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聖教会の総本山 首都キャール
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207日目
昨日までは野営していたのが、砦を陥落させたおかげで兵士達も屋根のあるところで寝る事が出来て多少なりとも英気が養われたことでしょう。
そして昨晩土田達との打ち合わせで、砦には100人程の兵士を残し守備と穀物の保管庫として使用し、近隣の村への食糧支援の拠点にすることにします。
そして砦の守備兼近隣の支援部隊を残し残りの3350人程になった部隊でウェース聖教国内部に進攻していきます。
途中の村々には食料を支援し、町には降伏勧告をし略奪や乱暴をしない旨を約束し進軍を続けます。
村は食料を支援するとすぐに支配下に入りますが、やはり町は人が多いうえ、商業を主体としている為、若干手間取りましたが、町でも食料不足が深刻な上、物流が滞っている為景気が悪くなり治安も悪くなりかけていたので、何とか支配下に置くことが出来ます。
そんな感じで208日目、209日目、210日目と進軍を続けると、やっとウェース聖教国の総本山と言える首都キャールが見える位置まで到着しました。
211日目
首都キャールは、流石に教会の総本山と言うべきと言う言葉が似あう大きさですが、攻め込まれることをあまり想定していなかったのでしょうか、大体3メートルぐらいの城壁に守られるだけの攻めやすそうな町です。
そして中央には一際大きな大聖堂と言うべき建物が聳え立ち、町の威厳を示すかのような感じです。
「さて土田、ここからどうする?」
「そうだな、武内はどうしたいんだ?」
「まあその辺は土田の考えを聞いてから考えようかと思ってな」
「そうか、気が合うな、俺も武内の考えを聞いてから考えようと思ってたところだ」
うん、二人そろって何にも作戦が思いつきません。
砦の兵士に兵士はその後雇用をする事を伝えて解放した効果なのかここまで敵軍は一切現れませんでしたが、3350程の兵でこれだけ大きな町を前にどうやって占領をするか考えあぐねている状況です。
「なあ土田、ここは堂々と正門から町に入って、あの大聖堂を囲んで制圧するってのはどうだ?」
「そうだな、ていうか堂々と正門からって入れるのか?」
「まあその辺は今の所は開いているから入れそうな気がするんだが…。」
「確かに門は開いてるな…。 これって空城計ってやつか?」
「そうだとしたら相当勇気あるけど、むしろ守備兵が居ないんじゃないか?」
「だよな? 見る限り兵士の姿が見えないんだが…。」
「とりあえず、隊列を組んで堂々と正門から入って大聖堂を制圧するか」
「そうだな、ウェース聖教国の総本山と言われる首都だからそれなりの抵抗があると思ったんだが、とりあえず他に考えも思いつかないし行くか」
そう言って土田と自分は各隊に指示を出して隊列を組み首都キャールに進軍をしていきます。
城門をくぐり大通りに兵を進めますが、町は静まり返り誰一人として道を歩いている人の姿はありません。
商店は閉まり、露店には売り物も無く無人であたかも町の人がある日突然神隠しにあったかのような感じです。
「なあ武内、これどう思う? 敵が攻めて来たから慌てて逃げ出したとかだと思うか?」
「まあその可能性もあるだろうけど、だったらもっと荒れてるだろ。 それにこれだけの町の規模だし、全員が逃げ出すとなるとそれこそ何日もかかるし、略奪が発生してる感じも見えないし、恐らく家に閉じこもってる感じじゃないのか?」
「そうか、確かに…。 だが敵兵が一人も居ないのってどうなんだ? 正門も素通りだし、なんか罠があるとか?」
「う~ん、その辺は分からんな、兵士が一斉に逃亡したか、撤退して別の場所で反攻の機会をうかがっているのか?」
「他の場所で反攻の機会を伺ってるのは面倒だな、ウェース聖教国が隣国に援軍を要請したら予定が狂うぞ?」
「まあ確かにな、とは言え早々大軍は起こせないから援軍と言っても精々2~3000ぐらいだろうけど、他国とも事を構えるのは避けたいよな…。 まあとりあえず大聖堂を押さえよう。 まずはそれからだな」
土田が不安になるのも当然で首都キャールは静まり返り、何の障害どころか抵抗も無く大聖堂まで軍が進んでいきます。
大聖堂の前に到着すると、不安が杞憂に終わったと思える光景が目の前に広がります。
どうやらウェース聖教国の指導者層は、首都の防衛を諦め大聖堂を拠点に防備を固めています。
「武内、大体兵数をどの位と見る?」
「内部までは見えないから何とも言えないけど、大体2000前後くらいじゃないか? あまり防御に重きを置いてない作りだから力攻めでも落とせそうだけど」
「確かに、攻めやすそうではあるよな…。 だけど下手に攻込むと、建物に被害が出るし、場合によっては自棄になった敵が火を放って大聖堂を燃やすとかありえるぞ?」
「そうだな~、まあ人の出入りが出来そうな場所は4箇所ぐらいだから封鎖して兵糧攻めの構えを見せて相手の出方を伺うか? 2~3日囲めば向こうの動揺具合で兵糧の貯えがあるかもわかるだろうし」
「まあそれが妥当だよな。 だが時間をかけすぎるのもどうかと思うんだが、その辺はどうするんだ?」
「まあその辺は、2~3日後にでも元聖女ステレーネさんの力を借りて相手の動揺を誘ったうえで、内応を促す矢文とか撃ち込んでも良くない?」
「矢文ね…。えらく古典的な方法じゃないか?」
「まあその辺は文明が遅れた異世界だし。 とりあえず土田は4か所の出入り口に兵を配置して封鎖してもらえる? 自分は、アルチ達サンダーウルフに町の外の警戒をさせて抜け道とかから逃げ出さないか監視させるのと、ステレーネさんと日本政府に頼みたい事あるから」
「わかった、じゃあ兵を5隊に分けて四か所の出入り口の封鎖と本陣の設置をしておく。 それにしても、ステレーネさんと日本政府に頼みたい事ってなんだ?」
「まあそれは後でのお楽しみ…。 ていうか大したことじゃないんだけどね」
そう言って土田に軍の指揮を任せて自分はステレーネさんの所に向かいます。
うん、断られはしないけど、ステレーネさんって文才あるかな?
文才無かったら効果薄くなるんだけどな…。
昨日までは野営していたのが、砦を陥落させたおかげで兵士達も屋根のあるところで寝る事が出来て多少なりとも英気が養われたことでしょう。
そして昨晩土田達との打ち合わせで、砦には100人程の兵士を残し守備と穀物の保管庫として使用し、近隣の村への食糧支援の拠点にすることにします。
そして砦の守備兼近隣の支援部隊を残し残りの3350人程になった部隊でウェース聖教国内部に進攻していきます。
途中の村々には食料を支援し、町には降伏勧告をし略奪や乱暴をしない旨を約束し進軍を続けます。
村は食料を支援するとすぐに支配下に入りますが、やはり町は人が多いうえ、商業を主体としている為、若干手間取りましたが、町でも食料不足が深刻な上、物流が滞っている為景気が悪くなり治安も悪くなりかけていたので、何とか支配下に置くことが出来ます。
そんな感じで208日目、209日目、210日目と進軍を続けると、やっとウェース聖教国の総本山と言える首都キャールが見える位置まで到着しました。
211日目
首都キャールは、流石に教会の総本山と言うべきと言う言葉が似あう大きさですが、攻め込まれることをあまり想定していなかったのでしょうか、大体3メートルぐらいの城壁に守られるだけの攻めやすそうな町です。
そして中央には一際大きな大聖堂と言うべき建物が聳え立ち、町の威厳を示すかのような感じです。
「さて土田、ここからどうする?」
「そうだな、武内はどうしたいんだ?」
「まあその辺は土田の考えを聞いてから考えようかと思ってな」
「そうか、気が合うな、俺も武内の考えを聞いてから考えようと思ってたところだ」
うん、二人そろって何にも作戦が思いつきません。
砦の兵士に兵士はその後雇用をする事を伝えて解放した効果なのかここまで敵軍は一切現れませんでしたが、3350程の兵でこれだけ大きな町を前にどうやって占領をするか考えあぐねている状況です。
「なあ土田、ここは堂々と正門から町に入って、あの大聖堂を囲んで制圧するってのはどうだ?」
「そうだな、ていうか堂々と正門からって入れるのか?」
「まあその辺は今の所は開いているから入れそうな気がするんだが…。」
「確かに門は開いてるな…。 これって空城計ってやつか?」
「そうだとしたら相当勇気あるけど、むしろ守備兵が居ないんじゃないか?」
「だよな? 見る限り兵士の姿が見えないんだが…。」
「とりあえず、隊列を組んで堂々と正門から入って大聖堂を制圧するか」
「そうだな、ウェース聖教国の総本山と言われる首都だからそれなりの抵抗があると思ったんだが、とりあえず他に考えも思いつかないし行くか」
そう言って土田と自分は各隊に指示を出して隊列を組み首都キャールに進軍をしていきます。
城門をくぐり大通りに兵を進めますが、町は静まり返り誰一人として道を歩いている人の姿はありません。
商店は閉まり、露店には売り物も無く無人であたかも町の人がある日突然神隠しにあったかのような感じです。
「なあ武内、これどう思う? 敵が攻めて来たから慌てて逃げ出したとかだと思うか?」
「まあその可能性もあるだろうけど、だったらもっと荒れてるだろ。 それにこれだけの町の規模だし、全員が逃げ出すとなるとそれこそ何日もかかるし、略奪が発生してる感じも見えないし、恐らく家に閉じこもってる感じじゃないのか?」
「そうか、確かに…。 だが敵兵が一人も居ないのってどうなんだ? 正門も素通りだし、なんか罠があるとか?」
「う~ん、その辺は分からんな、兵士が一斉に逃亡したか、撤退して別の場所で反攻の機会をうかがっているのか?」
「他の場所で反攻の機会を伺ってるのは面倒だな、ウェース聖教国が隣国に援軍を要請したら予定が狂うぞ?」
「まあ確かにな、とは言え早々大軍は起こせないから援軍と言っても精々2~3000ぐらいだろうけど、他国とも事を構えるのは避けたいよな…。 まあとりあえず大聖堂を押さえよう。 まずはそれからだな」
土田が不安になるのも当然で首都キャールは静まり返り、何の障害どころか抵抗も無く大聖堂まで軍が進んでいきます。
大聖堂の前に到着すると、不安が杞憂に終わったと思える光景が目の前に広がります。
どうやらウェース聖教国の指導者層は、首都の防衛を諦め大聖堂を拠点に防備を固めています。
「武内、大体兵数をどの位と見る?」
「内部までは見えないから何とも言えないけど、大体2000前後くらいじゃないか? あまり防御に重きを置いてない作りだから力攻めでも落とせそうだけど」
「確かに、攻めやすそうではあるよな…。 だけど下手に攻込むと、建物に被害が出るし、場合によっては自棄になった敵が火を放って大聖堂を燃やすとかありえるぞ?」
「そうだな~、まあ人の出入りが出来そうな場所は4箇所ぐらいだから封鎖して兵糧攻めの構えを見せて相手の出方を伺うか? 2~3日囲めば向こうの動揺具合で兵糧の貯えがあるかもわかるだろうし」
「まあそれが妥当だよな。 だが時間をかけすぎるのもどうかと思うんだが、その辺はどうするんだ?」
「まあその辺は、2~3日後にでも元聖女ステレーネさんの力を借りて相手の動揺を誘ったうえで、内応を促す矢文とか撃ち込んでも良くない?」
「矢文ね…。えらく古典的な方法じゃないか?」
「まあその辺は文明が遅れた異世界だし。 とりあえず土田は4か所の出入り口に兵を配置して封鎖してもらえる? 自分は、アルチ達サンダーウルフに町の外の警戒をさせて抜け道とかから逃げ出さないか監視させるのと、ステレーネさんと日本政府に頼みたい事あるから」
「わかった、じゃあ兵を5隊に分けて四か所の出入り口の封鎖と本陣の設置をしておく。 それにしても、ステレーネさんと日本政府に頼みたい事ってなんだ?」
「まあそれは後でのお楽しみ…。 ていうか大したことじゃないんだけどね」
そう言って土田に軍の指揮を任せて自分はステレーネさんの所に向かいます。
うん、断られはしないけど、ステレーネさんって文才あるかな?
文才無かったら効果薄くなるんだけどな…。
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