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調査報告

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応接室に入ってきたギルドマスターのバンズさん、副ギルドマスターのウィザーさん、兵士長のタロイマンさんは席に着くとこちらに視線を向けます。

グランバルさんが口火をきって話し出しました。
「でだ、このメンツを呼んだ理由は、南西の森の調査結果の報告をしてもらうためだ、マサト話してくれ」

そういうとグランバルさんは自分に話をするよう促します。
まず南西の森は調査に入ってしばらくしてサンダーウルフ達の群れが居たのでゾルス達のように眷属化し、それにより広範囲の調査が出来た結果、オーガが通った道の周辺は特に魔物が減っている為、恐らくその離れた場所に魔物が避難している可能性があるとの事。
オーガの群れは遺跡を根城としてオーガキングをはじめオーガロード7匹、オーガが約300程いた事。
襲撃をし230以上は討伐したが撃ち漏らしが発生し森の奥深くに逃げ込んでいる事。
遺跡を調査した結果、かなり古い遺跡のようで恐らく神殿のような建物で祭壇らしきものがあり隠し階段を降りた先には実験室のような部屋と魔法陣があった事。
そして遺跡から大体2日ぐらいのところに3つの洞窟があり1つは浅い洞窟、もう一つは深く途中から迷宮になっている事、もう一個の洞窟は未捜索である事。
また洞窟の中に全部討伐はしたがジルクスパイダーが大量にいた事。
迷宮につながる門にはゴーレムが居て迷宮を守っている感じだった事。
また迷宮の一階層をハンゾウが大まかに調べたところさらに下に降りる階段があった為、恐らくかなりの下層まで迷宮がある事。
帰りに洞窟から遺跡、遺跡から町まで道筋をつけて帰ってきたことを話しました。

一気に話しましたが一同渋い顔でいます。
そんな中ウィザーさんが質問をしてきました。

「まず疑問なのですがオーガが通った場所の魔物が減っているというのはなぜそう言えるのですか?」
「うん、確かに、普通ならつい最近異世界に来た人間がそんな事わかりませんけど、南西森を縄張りにしていたサンダーウルフ達を眷属化したのでそこからの情報です。実際サンダーウルフ達もオーガの群れが通った際は一時距離を取っていたとの事です」
「森の魔物の事は森に住む魔物が一番よくわかるという事ですね。下手な報告より信用できますね」
「はい、恐らく間違いないと思います」
ウィザーさんは納得したかのようです。

「オーガが居た根城までは町から大体何日ぐらいの場所にあったんだ?」
バンズさんが質問を投げかけます。
「自分たちの足で大体4日くらいです。ただロゼフに言わせたら普通の人間なら8日~10日はかかるだろうとの事です」

「普通の人間で8~10日か・・・・どおりで今まで発見されないわけだな・・・」
「そうですね、今回はザンダーウルフ達に匂いを追跡してもらったので真っすぐ遺跡に着きましたけどそうでなければ発見できていたかも怪しいですね」
「だろうな。で?遺跡はまだ調査したら何か出てきそうか?」
「一応メインの神殿跡地らしきところは調べましたが全体は調べていないので何とも言えませんね」
「そうか・・」
バンズさんは腕を組んで考え込んでます。
恐らく遺跡の調査隊を出すか出さないかを考えているのでしょう。

「で、道を作ったと言っていたがそれはどういう道だ?場合によってはその道を通って森の奥から魔物が町に来る可能性があるんじゃないか?」
タロイマンさんが険しい顔をしながら質問をしてきます。
「はい、確かにその懸念はありました。なので道と行っても木を根から切るだけで整地とかはしてません。実際道というより真っすぐ遺跡経由で洞窟までのルートの木を切っただけです」
「木を切っただけか・・・それならそこまで警戒する必要はないか・・・」
「おそらく大丈夫だと思います。あと、ルート上冒険者が野営しやすいように所々整地してテントなどが張れるようにしておきました」
「すでに冒険者が行くことを考えて行きやすいようにしてあるという事か・・・仕事が早いというべきか、考え無しというべきか・・・」
「一応考えてやってんですけどね・・・。」

「まあ、遺跡と迷宮の調査は今のところ置いておいて、遺跡を根城にしていたオーガだが・・・」
グランバルさんがそういうと、一斉に視線がこちらを向きます。
「プレモーネを襲撃してきたオーガは7、800ぐらいいたはずだが遺跡には300程、100程数が合わないんだが合わない分は逃散したと考えていいのか?」
「いえ、討伐後に判明したことですが、共食いをしていたようです。遺跡に大量の骨がありました。恐らく強いオーガが弱いオーガを共食いをしてオーガロードに進化したため遺跡には7体が居た可能性があります」
「共食いか・・・食料不足とは考えられないか?」
「その可能性もありますが。5、6体で遺跡周囲で餌を集めてましたので食料不足は考えにくいです。ただ時間がたてば食料不足にはなっていたと思います」
「じゃあ何か?意図して弱いオーガを食って強化をしていたって事か?」
「おそらく、プレモーネを襲った際、森の中でオーガキングは襲撃の様子を観察していたと思われます」
「観察?何のために」
「おそらく門を突破できれば出てきて町を襲い、失敗したら原因を追究し再度襲撃する為ってとこでしょうか?」
「なぜ、森の中から観察してたってわかるんだ?」
「それは、一騎打ちの際に自分がオーガロードにした攻撃を見てたかのようにかわしてカウンターで攻撃までしてきたからです。初見でかわせるとは思いませんし確実に見ていて対策をされた感じでした」
「一騎打ちだと!!」
「はい、一騎打ちです、なんか指さされてニヤリと笑ったのでつい・・・・」
「お、おまえ・・ついでオーガキングと一騎打ちするか?」

そう言ってグランバルさんをはじめ全員が呆れています。
うん、だって明らかにご指名だったし
「一応、一騎打ちの末討伐しましたので再度町を襲う心配は少ないかと」
「一騎打ちで討伐しただぁ?」
「はい、手を読まれてたんで結構ギリギリでしたけど最後は首をスパッっと切り落として勝ちました」
「にわかには信じられんな・・・」
そういうと全員が信じられないようでグランバルさんに同意してます。

「これが討伐の証であるオーガキングの頭部です。」
そう言ってアイテムBOXからオーガキングの頭部を出すと全員が絶句します。
血も滴る状態のオーガキングの頭部を見たら信じられんとか言えないでしょうし。

「これがオーガキングか・・・でかいな・・」
「そうですね、胴体部分は焼却してしまったのでないですが大体3メートルくらいだったでしょうか。筋骨隆々で迫力ありましたよ」
「迫力って問題じゃないよな・・・それにしてもこのオーガキング、なんか満足そうな死に顔だな」
「う~ん、そこは自分もよくわからないんですが戦ってて楽しそうだったんですよね。もしかして町を襲ったのも強者を求めたのかもしれません」

「まったく・・・まあ討伐出来たからよかったものの返り討ちにあってたら再度町が襲われるとこだぞ」
「まあその時は自分もう死んでますんで・・・」
「まあオーガキングの件はわかった、この頭部は俺に預けてくれるか?」
「いいですよ、ただ自分に不利益になることだけは勘弁してくださいね」
グランバルさんは何か使い道を思いついているんでしょうね、ニヤリと笑ってます。
まあオーガキングの頭部持ってても仕方ないのでグランバルさんに任せます。

「で、迷宮に関してですが・・・」
ウィザーさんが切り出します。
「迷宮に魔物はいたんですか?」
「ハンゾウが調べた階層には何もいなかったそうです。ただ神託の内容を聞く限り今後魔物が現れる可能性はあるかと思いますが」
「今後はどうなるか分からないとの事ですね」
「そうですね、それに迷宮以外でも魔物の増加が予測されます」
そういうとロゼフから聞いた話をせつめいします。
全員が深刻な顔をしています。

「ちなみに、これから再度迷宮の調査依頼をしたら受けて頂けますか?」
「うん、無理です。次回の転送があと10日くらいなので自分の居た世界の人の捜索が最優先になりますんで、明日は町で物資の仕入れとかをしますが明後日には捜索の為自分が転送された辺りに向かう予定です」

「そうですか・・・」
そういうとウィザーさんは黙り込んでしまいます。

「一応、遺跡と迷宮までのマップは作っているんでこれを差し上げます」
そう言って出した紙を見て全員が驚いた顔をしています。
「お前、差し上げるって、遺跡や迷宮の地図とか場合によってはひと財産だぞ!!」
「まあ、そうでしょうがお金にあまり困ってませんし嫉まれても困りますから・・」
そういうと、全員が納得したようなしないような顔をしてます。

実際どうせすぐに攻略とかされそうにないし、行きたい人はご自由にって感じなんですよね。
そんなこんなでその後も質問攻めにあい、そして呆れられました。
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