備して、翌朝。宿屋の前で待っていると、準備を整えたフォレストの皆さんがやって来たのだけど、自分の格好を見るなり、爆笑しだしたんですけど……。
「ファイン、お前なんて格好してるんだ?」
「えっ? 森の奥に行くからフル装備で……」
そう、フル装備だ。貰った剣を肩に背負い、腰にはナイフを差して矢筒を吊るし、手には半弓という格好ですがなにか?
「ファイン、森の奥に行くっていっても、魔物の討伐しに行くんじゃないんだぞ? 持ってる武器を全部持って来なくてもいいだろう。 そもそも俺達が居るから、魔物が出てもファインの出番は無いんだぞ?」
「まあそうかもしれないけど、何事も備えが必要かと思って……」
「まあ、いいけど。装備が重すぎて、途中でバテても知らんからな」
そう言い苦笑いを浮かべるフォレストの皆さんと、森へ向かって歩き出した。
森の入り口でヤランさんに探知を使うように言われ、探知を使用しながら森に分け入ると、今まで村で探知を使用した時と違い、周囲の生命反応が鮮明にわかる気がする。
とは言え、自分が探知できる範囲は精々半径20メートルぐらいの為、恐らくヤランさんも探知して危険が無いか確認をしているんだろうけど……。
そんな事を思いつつも森を進んでいくと、前方の方に動物と思われる気配が探知に引っ掛かる。
「なんか前方に、動物が居るっぽいんですけど……」
そう言う自分に、ヤランさんが「ウサギだな」と言い、丁度弓も持って来てるんだから仕留めてみろと言い出したので、言われた通りウサギを狩る為に弓を用意し、ゆっくりと音を立てないように獲物に近づき、ウサギを目視で確認したとことで止まり、静かに弓を引き絞る。そして、狙いを定め、矢を放った。
放たれた矢は、ウサギを目掛けて一直線に飛び、首の辺りに刺さった。矢を受けた勢いで倒れ込んだウサギは、ビクッと身体を一度動かした後、その場で息絶えた。
「すごいじゃないかファイン。初めての狩でいきなりウサギを仕留めるとは、中々筋が良いぞ!」
そんな言葉に少し気恥ずかしい気分になりながら、仕留めたウサギを血抜きしてからアイテムボックスに入れると、フォレストの皆さんは自分がアイテムボックスを使えるのを知らなかったのか、驚いているみたいだ。
「ファイン、収納魔法使えるのか? いつの間に覚えたんだ?」
「いや、結構前から覚えていたんですけどね。今までは他に使う事もなくて、貯金箱状態でした……」
「いや、アイテムボックスが使えるのは凄い事だぞ! それで、どのぐらいの量を収納出来るんだ?」
「う~ん。特に調べた事は無いんですけど、どのぐらい収納出来るんでしょう? 調べる方法とかってあるんですか?」
そんな自分の反応に、フォレストの皆さんはまたも苦笑いを浮かべながら「そのうち感覚で収納量が分かるようになるよ」と言い、先へと進んでいく。
「それにしても、血抜きも手慣れた様子だったけど、一人で森に入ったりしてたんじゃないのか?」
そう言うアマンダさんに、秋頃は肉屋で解体の手伝いをしてる教えると、納得の表情をして頷くが、そこは子供なのに頑張ってるな、とか褒める所じゃない?
そんなやり取りの後も森の奥に分け入ったのだが、まだ探知の範囲が狭い為に自分では獲物を見つける事が出来ず、薬草や食べれる野草などを教えて貰っただけで村に戻る事になった。
帰路でヤランさんに、実際は、通ったルートの近くに大型の動物やゴブリンも居たと教えられて、結構ショックだったのは自分だけの秘密……。
うん。探知は精度も低いし範囲も狭いから、まだまだ要練習だな。
それにしてもヤランさん、獲物に気が付いていても今回は自分の経験の為だからって教えてくれないのってどうなんだろう。
魔物と遭遇しないようにさり気なくフォレストの皆さんで連携を取りながら安全なルートを通るよう自分を誘導していたって言ってたけど、全くそんな事には気が付かなかった。
やっぱり本職の冒険者は凄いんだな……。
その後、肉屋の解体場を借りてウサギを捌き、フォレストの皆さんと酒場でウサギ料理を一緒に食べたけど、自分で仕留めた獲物は美味しいね。
早く自分一人でも、森に入って狩に行けるようにならないと……。
その為には毎日の訓練を徐々に増やして、自分を鍛えないといけないな。
そして一年以上かかったけど、索敵を使えるようになったので、探知を含め剣や弓、魔法の練習成果を見せると、夏頃になったら森の奥に連れて行ってくれるとの事。
ヤランさんは探知を身に着けるまであと2~3年はかかると思ってたみたいだけど、同世代からハブられ一人で毎日訓練してる暇人なんだから普通の人よりは早く覚えられるよね。
うん、実は自分ボッチだ……。
ちなみに、春には森の奥に連れて行ってくれないのかと聞いてみたら、春は希少な薬草などが採れ稼ぎ時だからダメとの事。
確かに春しか採れない薬草とかあるって言うし、忙しいときに無理を言うのはいかんね。
なんせ10歳になったとはいえ、足手まといは確実だしね。
夏までは、毎日訓練と酒場での仕事を続け少しでも足手まといにならないようにしないと……。
一応、親には冒険者と一緒に森に行くと伝えたが、父はそっけなく「そうか」 と言っただけで特にダメとも良いとも言わなかったけど、母は心配している感じだったので、採取と狩の見学だけと言っておいた。
そんなこんなで、日々を過ごしていると、季節も夏になり、森の奥に連れて行ってくれる日がやって来た。
前夜から準備して、翌朝。宿屋の前で待っていると、準備を整えたフォレストの皆さんがやって来たのだけど、自分の格好を見るなり、爆笑しだしたんですけど……。
「ファイン、お前なんて格好してるんだ?」
「えっ? 森の奥に行くからフル装備で……」
そう、フル装備だ。貰った剣を肩に背負い、腰にはナイフを差して矢筒を吊るし、手には半弓という格好ですがなにか?
「ファイン、森の奥に行くっていっても、魔物の討伐しに行くんじゃないんだぞ? 持ってる武器を全部持って来なくてもいいだろう。 そもそも俺達が居るから、魔物が出てもファインの出番は無いんだぞ?」
「まあそうかもしれないけど、何事も備えが必要かと思って……」
「まあ、いいけど。装備が重すぎて、途中でバテても知らんからな」
そう言い苦笑いを浮かべるフォレストの皆さんと、森へ向かって歩き出した。
森の入り口でヤランさんに探知を使うように言われ、探知を使用しながら森に分け入ると、今まで村で探知を使用した時と違い、周囲の生命反応が鮮明にわかる気がする。
とは言え、自分が探知できる範囲は精々半径20メートルぐらいの為、恐らくヤランさんも探知して危険が無いか確認をしているんだろうけど……。
そんな事を思いつつも森を進んでいくと、前方の方に動物と思われる気配が探知に引っ掛かる。
「なんか前方に、動物が居るっぽいんですけど……」
そう言う自分に、ヤランさんが「ウサギだな」と言い、丁度弓も持って来てるんだから仕留めてみろと言い出したので、言われた通りウサギを狩る為に弓を用意し、ゆっくりと音を立てないように獲物に近づき、ウサギを目視で確認したとことで止まり、静かに弓を引き絞る。そして、狙いを定め、矢を放った。
放たれた矢は、ウサギを目掛けて一直線に飛び、首の辺りに刺さった。矢を受けた勢いで倒れ込んだウサギは、ビクッと身体を一度動かした後、その場で息絶えた。
「すごいじゃないかファイン。初めての狩でいきなりウサギを仕留めるとは、中々筋が良いぞ!」
そんな言葉に少し気恥ずかしい気分になりながら、仕留めたウサギを血抜きしてからアイテムボックスに入れると、フォレストの皆さんは自分がアイテムボックスを使えるのを知らなかったのか、驚いているみたいだ。
「ファイン、収納魔法使えるのか? いつの間に覚えたんだ?」
「いや、結構前から覚えていたんですけどね。今までは他に使う事もなくて、貯金箱状態でした……」
「いや、アイテムボックスが使えるのは凄い事だぞ! それで、どのぐらいの量を収納出来るんだ?」
「う~ん。特に調べた事は無いんですけど、どのぐらい収納出来るんでしょう? 調べる方法とかってあるんですか?」
そんな自分の反応に、フォレストの皆さんはまたも苦笑いを浮かべながら「そのうち感覚で収納量が分かるようになるよ」と言い、先へと進んでいく。
「それにしても、血抜きも手慣れた様子だったけど、一人で森に入ったりしてたんじゃないのか?」
そう言うアマンダさんに、秋頃は肉屋で解体の手伝いをしてる教えると、納得の表情をして頷くが、そこは子供なのに頑張ってるな、とか褒める所じゃない?
そんなやり取りの後も森の奥に分け入ったのだが、まだ探知の範囲が狭い為に自分では獲物を見つける事が出来ず、薬草や食べれる野草などを教えて貰っただけで村に戻る事になった。
帰路でヤランさんに、実際は、通ったルートの近くに大型の動物やゴブリンも居たと教えられて、結構ショックだったのは自分だけの秘密……。
うん。探知は精度も低いし範囲も狭いから、まだまだ要練習だな。
それにしてもヤランさん、獲物に気が付いていても今回は自分の経験の為だからって教えてくれないのってどうなんだろう。
魔物と遭遇しないようにさり気なくフォレストの皆さんで連携を取りながら安全なルートを通るよう自分を誘導していたって言ってたけど、全くそんな事には気が付かなかった。
やっぱり本職の冒険者は凄いんだな……。
その後、肉屋の解体場を借りてウサギを捌き、フォレストの皆さんと酒場でウサギ料理を一緒に食べたけど、自分で仕留めた獲物は美味しいね。
早く自分一人でも、森に入って狩に行けるようにならないと……。
その為には毎日の訓練を徐々に増やして、自分を鍛えないといけないな。
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