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第五章 多様変遷
第二十八話 先手必勝(一)
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不平等になるから古着には出せないと立珂へ伝えるととてもがっかりしていた。
けれどその後に提案したことには大喜びで、立珂はせかせかと準備を手伝ってくれた。
やることは古着の配布から変わりはない。ただ配る相手を変えた。
「おや! みんな制服ができたのかい!」
「そうなんだ! 立珂様が配給係りで使ってねってくれたんだよ!」
薄珂が考えたのは古着の提供だが、提供先は配給を担当する職員だ。
職員といってもほとんどが孤児難民出身の下働きで、配給の残りを持ち帰り家庭で食べて良しとなっている。これは食堂の残飯で作られているので廃棄費用が削減され、かつ孤児難民への生活給付金を食費分下げられる――というのが浩然の作った配給運営だった。
護栄がこれを良しとしたのは当然天藍の印象向上と、多大な予算削減が叶うからだ。浩然はこうした発案を認められ護栄の直属として働けることになったらしい。
ならばそこに乗っかってしまおうと、薄珂は古着を提供することにした。羽穴には別の布をかぶせてしまえば人間でも獣人でも着ることができる。
これはとてもうまくいった。元々宮廷規定服は立珂が手掛けたという前提があるので、立珂が宮廷へ服を提供すること自体が不自然ではない。何より配給という制度の延長でもあるので『使える物は貧富の差は関係なく使う』という出来事でもある。
特別扱いでありながら特別ではない、そのうえ宮廷は費用を負担しなくて良いので護栄の許可もすぐに出た。
「いいねえ。仕事にも張り合いが出るだろう」
「うん! 動きやすいし可愛いし!」
「いいなあ。私も欲しい」
「なら『りっかのおみせ』に行きなよ。同じ型のが売ってるんだって」
「でも商品とは違うんだろう?」
「それが凄いんだ。立珂様の服はどれも釦の種類と位置が同じなんだって。だから違う商品でも付け替えができるんだ」
「毎日どれを組み合わせようか考えられるのよ! 仕事始める前にみんなでお洒落を考えてるんだ。すごく楽しいの!」
「それでみんな形と色が違うんだね。可愛いよ、すごく」
これは立珂のこだわりで、最初から全商品その仕様になっている。だが意外とその事実は知られておらず、購入者から口伝えで広まる程度なのが惜しいところだ。
けれどこうして大勢が集まる場所で無邪気に広めてくれたら『りっかのおみせ』としても都合が良い。
「宣伝も兼ねるとはさすがだね」
「在庫一掃できて助かります」
立珂の服に売れ残りはほぼないが多少はある。
『りっかのおみせ』に来るのは若い女性が多い。しかし立珂は老若男女問わず様々な寸法を作るので、購入者母数自体が少ない層の服はどうしても売れ残る。欲しいと思う人数が生産量より少ないのだ。
けれど立珂は売れ残るのは欲しがる全員に行き渡ったということだから嬉しい、と喜んでいる。
そのため薄珂は多めに生産をするが、溜め込んでいくのにも限界がある。響玄が倉庫にして良いと空き物件を使わせてくれているが、在庫は無いにこしたことはない。
つまりこの配給に提供したのは立珂の古着と形状が似ている在庫も持ってきている。そうすることで『制服』という演出をしているのだ。
けれど立珂はそんな金勘定や裏事情は知らない。ただみんなが喜んでくれるのが嬉しくて、配給の場を見ているだけで幸せそうだった。
「薄珂薄珂。天藍と護栄様がごはんくばってる」
「皇太子と宰相が自らやらなくていいって言ってるんだけどね」
「さいしょー?」
「護栄様の役職名だよ。色々やってるからひっくるめてそう呼ぶことにしたんだ。護栄様が一般職員と同じ扱いって周りが委縮するからさ」
「それはそうですね」
薄珂は宮廷職員の役職名まで分かっていない。何やら色々あるようだが、それがどんな意味を持つかまで考えたことはなかった。
だが『反天藍派』『先代皇派』などという対立があると、明確な地位があるのは黙らせるに都合が良いように思える。
(どうして今までやらなかったんだろう。天藍を守る権力が強まるなら真っ先にやりそうなのに)
疑問に思うことはあれども、護栄なら何か意味があるのだろうと自然に思うようになってきた。
しかしこうした違和感はよく発生し、だが解決しない場合がほとんどだ。いちいち考えるのも大変なほどで、そんなことより目の前で立珂がうずうずしていることの方がずっと気にかかる。
「どうした立珂」
「僕もおてつだいしたい!」
「んー。けどこれは下働きの仕事だから邪魔しちゃ駄目なんだ」
「えー! 何かやりたい!」
「ん゛っ」
ぽこぽこと怒る立珂の愛らしさに、薄珂は口を押えて震えた。
立珂の我がままは何よりも嬉しいことだ。歩けなかった十六年の間で立珂は我慢が当然になっていて、薄珂を困らせると思ってか我がままをろくに言ってくれなかった。
それが成長期になり内面も幼くなったのか、こうしてあれやりたいこれやりたいと色々な願いを教えてくれる。
こうなれば何が何でもやらせてやるのが薄珂だ。じっと配給会場内を見渡した。
(現状下働きはやってないけど、やらなきゃいけないことがいいな。立珂がやるなら自分も、って動き出す人も増えるだろうし、そうなれば下働きの仕事を増やせるし経済も回る)
護栄の最大の目的は天藍の印象向上だが、実際問題お金をばらまけるものではない。
何もしない者ばかり優遇しては真面目に働く国民が損をする。しかし仕事をさせれば正当な給料となり、その額が増えれば孤児難民が街でお金を使ってくれる。そうすれば店も繁盛し国は栄えるだろう。
その一旦を担うと宣言するにはとても小さいことだが、立珂がやり始めるという波紋はどんどん広がるだろう。
そこで薄珂が目を付けたのは会場内の様子だった。下働きの仕事は配ることだ。だが配り終わった後は仕事になっていない。
「そうだ! 浩然様。ごみ拾いやってもいい?」
「ごみ?」
「そう。立珂がごみ袋を持って歩く。立珂はみんなとお洒落についておしゃべりする」
「おしゃべり! したい!」
「立珂がごみ袋持ってれば自然と寄って来て清掃も完了すると。清掃員の人件費も削減できて良いよ。ぜひお願いしようかな」
「わーい! でもごみぶくろお洒落じゃないから薄珂のお買い物台車つかいたい」
「あ、それいいな。台車も売れる」
「よくやるね君は。いいよ。好きにやって」
「やったー! 僕つかうことないからつかいたかったの!」
台車のような生活補助道具は薄珂が作った『はっかのおみせ』の商品だ。衣類専門の『りっかのおみせ』では陳列できないし、そもそも対象客が有翼人本人ではないので姉妹店として設けた店だ。
店から台車を取ってくると、立珂はうきうきで押して歩いた。
立珂はこの台車を使うことはない。買い物する時はいつも薄珂が抱っこしているからだ。
風にあおられれば転んでしまうし、重い荷物を持てば重心がくずれて転んでしまう。そんな危険なことをさせたくないので抱っこをするわけだが、そうなると立珂自身が台車を押すことはない。
今の立珂には台車すら大きいが、薄珂も一緒に押してやればうんしょうんしょと頑張りながら押すことはできた。
一生懸命頑張る立珂の姿にいつしか人が集まり皆も自発的にごみ拾いを始めていた。
ついでに台車が種族問わず便利であることも知れ渡り、その日のうちに台車は完売した。
けれどその後に提案したことには大喜びで、立珂はせかせかと準備を手伝ってくれた。
やることは古着の配布から変わりはない。ただ配る相手を変えた。
「おや! みんな制服ができたのかい!」
「そうなんだ! 立珂様が配給係りで使ってねってくれたんだよ!」
薄珂が考えたのは古着の提供だが、提供先は配給を担当する職員だ。
職員といってもほとんどが孤児難民出身の下働きで、配給の残りを持ち帰り家庭で食べて良しとなっている。これは食堂の残飯で作られているので廃棄費用が削減され、かつ孤児難民への生活給付金を食費分下げられる――というのが浩然の作った配給運営だった。
護栄がこれを良しとしたのは当然天藍の印象向上と、多大な予算削減が叶うからだ。浩然はこうした発案を認められ護栄の直属として働けることになったらしい。
ならばそこに乗っかってしまおうと、薄珂は古着を提供することにした。羽穴には別の布をかぶせてしまえば人間でも獣人でも着ることができる。
これはとてもうまくいった。元々宮廷規定服は立珂が手掛けたという前提があるので、立珂が宮廷へ服を提供すること自体が不自然ではない。何より配給という制度の延長でもあるので『使える物は貧富の差は関係なく使う』という出来事でもある。
特別扱いでありながら特別ではない、そのうえ宮廷は費用を負担しなくて良いので護栄の許可もすぐに出た。
「いいねえ。仕事にも張り合いが出るだろう」
「うん! 動きやすいし可愛いし!」
「いいなあ。私も欲しい」
「なら『りっかのおみせ』に行きなよ。同じ型のが売ってるんだって」
「でも商品とは違うんだろう?」
「それが凄いんだ。立珂様の服はどれも釦の種類と位置が同じなんだって。だから違う商品でも付け替えができるんだ」
「毎日どれを組み合わせようか考えられるのよ! 仕事始める前にみんなでお洒落を考えてるんだ。すごく楽しいの!」
「それでみんな形と色が違うんだね。可愛いよ、すごく」
これは立珂のこだわりで、最初から全商品その仕様になっている。だが意外とその事実は知られておらず、購入者から口伝えで広まる程度なのが惜しいところだ。
けれどこうして大勢が集まる場所で無邪気に広めてくれたら『りっかのおみせ』としても都合が良い。
「宣伝も兼ねるとはさすがだね」
「在庫一掃できて助かります」
立珂の服に売れ残りはほぼないが多少はある。
『りっかのおみせ』に来るのは若い女性が多い。しかし立珂は老若男女問わず様々な寸法を作るので、購入者母数自体が少ない層の服はどうしても売れ残る。欲しいと思う人数が生産量より少ないのだ。
けれど立珂は売れ残るのは欲しがる全員に行き渡ったということだから嬉しい、と喜んでいる。
そのため薄珂は多めに生産をするが、溜め込んでいくのにも限界がある。響玄が倉庫にして良いと空き物件を使わせてくれているが、在庫は無いにこしたことはない。
つまりこの配給に提供したのは立珂の古着と形状が似ている在庫も持ってきている。そうすることで『制服』という演出をしているのだ。
けれど立珂はそんな金勘定や裏事情は知らない。ただみんなが喜んでくれるのが嬉しくて、配給の場を見ているだけで幸せそうだった。
「薄珂薄珂。天藍と護栄様がごはんくばってる」
「皇太子と宰相が自らやらなくていいって言ってるんだけどね」
「さいしょー?」
「護栄様の役職名だよ。色々やってるからひっくるめてそう呼ぶことにしたんだ。護栄様が一般職員と同じ扱いって周りが委縮するからさ」
「それはそうですね」
薄珂は宮廷職員の役職名まで分かっていない。何やら色々あるようだが、それがどんな意味を持つかまで考えたことはなかった。
だが『反天藍派』『先代皇派』などという対立があると、明確な地位があるのは黙らせるに都合が良いように思える。
(どうして今までやらなかったんだろう。天藍を守る権力が強まるなら真っ先にやりそうなのに)
疑問に思うことはあれども、護栄なら何か意味があるのだろうと自然に思うようになってきた。
しかしこうした違和感はよく発生し、だが解決しない場合がほとんどだ。いちいち考えるのも大変なほどで、そんなことより目の前で立珂がうずうずしていることの方がずっと気にかかる。
「どうした立珂」
「僕もおてつだいしたい!」
「んー。けどこれは下働きの仕事だから邪魔しちゃ駄目なんだ」
「えー! 何かやりたい!」
「ん゛っ」
ぽこぽこと怒る立珂の愛らしさに、薄珂は口を押えて震えた。
立珂の我がままは何よりも嬉しいことだ。歩けなかった十六年の間で立珂は我慢が当然になっていて、薄珂を困らせると思ってか我がままをろくに言ってくれなかった。
それが成長期になり内面も幼くなったのか、こうしてあれやりたいこれやりたいと色々な願いを教えてくれる。
こうなれば何が何でもやらせてやるのが薄珂だ。じっと配給会場内を見渡した。
(現状下働きはやってないけど、やらなきゃいけないことがいいな。立珂がやるなら自分も、って動き出す人も増えるだろうし、そうなれば下働きの仕事を増やせるし経済も回る)
護栄の最大の目的は天藍の印象向上だが、実際問題お金をばらまけるものではない。
何もしない者ばかり優遇しては真面目に働く国民が損をする。しかし仕事をさせれば正当な給料となり、その額が増えれば孤児難民が街でお金を使ってくれる。そうすれば店も繁盛し国は栄えるだろう。
その一旦を担うと宣言するにはとても小さいことだが、立珂がやり始めるという波紋はどんどん広がるだろう。
そこで薄珂が目を付けたのは会場内の様子だった。下働きの仕事は配ることだ。だが配り終わった後は仕事になっていない。
「そうだ! 浩然様。ごみ拾いやってもいい?」
「ごみ?」
「そう。立珂がごみ袋を持って歩く。立珂はみんなとお洒落についておしゃべりする」
「おしゃべり! したい!」
「立珂がごみ袋持ってれば自然と寄って来て清掃も完了すると。清掃員の人件費も削減できて良いよ。ぜひお願いしようかな」
「わーい! でもごみぶくろお洒落じゃないから薄珂のお買い物台車つかいたい」
「あ、それいいな。台車も売れる」
「よくやるね君は。いいよ。好きにやって」
「やったー! 僕つかうことないからつかいたかったの!」
台車のような生活補助道具は薄珂が作った『はっかのおみせ』の商品だ。衣類専門の『りっかのおみせ』では陳列できないし、そもそも対象客が有翼人本人ではないので姉妹店として設けた店だ。
店から台車を取ってくると、立珂はうきうきで押して歩いた。
立珂はこの台車を使うことはない。買い物する時はいつも薄珂が抱っこしているからだ。
風にあおられれば転んでしまうし、重い荷物を持てば重心がくずれて転んでしまう。そんな危険なことをさせたくないので抱っこをするわけだが、そうなると立珂自身が台車を押すことはない。
今の立珂には台車すら大きいが、薄珂も一緒に押してやればうんしょうんしょと頑張りながら押すことはできた。
一生懸命頑張る立珂の姿にいつしか人が集まり皆も自発的にごみ拾いを始めていた。
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