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編成と割り当て

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199日目

朝から二ホン砦に向かいゾルス率いる道作り要員ゴブリン達を転移魔法でウェース聖教国とバイルエ王国との国境に繋がる道の前に送り届けます。

「今回は前回までの道作りとは少し違って幅の広い道を作ってもらいたいんだ」
「それは、そのような道ですか?」

そう言ってゾルスは不思議そうに問いかけてきます。
「基本的には前回作った道と変わりは無いんだけど、道幅を大体100メートルぐらいにして欲しいんだよね」
「100メートルですか?それはかなり広い道幅ですが…。そのような広さだと期間がかなりかかりますがよろしいので?」

「うん、その辺は大丈夫、今回の侵攻が終わったら、増援として追加のゴブリン送るからガッツリ広い道を作っちゃって」
「かしこまりました」

ゾルスがゴブリン達に指示を出し道作りの準備を始めたので、カウア達ミノタウロスも影から出てきてもらい道作りに加わってもらいます。

カウア達はウェース聖教国への侵攻に加わらなくていいのか?と聞いてきましたが、今回は弱腰の教国軍相手なので大丈夫と伝え道作りに専念してもらいます。

木を引っこ抜くパワー要員がゾルスだけだと道作り進まないもんね。
カウア達ミノタウロスとゾルス、総勢11匹で木を引っこ抜けばそれなりに早く道が出来るでしょう。

そんな事を思いながら自分は二ホン砦に戻り、バルタ、ロゼフ、ハンゾウと打ち合わせをします。
「4日後の朝に迎えに来るからそれまでに出発の準備をしておいてくれる」
「かしこまりました。それで編成は如何いたしますか?」

「そうだね、ゾルスと道作りに行ったゴブリン達の内訳がゴブリン500匹、ホブゴブリン500匹、ロード2匹だったから侵攻に加わるゴブリンもゴブリンとホブゴブリン1000匹づつで良いんじゃない?」
「マサト様、それなんですが、ゴブリンの数が足りません」

「どういう事? ゴブリン4000匹ぐらいになったって言ってなかった?」
「確かに総数は4000匹を超えておりますが、ほとんどがホブゴブリンに進化しておりまして、砦に残っているゴブリンは100匹程なのです」

「そういう事ね。 じゃあゴブリンは砦に残して訓練と狩猟をさせて、進攻に加わるゴブリンはホブゴブリン2000匹に幹部クラスとしてゴブリンロード6匹程連れて行こうか。 それとバルタが育成した騎馬ゴブリン達は全部侵攻に加わってもらうから」
「かしこまりました。 ではそのように手配を致します。」

「うん、そうしてくれるかな。 それと各地で炊き出しとかを大々的にする事になるから調理道具と調理が得意なゴブリン達も編成に加えてね」
「炊き出しでございますか?」

「そう、炊き出し、偵察に出したイルチ達の報告ではウェース聖教国内はかなり荒廃してて各村々の人達が食べ物に困ってる状況らしいから、大々的に炊き出しをして人心を掴んでおかないと今後の統治がね」
「そこまで見据えての事でございましたか。 かしこまりました、手配を致しますが、ゴブリンが調理したものを受け入れて食べますでしょうか?」

「その辺は、味方の兵士が普通に食べていれば食べるでしょ。」
「それだといいのですが……。」

そんな心配をするロゼフをよそに、侵攻に騎馬ゴブリンを全部連れて行くと言われたバルタはソワソワしています。

「じゃあ4日後の朝に迎えに来るから準備よろしくね」
そう伝えた後二ホン砦を後にしてプレモーネ戻ります。

さて、今日はもうする事なくなった…。
何しよう。

そう思いながら町をぶらぶらと歩いていると、道の向こう側からペガサスのク〇スを着た痛い人、じゃなくて野村とその仲間の冒険者志望組がやってきます。
月山部長達と一緒に転移して来た野沢さんの他に2名程女の子を含めた7人組のパーティー組んでんだ。

そんな事を思いながら歩いていると野村が自分を見つけ駆け寄ってきます。
「おい、失礼な奴…じゃなくて武内、以前ローションって言ってたよな? 遂に見つけたぞ!!」
「ローション? この前話していた大人のお風呂屋さん計画用?」

「そうだ、まあここではなんだから、ちょっと別の場所で話そう」
そう野村は言うと、パーティーを組んでる人達に今日は解散と告げています。

なんかパーティーメンバーから文句を言われてますが、まあその辺は自分に関係ないんで無視をしておきます。
話が付いたのか野村が場所を移そうと声をかけて来たので、不本意ながら自宅に招きローションの話を聞くことにします。

「武内、これが森で見つけたローションだ!」
そう言って野村がアイテムBOXから出した物はよく木に巻き付いている蔦植物のような感じの物です。

「これがローション?」
「そうだ、この蔦を切るとローションのようにトロトロ、ネバネバの液体が出て来るんだ」

「それで肌に触れて大丈夫な物なの?」
「その辺は大丈夫だ、冒険者達の間でも非常時に傷に塗るなどして使っているものだ。かなり弱いけど傷を回復する成分が含まれているらしい」

「それなら大丈夫そうだけど、全身がカブレたとか笑えないからね」
「確かに、それは考えたくないな……」

「だろ?それでその蔦植物みたいなものは沢山あるのか?」
「それなんだが、そこまで多くは自生して無いんだよ。 だがかなりの粘度があるから水で薄めれば丁度良くなるからどこかで栽培して安定的に収穫できるようにすればよくないか?」

「まあ確かにそうだけど、希釈率がどの位かだな、10倍希釈だとかなりの量が必要になるけど100倍希釈ならそんなに量は必要なさそうだけど」
「その辺は武内が調べてくれ。」

「丸投げかい! まあいいけど、あとは何処で育てるかだけど、無難な所だとゴブリン達の拠点の二ホン砦だけど、さて、どうしたものか」
「それでいいんじゃないのか? そのうち認知度が広がって独占が問題になったら町の外で栽培させれば農家の稼ぎにもなるだろ?」

真顔で真剣に話をして、良い事言ったと胸をはってドヤ顔してますけど、目的は大人のお風呂屋さん開店準備だからね?
異世界で風俗店作るのに本気出してドヤ顔って誇れないからね?

まあこの件について真剣に対応している自分も人の事は言えんけどさ…。

「じゃあローションの目途は立ったとして、後は場所と建物だな。 その辺はグランバルさんに話をして風俗街に空き物件があるか確認してみるよ」
「おう、それで嬢はどうするんだ? 研修は?」

「それは物件確保してからだろうな。 てかお前研修名目で楽しみたいだけだろう?」
「い、いや、違うぞ、しっかりとしたサービスを提供できるように技術をだな……」

「まあそういう事にしておくよ」
そう言って蔦植物を野村から受け取りアイテムBOXに収納しておきます。

建物を錬成術で大まかに作って、内装を職人に頼んで準備が出来たら後は野村に全部やらせとこう。
多分、本人もノリノリだし、
自分が口を出すとしたら従業員の給与面と福利厚生を手厚くさせる事だけかな…。

じゃあ野村も帰った事だし、グランバルさんに出店許可と物件の確認をしに行きますかね。
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