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情勢報告
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79日目
今日から村の防衛強化を再開します。
朝一で月山部長の所に行き暫くグランバルさんの依頼で各村を周る旨を伝えた後、ラルに跨り村を目指します。
今回はグランバルさんの書状があるので、何だコイツ的な目で見られることは無くなりましたが、堀と土塁、そして門と見張り台を設置すると今度は何者なんだ?的な目で見られます。
うん、仕方ないよね・・・。
そう思いながら1日に3~4の村を周り村々に防衛強化を施していきます。
結果的9日かけて、2か所だけ土塁と空堀を設置出来ない村がありましたが、それ以外は防衛機能の強化を完了させプレモーネに戻ります。
「グランバルさん、村の防衛機能強化完了しましたよ」
そう言て報告に行くとグランバルさんは軽く礼をいい、何枚かの書状を見せてきます。
「これは報告書ですか?」
「そうだ、バイルエ王国とウェース聖教国、それとロータンヌ共和国内の報告書だ」
そう言って渡された報告書に目を通します。
1枚目はバイルエ王国の現状報告で、今回の敗戦で国内が主戦派と講和派に分かれてしまっている状態のようですが、現在講和派が優勢のようです。
どうやら死霊術でバイルエ王国に送り返した死体の皆さんを多くの人が目にし戦争回避の雰囲気が蔓延しているようです。
このまま講和に傾いてくれるといいんですが。
2枚目はウェース聖教国の現状報告で、こちらは読んでいてあまりいい内容は書かれていませんでした。
どうやらウェース聖教国では、前回の戦いの際に畑を焼いて村から食料などを徴発しましたが、補償とかもなく、また戦場から離れた村などからも戦後に食料の徴発や税を増税するなどし農村を中心に困窮しているとの事で、このままでは数か月後には餓死者が出てもおかしくない状況だとの事です。
そして3枚目はロータンヌ共和国内の報告書でした。
ロータンヌ共和国には6人の領主がいるようですが、タンムと言う首都の町がありそこに元首という人がいるそうです。
各領主は首都に2名ずつ代表を派遣し合計12名の代表と副元首2名、元首1名で共和国全体の方向性などを決めているようです。
元首、副元首に関しては任期が5年で同じ領主の領内から連続して元首、副元首は選出出来ないようになっているそうです。
そこで今回の転移に際し日本人を首都タンムに集めその知識や技術を共和国内へ平等にいきわたる様にするべきだとの声が上がっているそうです。
4枚目はその他国家の状況報告ですがまあほとんどの国が日本人の囲い込みに必死になっている事、一部の国で鉄のような物で出来た生物のようなものが目撃されたなどとの情報程度です。
うん、鉄のような物で出来た生物のようなもの・・・・絶対痛い感じがするので、深く考えないでおこう。
「で、グランバルさん的には、バイルエ王国はどう動くと思いますか?」
そう言うとグランバルさんは少し考えてから分からんとのジェスチャーをします。
「まあそうですよね、もう少し様子見ですかね」
そう言ってウェース聖教国の話を振ります。
「こちらはバイルエ王国より深刻そうですが、飢えた人が難民としてドグレニム領になだれ込んで来る恐れはないんですか?」
「その可能性はあるな、前回の戦争の相手がバイルエ王国だからそちらに行く可能性は少なく、そうなるとこちらに来る可能性が高い」
「その場合はどうされるんですか?」
「そうだな、食料はマサトが居れば何とかなるだろうが、住居などの問題もある、どの程度が来るかによって対応は変わって来るから一概には言えないな」
そう言ってこちらもお手上げと言うジェスチャーをしています。
まあそうですよね・・・。
じゃあロータンヌ共和国の件はどうなんですか?
「ああ、それはまあそんな事を言う奴が居るって事だけ知っとけばいい。どうせ話なんかまとまらんし、その報告書にあるような事には間違いなくならないだろうし、なったとしてもマサトが出向いて一言断ればそれで終わる話だ」
「そうですか、最終的に自分が何かしろと・・」
「まあそういう事だ、どうせ会議なんか纏まりはしないんだからほっといて問題は無い」
そう言って自分が属するロータンヌ共和国はほっといていいってグランバルさんもさして気にも留めていないようです。
まあ各領主の思惑が入り乱れてる議会はそう簡単にはまとまらないでしょうね。
そう思いながら、とりあえず森を抜ける道をサンダーウルフ達に監視させて通行する人の安全を極力守る様にしている事だけ伝えておきます。
「まあ、安全に通行が出来るとわかれば商人が交易を再開するだろうから暫くは監視をさせてくれ。それと、最近森の魔物に今まで見たことのない魔物が居るとの報告もある」
「新種って事ですか?」
「分からん、生活圏が替わり他の地域から来たのか、突然変異かは現在調査中だ、ただどの冒険者も初見の魔物は手強いとの事だ」
「そうですか、まあ出会ったら討伐してみます」
「それと、川沿いの森を少し行くと道が出来ているとの報告もあるんだが・・」
「あ~、それゾルス達の砦に続く道ですね」
「お前な~、聞いてないぞ、なんで道なんか作るんだ」
「まあ有事の際にゴブリン軍団を素早く動員する為ですよ」
「動員って、戦場に魔物を参戦させるつもりか?」
「まあ必要があれば、それに魔物使いがドグレニム領に味方している程度のうわさを流しとけば抑止力にもなるでしょ」
「まあ、分かった、とりあえずしばらくは大人しくしていてくれ」
「いや、以前見つけた迷宮の調査と攻略に行きたいんですけど」
「迷宮だ?ダメに決まっているだろう。お前今の状況わかっているだろう、そんなに何日もプレモーネを離れる事は認められるか」
そう言ってグランバルさんは書類仕事に戻ろうとします。
「そう言えば、お風呂はどうでした?」
「あれはすごいな、マサトの言う通り気持ちいいしリラックスも出来る、使用人を含め全員が気に入っているぞ」
そう言うとグランバルさんは急に真顔になり日本の風習などを聞いてきます。
とりあえず、日本では一家に1つは風呂がある事、また公衆浴場もあり普通の物であることなどを教えます。
「そうか、一家に1つか・・」
どうやら一家に1つに驚いているようです。
「それで、場所があれば公衆浴場作って転移者に管理させて仕事にしたいんですけどね」
そう言うとグランバルさんは結構前向きに検討を始めます。
まあ場所などの問題もあるので今度ゆっくり話をしようという事で今日の所はお暇をします。
とりあえず今度、砦に行って、ロゼフとハンゾウを中心に迷宮攻略部隊編成して調査させてみよう。
88日目
昨晩中にアイテムBOXの特殊フォルダーに入れるコンテナへ物資を詰め終えたので月山部長の所に報告と物資の提供に向かいます。
「月山部長おはようございます」
「ああ、武内君、おはよう」
そう言って月山部長は見ていた書類から目をはなしお茶を入れ始めます。
「3回目に転移して来た人達はプレモーネになじめてますか?」
「そうだな~、まあ概ねはなじんでいるってとこかな、まあ一部はまだ現実として受け入れられない人もいるようだが、ほとんどは仕事をしてお金を稼ぐようになっているよ。それに石鹸なんかはかなり人気が出ているぞ」
「それは良かったですが、やっぱり一部の人はなじめて無いですか・・。トラブルとかは無いですか?」
その質問に月山部長はため息をついて現状は話してくれます。
「まあ、今の所は大きなトラブルもなく拘束されたのは1人だけで済んではいるが・・・」
「1人拘束されてるんですか?」
「ああ、野田君が酒場で酔っ払って他の客に絡んだ挙句、暴行をして拘束されたんだ」
そう言て月山部長は頭が痛いと言った感じです。
「野田課長ですか・・・」
確かに野田課長は着いた時から文句だらけで町になじめなさそうな気はしていましたが、まさか暴行事件を起こして拘束されるとは思ってませんでした。
「でいつぐらいまで拘束されるんですか?」
「それがな、この町では被害者に賠償金を払うか、払う事を約束するまで拘束が続くそうなんだ」
「じゃあ払えないにしても、払う約束すればいいじゃないですか」
「それがな、なんで俺が払わないといけないんだと言い張ってるそうだ」
なんか、弁護士を呼べとか叫んでそうな野田課長が目に浮かびます。
「武内君、何とかすることは出来んか?」
「まあ出来ますけど、何とかしても本人が今のままじゃまた同じこと繰り返すだけですよ。野田課長は暫く拘束されて頭を冷やしてもらうしかないでしょうね」
「そうだな」
そう言って月山部長も諦め顔です。
「それで、月山部長、この前から話していた特殊フォルダーですが、成功しましたんで物資を出したいんですがどうしましょうか?」
「木の箱に詰め終わったのか?」
「そうですね、木の箱というよりコンテナになったので、かなりの大きさなんですが」
「どのくらいの大きさなんだ?」
「そうですね、長さ15メートル、高さ3と横幅6メートルくらいですね」
そう言うと予想外の大きさだったのか絶句しています。
「武内君、さすがに欲張りすぎじゃないか?それにその大きさだと宿舎の庭ぐらいでしか出し入れ出来んぞ?」
「まあそうなんですが、生活用品や食料とかとは別に転移して来た日本人には必要ない物とか色々と入ってますので」
「我々に必要ない物?」
「そうですね、釘やらネジやらに加え塩ビパイプに家庭用耕運機、などの園芸用品に野菜などの種とかですね」
そう言うと自分が何を考えているか月山部長も納得したようです。
「まあ、その辺の不用品を回収後に日用品を支援してもらえばいいという事か」
「そうですね」
まずは、現物を見てもらうのが一番なので、一旦月山部長達の宿舎に向かいアイテムBOXの特殊フォルダーからコンテナを出します。
「聞いていたとはいえ大きいな・・」
驚いている部長をしり目にコンテナから生活用品以外を回収して行ます。
「残った2/3ぐらいが生活用品や食料などですからこれを皆さんで分けてください」
「これだけの量ならかなり助かるが、まずは内容の把握が先だな」
そう言うと月山部長は一旦宿舎に入って数人の同僚を連れてきて棚卸を始めました。
うん、まず棚卸ってさすがだ、これが野田課長だったらあれもこれもと騒いで自分の欲しいものを探すだろうけどやっぱり月山部長を転移者のまとめ役にしたのは正解だな。
今日から村の防衛強化を再開します。
朝一で月山部長の所に行き暫くグランバルさんの依頼で各村を周る旨を伝えた後、ラルに跨り村を目指します。
今回はグランバルさんの書状があるので、何だコイツ的な目で見られることは無くなりましたが、堀と土塁、そして門と見張り台を設置すると今度は何者なんだ?的な目で見られます。
うん、仕方ないよね・・・。
そう思いながら1日に3~4の村を周り村々に防衛強化を施していきます。
結果的9日かけて、2か所だけ土塁と空堀を設置出来ない村がありましたが、それ以外は防衛機能の強化を完了させプレモーネに戻ります。
「グランバルさん、村の防衛機能強化完了しましたよ」
そう言て報告に行くとグランバルさんは軽く礼をいい、何枚かの書状を見せてきます。
「これは報告書ですか?」
「そうだ、バイルエ王国とウェース聖教国、それとロータンヌ共和国内の報告書だ」
そう言って渡された報告書に目を通します。
1枚目はバイルエ王国の現状報告で、今回の敗戦で国内が主戦派と講和派に分かれてしまっている状態のようですが、現在講和派が優勢のようです。
どうやら死霊術でバイルエ王国に送り返した死体の皆さんを多くの人が目にし戦争回避の雰囲気が蔓延しているようです。
このまま講和に傾いてくれるといいんですが。
2枚目はウェース聖教国の現状報告で、こちらは読んでいてあまりいい内容は書かれていませんでした。
どうやらウェース聖教国では、前回の戦いの際に畑を焼いて村から食料などを徴発しましたが、補償とかもなく、また戦場から離れた村などからも戦後に食料の徴発や税を増税するなどし農村を中心に困窮しているとの事で、このままでは数か月後には餓死者が出てもおかしくない状況だとの事です。
そして3枚目はロータンヌ共和国内の報告書でした。
ロータンヌ共和国には6人の領主がいるようですが、タンムと言う首都の町がありそこに元首という人がいるそうです。
各領主は首都に2名ずつ代表を派遣し合計12名の代表と副元首2名、元首1名で共和国全体の方向性などを決めているようです。
元首、副元首に関しては任期が5年で同じ領主の領内から連続して元首、副元首は選出出来ないようになっているそうです。
そこで今回の転移に際し日本人を首都タンムに集めその知識や技術を共和国内へ平等にいきわたる様にするべきだとの声が上がっているそうです。
4枚目はその他国家の状況報告ですがまあほとんどの国が日本人の囲い込みに必死になっている事、一部の国で鉄のような物で出来た生物のようなものが目撃されたなどとの情報程度です。
うん、鉄のような物で出来た生物のようなもの・・・・絶対痛い感じがするので、深く考えないでおこう。
「で、グランバルさん的には、バイルエ王国はどう動くと思いますか?」
そう言うとグランバルさんは少し考えてから分からんとのジェスチャーをします。
「まあそうですよね、もう少し様子見ですかね」
そう言ってウェース聖教国の話を振ります。
「こちらはバイルエ王国より深刻そうですが、飢えた人が難民としてドグレニム領になだれ込んで来る恐れはないんですか?」
「その可能性はあるな、前回の戦争の相手がバイルエ王国だからそちらに行く可能性は少なく、そうなるとこちらに来る可能性が高い」
「その場合はどうされるんですか?」
「そうだな、食料はマサトが居れば何とかなるだろうが、住居などの問題もある、どの程度が来るかによって対応は変わって来るから一概には言えないな」
そう言ってこちらもお手上げと言うジェスチャーをしています。
まあそうですよね・・・。
じゃあロータンヌ共和国の件はどうなんですか?
「ああ、それはまあそんな事を言う奴が居るって事だけ知っとけばいい。どうせ話なんかまとまらんし、その報告書にあるような事には間違いなくならないだろうし、なったとしてもマサトが出向いて一言断ればそれで終わる話だ」
「そうですか、最終的に自分が何かしろと・・」
「まあそういう事だ、どうせ会議なんか纏まりはしないんだからほっといて問題は無い」
そう言って自分が属するロータンヌ共和国はほっといていいってグランバルさんもさして気にも留めていないようです。
まあ各領主の思惑が入り乱れてる議会はそう簡単にはまとまらないでしょうね。
そう思いながら、とりあえず森を抜ける道をサンダーウルフ達に監視させて通行する人の安全を極力守る様にしている事だけ伝えておきます。
「まあ、安全に通行が出来るとわかれば商人が交易を再開するだろうから暫くは監視をさせてくれ。それと、最近森の魔物に今まで見たことのない魔物が居るとの報告もある」
「新種って事ですか?」
「分からん、生活圏が替わり他の地域から来たのか、突然変異かは現在調査中だ、ただどの冒険者も初見の魔物は手強いとの事だ」
「そうですか、まあ出会ったら討伐してみます」
「それと、川沿いの森を少し行くと道が出来ているとの報告もあるんだが・・」
「あ~、それゾルス達の砦に続く道ですね」
「お前な~、聞いてないぞ、なんで道なんか作るんだ」
「まあ有事の際にゴブリン軍団を素早く動員する為ですよ」
「動員って、戦場に魔物を参戦させるつもりか?」
「まあ必要があれば、それに魔物使いがドグレニム領に味方している程度のうわさを流しとけば抑止力にもなるでしょ」
「まあ、分かった、とりあえずしばらくは大人しくしていてくれ」
「いや、以前見つけた迷宮の調査と攻略に行きたいんですけど」
「迷宮だ?ダメに決まっているだろう。お前今の状況わかっているだろう、そんなに何日もプレモーネを離れる事は認められるか」
そう言ってグランバルさんは書類仕事に戻ろうとします。
「そう言えば、お風呂はどうでした?」
「あれはすごいな、マサトの言う通り気持ちいいしリラックスも出来る、使用人を含め全員が気に入っているぞ」
そう言うとグランバルさんは急に真顔になり日本の風習などを聞いてきます。
とりあえず、日本では一家に1つは風呂がある事、また公衆浴場もあり普通の物であることなどを教えます。
「そうか、一家に1つか・・」
どうやら一家に1つに驚いているようです。
「それで、場所があれば公衆浴場作って転移者に管理させて仕事にしたいんですけどね」
そう言うとグランバルさんは結構前向きに検討を始めます。
まあ場所などの問題もあるので今度ゆっくり話をしようという事で今日の所はお暇をします。
とりあえず今度、砦に行って、ロゼフとハンゾウを中心に迷宮攻略部隊編成して調査させてみよう。
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昨晩中にアイテムBOXの特殊フォルダーに入れるコンテナへ物資を詰め終えたので月山部長の所に報告と物資の提供に向かいます。
「月山部長おはようございます」
「ああ、武内君、おはよう」
そう言って月山部長は見ていた書類から目をはなしお茶を入れ始めます。
「3回目に転移して来た人達はプレモーネになじめてますか?」
「そうだな~、まあ概ねはなじんでいるってとこかな、まあ一部はまだ現実として受け入れられない人もいるようだが、ほとんどは仕事をしてお金を稼ぐようになっているよ。それに石鹸なんかはかなり人気が出ているぞ」
「それは良かったですが、やっぱり一部の人はなじめて無いですか・・。トラブルとかは無いですか?」
その質問に月山部長はため息をついて現状は話してくれます。
「まあ、今の所は大きなトラブルもなく拘束されたのは1人だけで済んではいるが・・・」
「1人拘束されてるんですか?」
「ああ、野田君が酒場で酔っ払って他の客に絡んだ挙句、暴行をして拘束されたんだ」
そう言て月山部長は頭が痛いと言った感じです。
「野田課長ですか・・・」
確かに野田課長は着いた時から文句だらけで町になじめなさそうな気はしていましたが、まさか暴行事件を起こして拘束されるとは思ってませんでした。
「でいつぐらいまで拘束されるんですか?」
「それがな、この町では被害者に賠償金を払うか、払う事を約束するまで拘束が続くそうなんだ」
「じゃあ払えないにしても、払う約束すればいいじゃないですか」
「それがな、なんで俺が払わないといけないんだと言い張ってるそうだ」
なんか、弁護士を呼べとか叫んでそうな野田課長が目に浮かびます。
「武内君、何とかすることは出来んか?」
「まあ出来ますけど、何とかしても本人が今のままじゃまた同じこと繰り返すだけですよ。野田課長は暫く拘束されて頭を冷やしてもらうしかないでしょうね」
「そうだな」
そう言って月山部長も諦め顔です。
「それで、月山部長、この前から話していた特殊フォルダーですが、成功しましたんで物資を出したいんですがどうしましょうか?」
「木の箱に詰め終わったのか?」
「そうですね、木の箱というよりコンテナになったので、かなりの大きさなんですが」
「どのくらいの大きさなんだ?」
「そうですね、長さ15メートル、高さ3と横幅6メートルくらいですね」
そう言うと予想外の大きさだったのか絶句しています。
「武内君、さすがに欲張りすぎじゃないか?それにその大きさだと宿舎の庭ぐらいでしか出し入れ出来んぞ?」
「まあそうなんですが、生活用品や食料とかとは別に転移して来た日本人には必要ない物とか色々と入ってますので」
「我々に必要ない物?」
「そうですね、釘やらネジやらに加え塩ビパイプに家庭用耕運機、などの園芸用品に野菜などの種とかですね」
そう言うと自分が何を考えているか月山部長も納得したようです。
「まあ、その辺の不用品を回収後に日用品を支援してもらえばいいという事か」
「そうですね」
まずは、現物を見てもらうのが一番なので、一旦月山部長達の宿舎に向かいアイテムBOXの特殊フォルダーからコンテナを出します。
「聞いていたとはいえ大きいな・・」
驚いている部長をしり目にコンテナから生活用品以外を回収して行ます。
「残った2/3ぐらいが生活用品や食料などですからこれを皆さんで分けてください」
「これだけの量ならかなり助かるが、まずは内容の把握が先だな」
そう言うと月山部長は一旦宿舎に入って数人の同僚を連れてきて棚卸を始めました。
うん、まず棚卸ってさすがだ、これが野田課長だったらあれもこれもと騒いで自分の欲しいものを探すだろうけどやっぱり月山部長を転移者のまとめ役にしたのは正解だな。
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