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帰還の為には
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162日目
毎朝恒例となったバイジングでゾルスの所に行き道作りの進捗を確認し不足品などの確認をした後にプレモーネ戻り交易品の補充をした後、公衆浴場の様子を確認し月山部長と製糸工場と織物工場の建築現場を確認します。
「武内君、思ったんだが武内君がここも建設すれば既に稼働していたんじゃないのか?」
「そうですね、ただプレモーネの職人さんに仕事を与えないと町に金が回らないですから、それに大きな建物を建てる技術も発達しますし、これはこれで良いんじゃないですかね?」
「まあ確かに、何でもかんでもこちらでしてしまってはプレモーネが潤わないか、それはさておき、横山さんの服屋や内田さん、丸山さん、野上さんの飲食店、そして北山さんのバーなんだが、建築費用は預かっているお金と交易品の利益から投資してしまってよいかな?」
「いいですよ、月山部長からみて真面目にやろうとしている人たちにはどんどん投資しちゃってください、あと場所が借りられるなら、今のうちから製糸と織物を始めて貰って稼働した際に即戦力になる様にして貰っても構いませんから」
そんな感じではたから見るとアバウトな感じの会話をしつつ昼が近くなったのでバイルエ王国に土田達を迎えに行きます。
転移魔法で応接室にゲートを開き中に入ると見た事ある人達がそろっています。
「おい土田!!!これどういう事?」
「いや、昨日ロ二ストさんと話をしてたら俺も自分もとなってな・・・・」
そう言って土田とロ二ストさんがバツの悪そうな顔をしています。
「とりあえず、ステレーネさんはわかる、そしてお久しぶりです。・・ただ何故に大臣と国王のウィルさんの家族ってどういう事だ?てか国王が気軽に他国に行って良いのか?」
「まあそう言うなタケウチ、半日ぐらい私が居なくなっても何とかなるし、ちゃんと人を手配して手は打って来てある、それにこんな機会はまず無いのだから許せ」
そう言ってバイルエ王国、国王のウィルさんは笑いながら話してますが、どこの世界に国王が気軽に他国へ風呂入りに行く国があるんでしょうか・・・。
「まあいいですけど、とりあえずこのゲートくぐればプレモーネの公衆浴場の前に出ますから、トラブルだけは起こさないでくださいね」
そう言って全員を公衆浴場前に移動させて中に案内をします。
既にプレモーネの幹部も到着して中に入っているようです。
バイルエ王国一行を案内し、ついでに土田だけを女湯に案内しましたが流石にばれました・・・。
自分も風呂の出来栄えと入り心地を確認するがてら風呂に入りますが、グランバルさんとか既にジェットバスで寛いでますよ。
適応力があると言うのか新しい物好きというのか・・・
そんな中バイルエ王国の一行もかけ湯をして風呂に入りますが、大浴場だけでなくジェットバスやバブルバスなどは珍しいようで恐る恐る入りその後驚きながらも寛いでくれているようです。
うん、グランバルさん、普通に雑談してますけど、隣に居るのバイルエ王国、国王ですからね?
そしてウィルさんも、その人、ドグレニム領の領主ですからね?
「おい武内、あのジェットバスの人って領主だよな?ていうかお互い気が付いているのか?」
「さぁ?一応伝えて無いからしらないんじゃない?面白そうだから放っておけばよくない?」
「いや、それまずいだろ、言い合いとか喧嘩とか始めたら大問題だぞ?」
「そう?まあそんな事にはならないと思うけど、心配なら伝えてきてあげれば?」
そう言うと土田はそそくさと二人の所に向かいます。
うん、風呂の入り心地は最高ですね、これで風呂上りにフルーツ牛乳まであるんですから至れり尽くせりですが、壁で男女の風呂場を完全に仕切ったので女風呂から聞こえて来るべき女子トークが聞こえないのは寂しい感じです。
あとで少し改装して声が聞こえるようにしてみようかな・・・。
あっグランバルさんが息子さんを呼んでウィルさんに挨拶をさせてます。
うん、あとで第4王女と会ってお見合いすればとんとん拍子でめでたい話が進むね。
そう思いながら風呂から上がり休憩所でフルーツ牛乳を飲んだ後、月山部長と支配人さん達と現時点での問題点などを話し合いますが、どうやら見た限りは問題も無く運営出来ているようです。
「じゃあこのまま問題なければ明日ぐらいから通常営業できますかね」
「ええ、あとで全員で問題点や改善点を話し合ってみて決めようかと思いますが、ただ明日は一日休みにして明後日からオープンをしようと思います。まあ今晩辺り親睦会を兼ねて宴会でもしようかと思ってますんで」
そう言って支配人さん達が言うので今日の営業で問題が無ければ明後日からのオープンを視野に入れる事になるそうです。
「それにしても武内さんは、営業方針とか口出しはされないのですね?」
「そうですね、まあ素人ですし、実際働く人が自分達で意見を出し合って作っていかないと・・・。それに実際の現場を知らない人が思いつきで口をだしてもいい事ありませんし」
そんな自分の言葉には月山部長も支配人さん達も苦笑いしています。
恐らく日本で働いている時に現場を知らない上司の口出しで苦労をしていたんでしょう。
その後風呂上がりの皆さんが休憩室で寛いでいると土田がやってきます。
「おい!領主が来てるなんて聞いてないぞ?ていうかお前は異世界で何をしようとしてるんだよ!」
「えっ?まあとりあえず領主が来てるなんて言ってないし、それに自分は異世界の生活を快適にしようとしてるだけだぞ?公衆浴場は2号店も予定してるし」
「そうか、ていうかバイルエ王国にも公衆浴場作ってくれないか?絶対流行るぞ?」
「まあ、考えておく、てか自分で作ればいいじゃん、魔道具無くても薪でお湯を沸かせば風呂出来るじゃん」
「まあそうなんだが、コストがな・・・」
「まあ気が向いたら、ていうか余裕が出来たら考えておくが、それより転移魔法が日本に繋がったぞ」
「そうか、繋がったか~・・・。マジか!!!じゃあいつでも日本に帰れるんだな!!」
惰力で返事をしていた土田ですが転移魔法のゲートが日本に繋がったと聞いてしばらくしたら一気に現実に引き戻されたようです。
「まあ、大体10センチ四方のゲートだがな・・・・。それに今は時間軸がずれているから向こうはスローモーションの世界に見えるから仮に戻るとしても180日後に時間軸が戻ってからだな・・」
「10センチ四方って、通れないじゃん、ていうかこれからそのゲートは広く出来るんだよな?」
「多分・・・魔力が万全なら20センチ四方位の広さは確保できると思うよ?」
「いや、20センチ四方って・・・。どちらにしても通り抜けられないじゃんか、どうするんだ?ていうか日本に繋がったゲートは見れるのか?」
「まあ見れるけど、魔力消費が激しいから今見せたら今日中にバイルエ王国へ送り返せなくなるぞ?まあ土田が今日プレモーネに泊まるんなら送り届けた後に見せる事は出来るが」
「そうか、じゃあ泊まっていくから見せてくれ、これで転移させられて帰還を諦めかけている日本人に希望を持たすことが出来るぞ!!」
「ああ~、それなんだけど、土田にしか言って無いから他には言わんようにね、実際最大20センチ四方のゲートを最低限50センチ四方にしない事には人間通れないし、純粋に単純計算で今の2倍~3倍の魔力がないと実現しない事だから、思いっきりぬか喜びさせるだけだぞ」
「そうか、そうだよな、それにしてもどうやって日本にゲートを繋げたんだ?」
そう言う土田にネレースから亜空間と言う物の概念を直接教えて貰った事、ステータスポイントが無かったら情報量の多さに頭がパンクしそうだった事を話しますが、土田に亜空間の説明をしても理解できなかったので恐らく普通の人間が理解するにはやはり情報量が膨大だったようです。
そうしているうちに、グランバルさんとウィルさんが二人で和気藹々とフルーツ牛乳を飲んでます。
まあいい外交の場になった事でしょう。
その後、思い思いに寛いで売店で土産のシャンプーやらリンス、そしてボディーソープに石鹸などを買い込んでいたので、そろそろバイルエ王国に送り返すことにします。
帰るにあたり一番駄々をこねたのが国王のウィルさんですがロ二ストさんが強引にゲートに引っ張て行きます。
「マサト!費用は払うからジェットバスとバブルバスにサウナを王宮の風呂に設置してくれ~~」
そう言う言葉を残しロ二ストさんに連行されて帰っていきましたが、明日土田を送り届けた後にボッタクリに行きましょうか・・・。
その後、グランバルさん達招待者も帰り従業員と土田だけとなったのでプレオープンの反省会をします。
やはり一番問題だったのが、魔道具の使いかたが分からないのがネックなようで、説明に人員を割くと他が手薄になるようでし、売店の売り子や商品の補充要員など結構人員が必要そうです。
「月山部長、オープン日を遅らせてでもプレモーネの人を雇いましょう。この状態だとかなり厳しくないですか?」
「そうだな、だがそんなにすぐに人が集まるかのか?」
「その辺はギルドに募集をかけて定職を希望する人間を集めるしかないでしょう。まあ難民がプレモーネにもかなり流れ込んで来てますから多分予想以上に人が集まると思いますよ?それに今回不採用でも、定職なら製糸工場と織物工場でも良いと言う人も多いでしょうし」
「そうか、じゃあ私はこれからギルドに募集をしに行ってこよう。オープン日は明日の雇用状態によって決めるしかないか・・・なかなかうまく行かんな」
そう言って月山部長はギルドに向かい、支配人さんをはじめ従業員さんはこれから再度話し合いをして細部を詰めるようです。
自分は土田を連れて自宅に戻り日本へのゲートを開きます。
「おお!!日本は夜か?ここは何処なんだ?てかイルミネーションがきれいだが目の前のオッサン邪魔だな・・」
そう言ってはしゃいでいますが、今見ているのは博多駅のK〇TTE博多前にあるハート型のポストから見た景色だと伝えましたが今一ピンと来ていないようです。
「ていうか、なんで博多駅なんだ?普通は東京駅とか新宿や渋谷とかじゃないか?」
「いや、おれ東京出身だけど今は福岡に住んでるし、ここの方がイメージしやすかったんだよね」
ゲートを閉じた後も土田と人が通れる大きさにするにはどうするかを話し合いましたが、魔力を増やすにはレベルを上げる事とネレースの特典ぐらいしか案が出ません。
「レベル上げが一番現実的だけど、実際魔力の活発化を凌ぎ切らないと帰るどころじゃないんだよね」
「まあ確かに、時間軸がずれている関係か指をゲートに突っ込んでもなんか壁にあたっている感じで向こうに行けないもんな、かといって時間軸が正常になったら魔力が活発化して魔物の大量発生が起きる、うまくはいかないな・・・」
「そうなんよ、それに、30000人のうち自分達だけ日本に戻ってみ?確実にマスコミやSNSで叩かれるのが確実だぞ?特に転移魔法が使える自分なんかは唯一日本人を帰還させれる人間だから他の人を見捨てたとか言われかねんし、まずは日本政府と話をして徐々に帰還させないと」
「そっか、ただ帰れればいいと思ってたけどその辺も考えないといけないのか、確かにマスコミやSNSは厄介だな、確かに日本政府と話をして色々と打ち合わせが出来れば帰還後にそこそこ保護してくれるだろうしな」
「そういう事、それにもう死んだ人もかなり居るからその辺も話して対策立てないと、異世界から生還しても普通の生活に戻るのに時間がかかるし、ぶっちゃけ自分としては目立ちたがりの人を先に返してそっちに目が言っているうちに大勢を帰還させられればと思うんだけどね、とはいえ帰還をさせたらその分ネレースがまた日本人を転移させる可能性もあるし難題ばかりなんだよ」
そう言って土田と帰還に関して話していて思ったのですが、3万人のうち場所を把握している日本人って大体300人ぐらいじゃない?なんて事が頭に浮かびました・・・。
うん、日本人を帰還させる作業をするとなると自分はすぐに帰れないじゃん・・・・。
こうなったら土田は日本に帰還させずに働かせよう・・・。
どうせそのうちステレーネさんと家庭を築きそうだし、明るい家族計画の為に薄いジェット風船を小さくしたようなのでも渡しとこうかな・・・。
毎朝恒例となったバイジングでゾルスの所に行き道作りの進捗を確認し不足品などの確認をした後にプレモーネ戻り交易品の補充をした後、公衆浴場の様子を確認し月山部長と製糸工場と織物工場の建築現場を確認します。
「武内君、思ったんだが武内君がここも建設すれば既に稼働していたんじゃないのか?」
「そうですね、ただプレモーネの職人さんに仕事を与えないと町に金が回らないですから、それに大きな建物を建てる技術も発達しますし、これはこれで良いんじゃないですかね?」
「まあ確かに、何でもかんでもこちらでしてしまってはプレモーネが潤わないか、それはさておき、横山さんの服屋や内田さん、丸山さん、野上さんの飲食店、そして北山さんのバーなんだが、建築費用は預かっているお金と交易品の利益から投資してしまってよいかな?」
「いいですよ、月山部長からみて真面目にやろうとしている人たちにはどんどん投資しちゃってください、あと場所が借りられるなら、今のうちから製糸と織物を始めて貰って稼働した際に即戦力になる様にして貰っても構いませんから」
そんな感じではたから見るとアバウトな感じの会話をしつつ昼が近くなったのでバイルエ王国に土田達を迎えに行きます。
転移魔法で応接室にゲートを開き中に入ると見た事ある人達がそろっています。
「おい土田!!!これどういう事?」
「いや、昨日ロ二ストさんと話をしてたら俺も自分もとなってな・・・・」
そう言って土田とロ二ストさんがバツの悪そうな顔をしています。
「とりあえず、ステレーネさんはわかる、そしてお久しぶりです。・・ただ何故に大臣と国王のウィルさんの家族ってどういう事だ?てか国王が気軽に他国に行って良いのか?」
「まあそう言うなタケウチ、半日ぐらい私が居なくなっても何とかなるし、ちゃんと人を手配して手は打って来てある、それにこんな機会はまず無いのだから許せ」
そう言ってバイルエ王国、国王のウィルさんは笑いながら話してますが、どこの世界に国王が気軽に他国へ風呂入りに行く国があるんでしょうか・・・。
「まあいいですけど、とりあえずこのゲートくぐればプレモーネの公衆浴場の前に出ますから、トラブルだけは起こさないでくださいね」
そう言って全員を公衆浴場前に移動させて中に案内をします。
既にプレモーネの幹部も到着して中に入っているようです。
バイルエ王国一行を案内し、ついでに土田だけを女湯に案内しましたが流石にばれました・・・。
自分も風呂の出来栄えと入り心地を確認するがてら風呂に入りますが、グランバルさんとか既にジェットバスで寛いでますよ。
適応力があると言うのか新しい物好きというのか・・・
そんな中バイルエ王国の一行もかけ湯をして風呂に入りますが、大浴場だけでなくジェットバスやバブルバスなどは珍しいようで恐る恐る入りその後驚きながらも寛いでくれているようです。
うん、グランバルさん、普通に雑談してますけど、隣に居るのバイルエ王国、国王ですからね?
そしてウィルさんも、その人、ドグレニム領の領主ですからね?
「おい武内、あのジェットバスの人って領主だよな?ていうかお互い気が付いているのか?」
「さぁ?一応伝えて無いからしらないんじゃない?面白そうだから放っておけばよくない?」
「いや、それまずいだろ、言い合いとか喧嘩とか始めたら大問題だぞ?」
「そう?まあそんな事にはならないと思うけど、心配なら伝えてきてあげれば?」
そう言うと土田はそそくさと二人の所に向かいます。
うん、風呂の入り心地は最高ですね、これで風呂上りにフルーツ牛乳まであるんですから至れり尽くせりですが、壁で男女の風呂場を完全に仕切ったので女風呂から聞こえて来るべき女子トークが聞こえないのは寂しい感じです。
あとで少し改装して声が聞こえるようにしてみようかな・・・。
あっグランバルさんが息子さんを呼んでウィルさんに挨拶をさせてます。
うん、あとで第4王女と会ってお見合いすればとんとん拍子でめでたい話が進むね。
そう思いながら風呂から上がり休憩所でフルーツ牛乳を飲んだ後、月山部長と支配人さん達と現時点での問題点などを話し合いますが、どうやら見た限りは問題も無く運営出来ているようです。
「じゃあこのまま問題なければ明日ぐらいから通常営業できますかね」
「ええ、あとで全員で問題点や改善点を話し合ってみて決めようかと思いますが、ただ明日は一日休みにして明後日からオープンをしようと思います。まあ今晩辺り親睦会を兼ねて宴会でもしようかと思ってますんで」
そう言って支配人さん達が言うので今日の営業で問題が無ければ明後日からのオープンを視野に入れる事になるそうです。
「それにしても武内さんは、営業方針とか口出しはされないのですね?」
「そうですね、まあ素人ですし、実際働く人が自分達で意見を出し合って作っていかないと・・・。それに実際の現場を知らない人が思いつきで口をだしてもいい事ありませんし」
そんな自分の言葉には月山部長も支配人さん達も苦笑いしています。
恐らく日本で働いている時に現場を知らない上司の口出しで苦労をしていたんでしょう。
その後風呂上がりの皆さんが休憩室で寛いでいると土田がやってきます。
「おい!領主が来てるなんて聞いてないぞ?ていうかお前は異世界で何をしようとしてるんだよ!」
「えっ?まあとりあえず領主が来てるなんて言ってないし、それに自分は異世界の生活を快適にしようとしてるだけだぞ?公衆浴場は2号店も予定してるし」
「そうか、ていうかバイルエ王国にも公衆浴場作ってくれないか?絶対流行るぞ?」
「まあ、考えておく、てか自分で作ればいいじゃん、魔道具無くても薪でお湯を沸かせば風呂出来るじゃん」
「まあそうなんだが、コストがな・・・」
「まあ気が向いたら、ていうか余裕が出来たら考えておくが、それより転移魔法が日本に繋がったぞ」
「そうか、繋がったか~・・・。マジか!!!じゃあいつでも日本に帰れるんだな!!」
惰力で返事をしていた土田ですが転移魔法のゲートが日本に繋がったと聞いてしばらくしたら一気に現実に引き戻されたようです。
「まあ、大体10センチ四方のゲートだがな・・・・。それに今は時間軸がずれているから向こうはスローモーションの世界に見えるから仮に戻るとしても180日後に時間軸が戻ってからだな・・」
「10センチ四方って、通れないじゃん、ていうかこれからそのゲートは広く出来るんだよな?」
「多分・・・魔力が万全なら20センチ四方位の広さは確保できると思うよ?」
「いや、20センチ四方って・・・。どちらにしても通り抜けられないじゃんか、どうするんだ?ていうか日本に繋がったゲートは見れるのか?」
「まあ見れるけど、魔力消費が激しいから今見せたら今日中にバイルエ王国へ送り返せなくなるぞ?まあ土田が今日プレモーネに泊まるんなら送り届けた後に見せる事は出来るが」
「そうか、じゃあ泊まっていくから見せてくれ、これで転移させられて帰還を諦めかけている日本人に希望を持たすことが出来るぞ!!」
「ああ~、それなんだけど、土田にしか言って無いから他には言わんようにね、実際最大20センチ四方のゲートを最低限50センチ四方にしない事には人間通れないし、純粋に単純計算で今の2倍~3倍の魔力がないと実現しない事だから、思いっきりぬか喜びさせるだけだぞ」
「そうか、そうだよな、それにしてもどうやって日本にゲートを繋げたんだ?」
そう言う土田にネレースから亜空間と言う物の概念を直接教えて貰った事、ステータスポイントが無かったら情報量の多さに頭がパンクしそうだった事を話しますが、土田に亜空間の説明をしても理解できなかったので恐らく普通の人間が理解するにはやはり情報量が膨大だったようです。
そうしているうちに、グランバルさんとウィルさんが二人で和気藹々とフルーツ牛乳を飲んでます。
まあいい外交の場になった事でしょう。
その後、思い思いに寛いで売店で土産のシャンプーやらリンス、そしてボディーソープに石鹸などを買い込んでいたので、そろそろバイルエ王国に送り返すことにします。
帰るにあたり一番駄々をこねたのが国王のウィルさんですがロ二ストさんが強引にゲートに引っ張て行きます。
「マサト!費用は払うからジェットバスとバブルバスにサウナを王宮の風呂に設置してくれ~~」
そう言う言葉を残しロ二ストさんに連行されて帰っていきましたが、明日土田を送り届けた後にボッタクリに行きましょうか・・・。
その後、グランバルさん達招待者も帰り従業員と土田だけとなったのでプレオープンの反省会をします。
やはり一番問題だったのが、魔道具の使いかたが分からないのがネックなようで、説明に人員を割くと他が手薄になるようでし、売店の売り子や商品の補充要員など結構人員が必要そうです。
「月山部長、オープン日を遅らせてでもプレモーネの人を雇いましょう。この状態だとかなり厳しくないですか?」
「そうだな、だがそんなにすぐに人が集まるかのか?」
「その辺はギルドに募集をかけて定職を希望する人間を集めるしかないでしょう。まあ難民がプレモーネにもかなり流れ込んで来てますから多分予想以上に人が集まると思いますよ?それに今回不採用でも、定職なら製糸工場と織物工場でも良いと言う人も多いでしょうし」
「そうか、じゃあ私はこれからギルドに募集をしに行ってこよう。オープン日は明日の雇用状態によって決めるしかないか・・・なかなかうまく行かんな」
そう言って月山部長はギルドに向かい、支配人さんをはじめ従業員さんはこれから再度話し合いをして細部を詰めるようです。
自分は土田を連れて自宅に戻り日本へのゲートを開きます。
「おお!!日本は夜か?ここは何処なんだ?てかイルミネーションがきれいだが目の前のオッサン邪魔だな・・」
そう言ってはしゃいでいますが、今見ているのは博多駅のK〇TTE博多前にあるハート型のポストから見た景色だと伝えましたが今一ピンと来ていないようです。
「ていうか、なんで博多駅なんだ?普通は東京駅とか新宿や渋谷とかじゃないか?」
「いや、おれ東京出身だけど今は福岡に住んでるし、ここの方がイメージしやすかったんだよね」
ゲートを閉じた後も土田と人が通れる大きさにするにはどうするかを話し合いましたが、魔力を増やすにはレベルを上げる事とネレースの特典ぐらいしか案が出ません。
「レベル上げが一番現実的だけど、実際魔力の活発化を凌ぎ切らないと帰るどころじゃないんだよね」
「まあ確かに、時間軸がずれている関係か指をゲートに突っ込んでもなんか壁にあたっている感じで向こうに行けないもんな、かといって時間軸が正常になったら魔力が活発化して魔物の大量発生が起きる、うまくはいかないな・・・」
「そうなんよ、それに、30000人のうち自分達だけ日本に戻ってみ?確実にマスコミやSNSで叩かれるのが確実だぞ?特に転移魔法が使える自分なんかは唯一日本人を帰還させれる人間だから他の人を見捨てたとか言われかねんし、まずは日本政府と話をして徐々に帰還させないと」
「そっか、ただ帰れればいいと思ってたけどその辺も考えないといけないのか、確かにマスコミやSNSは厄介だな、確かに日本政府と話をして色々と打ち合わせが出来れば帰還後にそこそこ保護してくれるだろうしな」
「そういう事、それにもう死んだ人もかなり居るからその辺も話して対策立てないと、異世界から生還しても普通の生活に戻るのに時間がかかるし、ぶっちゃけ自分としては目立ちたがりの人を先に返してそっちに目が言っているうちに大勢を帰還させられればと思うんだけどね、とはいえ帰還をさせたらその分ネレースがまた日本人を転移させる可能性もあるし難題ばかりなんだよ」
そう言って土田と帰還に関して話していて思ったのですが、3万人のうち場所を把握している日本人って大体300人ぐらいじゃない?なんて事が頭に浮かびました・・・。
うん、日本人を帰還させる作業をするとなると自分はすぐに帰れないじゃん・・・・。
こうなったら土田は日本に帰還させずに働かせよう・・・。
どうせそのうちステレーネさんと家庭を築きそうだし、明るい家族計画の為に薄いジェット風船を小さくしたようなのでも渡しとこうかな・・・。
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