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第2章 交わる過去
親友の言葉 〜Story of 越出渥愛〜
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私は人生で初めて、同世代の友達と遊ぶ時間を手に入れた。
買い物したり、映画行ったり、カラオケ行ったり。
結構、充実した時間だったし、学校で会うと明るく挨拶だって交わした。
「おっす、あまねぇ!」
「あ、あーちゃん!おつかれー」
ちなみに、この時できた友達の中で一番の親友とも言える人が彼女、天江名彩菜だった。
薬学部に所属する、一個上の先輩。
イベサーの新歓に参加した時、先輩の中でも比較的話しやすく、すぐ打ち解けられたので、その後は二人で遊びに行ったり、飲み友として悩みを聞いてもらったりしていた。
彼女は意外と下ネタもいける口だったので、やがては性の話題も話すように。
そんなある日。
私は彼女といつもの飲み屋に行き、愚痴を聞いてもらっていた。
「かあービール美味っ!これがピルだったらどんだけよかったことか」
「もーあーちゃん。全然うまいこと言ってないよ??」
「だってしょうがないだろ!友達はみーんな彼氏がいるってのに、私一人だぜ?やっぱこの性格?口調かな……」
「あら、私だっていないわよ?」
「それは、あまねぇが超絶美人で、家が金持ちで、みんな萎縮してるからだろー。私はシンプルに男から好かれてないんだよぉ~」
酒が入ってしまうと、いつもこんな調子。
そう、友達はできたものの、肝心の彼氏は、一人もいなかった。
年下ばかり食い荒らしてきたツケで、同世代ばかりとつるむようになった私には、はっきり言って性欲を掻き立てられる相手が見つからないのだ。
私のターゲット層は、年を経るごとに少しずつ上がってきてはいる。
それでもやはり、高◯生くらいまでが限度だろう。そう考えると、こんな立場ではなかなか付き合いづらい。
しかし同時に、彼氏の一人もいないのは、女としてどうか?とも考えてしまう日々。
このジレンマから、なかなか抜け出せない。
「うーん……困ったわねぇ。あーちゃん、完璧に性癖歪んでるからなぁ」
ちなみにあまねえは、私の過去を知っている数少ない人間の一人である。
「だって、仕方ないだろ……。あんなに気持ちよくて楽しいこと……他に知らないし」
「おまけにあーちゃん、年下相手にも関わらず面食いだからねえ。余計にターゲット層狭いんだから。人それぞれ好みはあると言うけど……あ、そうだ!!いいこと思いついちゃった」
「?」
「あーちゃん、体育の先生、やるんでしょ?」
「う、うん。そのつもりだけど」
「じゃあさ、先生になったら、どこか良い私立の学校見つけたら??顔のいい子が集まる学校!そこで生徒の子達、漁って食べちゃえばいいのよ!」
天使のようにふんわりした笑顔で、さらっと恐ろしいことを言う。
天然もいいとこだ。
私でもちょっと引いた。
そんな自信満々の彼女に、私は言葉を返す。
「いやでもさぁ。無理だよどうせ。自分の思い通りのとこにいけるとも限らないし、そんな都合のいい学校があるか?」
ちょっと卑屈な笑いを浮かべてみる私。
するとあまねぇは徐に私の両肩を掴み、正面を向かせた。
彼女の目は、優しいながら真剣さを感じさせる光が灯っていた。
「あーちゃん。やる前から諦めるなんてダメ!何事も、やってみなくちゃわからないでしょ。自分の夢や願望を叶えるのは、自分しかいないのよ?」
なぜだろうか。
いつも彼女の言葉には力がこもっている。その一言をもらうだけで、相当な力がみなぎった。
話してる話題が相当下衆なことなど、吹き飛ぶレベル。
「あまねぇ……うん、そうだね。私が間違ってた。ごめんよ!ちゃんと自分の思いに、正直になるわ」
「その調子だ!!」
「おっしゃ!目指すはとびきりの年下下僕を100人作ること!」
「いえーい!ガンバレあーちゃん!年下100人釣れるかなっ♪」
友達100人みたいなテンションで鼻歌交じりに言う彼女に、思わず私は声をあげて笑ってしまった。
買い物したり、映画行ったり、カラオケ行ったり。
結構、充実した時間だったし、学校で会うと明るく挨拶だって交わした。
「おっす、あまねぇ!」
「あ、あーちゃん!おつかれー」
ちなみに、この時できた友達の中で一番の親友とも言える人が彼女、天江名彩菜だった。
薬学部に所属する、一個上の先輩。
イベサーの新歓に参加した時、先輩の中でも比較的話しやすく、すぐ打ち解けられたので、その後は二人で遊びに行ったり、飲み友として悩みを聞いてもらったりしていた。
彼女は意外と下ネタもいける口だったので、やがては性の話題も話すように。
そんなある日。
私は彼女といつもの飲み屋に行き、愚痴を聞いてもらっていた。
「かあービール美味っ!これがピルだったらどんだけよかったことか」
「もーあーちゃん。全然うまいこと言ってないよ??」
「だってしょうがないだろ!友達はみーんな彼氏がいるってのに、私一人だぜ?やっぱこの性格?口調かな……」
「あら、私だっていないわよ?」
「それは、あまねぇが超絶美人で、家が金持ちで、みんな萎縮してるからだろー。私はシンプルに男から好かれてないんだよぉ~」
酒が入ってしまうと、いつもこんな調子。
そう、友達はできたものの、肝心の彼氏は、一人もいなかった。
年下ばかり食い荒らしてきたツケで、同世代ばかりとつるむようになった私には、はっきり言って性欲を掻き立てられる相手が見つからないのだ。
私のターゲット層は、年を経るごとに少しずつ上がってきてはいる。
それでもやはり、高◯生くらいまでが限度だろう。そう考えると、こんな立場ではなかなか付き合いづらい。
しかし同時に、彼氏の一人もいないのは、女としてどうか?とも考えてしまう日々。
このジレンマから、なかなか抜け出せない。
「うーん……困ったわねぇ。あーちゃん、完璧に性癖歪んでるからなぁ」
ちなみにあまねえは、私の過去を知っている数少ない人間の一人である。
「だって、仕方ないだろ……。あんなに気持ちよくて楽しいこと……他に知らないし」
「おまけにあーちゃん、年下相手にも関わらず面食いだからねえ。余計にターゲット層狭いんだから。人それぞれ好みはあると言うけど……あ、そうだ!!いいこと思いついちゃった」
「?」
「あーちゃん、体育の先生、やるんでしょ?」
「う、うん。そのつもりだけど」
「じゃあさ、先生になったら、どこか良い私立の学校見つけたら??顔のいい子が集まる学校!そこで生徒の子達、漁って食べちゃえばいいのよ!」
天使のようにふんわりした笑顔で、さらっと恐ろしいことを言う。
天然もいいとこだ。
私でもちょっと引いた。
そんな自信満々の彼女に、私は言葉を返す。
「いやでもさぁ。無理だよどうせ。自分の思い通りのとこにいけるとも限らないし、そんな都合のいい学校があるか?」
ちょっと卑屈な笑いを浮かべてみる私。
するとあまねぇは徐に私の両肩を掴み、正面を向かせた。
彼女の目は、優しいながら真剣さを感じさせる光が灯っていた。
「あーちゃん。やる前から諦めるなんてダメ!何事も、やってみなくちゃわからないでしょ。自分の夢や願望を叶えるのは、自分しかいないのよ?」
なぜだろうか。
いつも彼女の言葉には力がこもっている。その一言をもらうだけで、相当な力がみなぎった。
話してる話題が相当下衆なことなど、吹き飛ぶレベル。
「あまねぇ……うん、そうだね。私が間違ってた。ごめんよ!ちゃんと自分の思いに、正直になるわ」
「その調子だ!!」
「おっしゃ!目指すはとびきりの年下下僕を100人作ること!」
「いえーい!ガンバレあーちゃん!年下100人釣れるかなっ♪」
友達100人みたいなテンションで鼻歌交じりに言う彼女に、思わず私は声をあげて笑ってしまった。
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