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第1章 交友部
出会ってしまった(2/28)
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ーー「うう……やっぱり、自信ないな……」
チャイムの余韻を背に受けながら、トボトボと廊下を歩き独り言を呟く。
入学式は何事もなく淡々と進んだ。
進学校の、それも初日なのだから、当然といえば当然。
他人と違うことと言えば、父母が来なかったことだろう。
仕事が忙しいというが、これについては中学の卒業式も同じだった。気にはしていない。
問題はそのあと。
各教室に分かれてのガイダンスだ。
指定された教室の席に着く。
僕は一番後の列、それも窓際。なかなか落ち着けそうな場所だと思ったが……
周りを見渡すと、いかにも勉強出来そうな人ばかり。
初日はそういうもの、とよく言われるが、この学校だけは間違いなく別格だ。
緊張を通り越して、吐き気すら感じてきた。
その上……
「はじめまして!私の名前は……越出渥愛。担当科目は体育。この特進Aクラスの担任として、これから一年、皆さんを……しっかり指導しますから、よろしくお願いします!」
担任の先生は、体育教師。
黒髪のショートヘアに眼鏡をかけ、キリッとした目つき。
厳しそうな人に見える。
これもまたキツい……
僕は体育が大の苦手。そのせいで、中学の頃他の人より厳しい指導を受け、少しばかりトラウマになっているのだ。
登校時の自分とは打って変わり、テンションはダダ下がり。
分かっていても、どうにもならない。
そこでガイダンスの合間の休み時間、一旦気持ちを落ち着けようと、こうして僕はトイレに向かっていた。
「どうしよう……初日からこんなこと考えちゃダメなのにな……」
また呟きながらも、トイレの付近にやってくる。
階段で見たフロアマップによると、各階にトイレは三つ。
僕がやってきたのは、階段前にある一番端のトイレだが……
(ボロい……)
「改装中」の張り紙。
使用はできるらしいが、古くて見窄らしいところが目立つ。扉も塗装が剥げているし……
(ハズレ引いちゃったなぁ~)
事実、休み時間なのに誰も来ていない。
準備室みたいな人気のない教室しか、近くに無いことも理由だろうけど。
「まあ、いいや」
どうせ今に改装される。
今日入ったばかりだけど、見納めがてら使ってやろうか。
そんな気持ちで扉を開ける。
「んっ……あン……あぁ……」
次の瞬間、耳に聞き慣れない音が飛び込む。いや、これは声だろうか?
足元に向けていた視線を上げる。
目に飛び込んできたのは、尻。
「……え……?」
入り口から数歩程度先。
捲れ上がったスカートから、こちらに向かって、色白の美しい丸みがのぞく。
時折、ピクッと動いていた。
割れ目の下の方、股の間を、丁寧に緩急をつけて右手の細い指が動く。
指には透明な液体が付き、艶やかに光っている。
「おぉ……あん……」
また聞こえる声。
スカートからセーラー服の背中に沿って目線を移動する。
茶髪のロングヘアー。
ワイヤレスのイヤホンをつけ、窓の方を向き、ガラスに左手をついている。
「うそ……」
それは間違いなく、女性。
あられもない姿で自慰に耽る、女生徒だった。
チャイムの余韻を背に受けながら、トボトボと廊下を歩き独り言を呟く。
入学式は何事もなく淡々と進んだ。
進学校の、それも初日なのだから、当然といえば当然。
他人と違うことと言えば、父母が来なかったことだろう。
仕事が忙しいというが、これについては中学の卒業式も同じだった。気にはしていない。
問題はそのあと。
各教室に分かれてのガイダンスだ。
指定された教室の席に着く。
僕は一番後の列、それも窓際。なかなか落ち着けそうな場所だと思ったが……
周りを見渡すと、いかにも勉強出来そうな人ばかり。
初日はそういうもの、とよく言われるが、この学校だけは間違いなく別格だ。
緊張を通り越して、吐き気すら感じてきた。
その上……
「はじめまして!私の名前は……越出渥愛。担当科目は体育。この特進Aクラスの担任として、これから一年、皆さんを……しっかり指導しますから、よろしくお願いします!」
担任の先生は、体育教師。
黒髪のショートヘアに眼鏡をかけ、キリッとした目つき。
厳しそうな人に見える。
これもまたキツい……
僕は体育が大の苦手。そのせいで、中学の頃他の人より厳しい指導を受け、少しばかりトラウマになっているのだ。
登校時の自分とは打って変わり、テンションはダダ下がり。
分かっていても、どうにもならない。
そこでガイダンスの合間の休み時間、一旦気持ちを落ち着けようと、こうして僕はトイレに向かっていた。
「どうしよう……初日からこんなこと考えちゃダメなのにな……」
また呟きながらも、トイレの付近にやってくる。
階段で見たフロアマップによると、各階にトイレは三つ。
僕がやってきたのは、階段前にある一番端のトイレだが……
(ボロい……)
「改装中」の張り紙。
使用はできるらしいが、古くて見窄らしいところが目立つ。扉も塗装が剥げているし……
(ハズレ引いちゃったなぁ~)
事実、休み時間なのに誰も来ていない。
準備室みたいな人気のない教室しか、近くに無いことも理由だろうけど。
「まあ、いいや」
どうせ今に改装される。
今日入ったばかりだけど、見納めがてら使ってやろうか。
そんな気持ちで扉を開ける。
「んっ……あン……あぁ……」
次の瞬間、耳に聞き慣れない音が飛び込む。いや、これは声だろうか?
足元に向けていた視線を上げる。
目に飛び込んできたのは、尻。
「……え……?」
入り口から数歩程度先。
捲れ上がったスカートから、こちらに向かって、色白の美しい丸みがのぞく。
時折、ピクッと動いていた。
割れ目の下の方、股の間を、丁寧に緩急をつけて右手の細い指が動く。
指には透明な液体が付き、艶やかに光っている。
「おぉ……あん……」
また聞こえる声。
スカートからセーラー服の背中に沿って目線を移動する。
茶髪のロングヘアー。
ワイヤレスのイヤホンをつけ、窓の方を向き、ガラスに左手をついている。
「うそ……」
それは間違いなく、女性。
あられもない姿で自慰に耽る、女生徒だった。
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