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第四章 翼衣專店
第二十五話 有翼人と共に生きるということ(四)
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「食べ物不安ね。人間と同じ肥料を使ってるのは駄目よね、きっと」
「お肉やお魚はどうなんでしょう。どこまでを『天然』に含んで良いか不安ですわね」
「食べ物が天然物ってことは服もかしら」
「天然素材じゃないと肌かぶれるとか? ありそうね。おむつは大丈夫なのかしら」
「それよりお買い物どうしてるのかしら。蛍宮って露店と隊商が多いから外でお買い物でしょう? 抱っこしっぱなし?」
「そうよねえ。あら、お財布出せないじゃない」
「じゃあ大きな商店に入るしかないわよねえ」
「けど帰りも抱っこでしょう? なら買っても持てないんじゃない? さすがに腰の鞄じゃ無理よ」
「薄珂様。どうなんでしょう、そのあたりは」
「え」
怒涛のごとくあげられた懸念点に薄珂は頭が追い付かず、慌てて自分達が子供の頃から蛍宮の生活までを思い返す。
「……どうだろう。考えた事なかった」
「気になりますわね。心配だわ」
「有翼人は専門店が無いですし、赤ちゃん用の物なんてないんじゃないかしら」
そこまで考えたことのなかった薄珂は思わずため息を吐いた。
薄珂は幼いころから立珂を抱っこしている。抱っこが腕力的にも気持ち的にも苦だと思ったことは無い。
けれど侍女にはよく力持ちだなどと言われることも多かった。抱っこが大変なことなら日常生活はかなり行動制限をされて大変だ。
(もしかして有翼人が外に出ないのって迫害が怖いからじゃなくて荷物持てないせいか?)
もしそうであるのなら、人種差別の意識が改善されても有翼人の生活苦はなくならないということになる。
思いのほか薄珂の中で波紋が広がったが、突如ころりと立珂が膝の上に転がってきた。
「お肉やお魚はどうなんでしょう。どこまでを『天然』に含んで良いか不安ですわね」
「食べ物が天然物ってことは服もかしら」
「天然素材じゃないと肌かぶれるとか? ありそうね。おむつは大丈夫なのかしら」
「それよりお買い物どうしてるのかしら。蛍宮って露店と隊商が多いから外でお買い物でしょう? 抱っこしっぱなし?」
「そうよねえ。あら、お財布出せないじゃない」
「じゃあ大きな商店に入るしかないわよねえ」
「けど帰りも抱っこでしょう? なら買っても持てないんじゃない? さすがに腰の鞄じゃ無理よ」
「薄珂様。どうなんでしょう、そのあたりは」
「え」
怒涛のごとくあげられた懸念点に薄珂は頭が追い付かず、慌てて自分達が子供の頃から蛍宮の生活までを思い返す。
「……どうだろう。考えた事なかった」
「気になりますわね。心配だわ」
「有翼人は専門店が無いですし、赤ちゃん用の物なんてないんじゃないかしら」
そこまで考えたことのなかった薄珂は思わずため息を吐いた。
薄珂は幼いころから立珂を抱っこしている。抱っこが腕力的にも気持ち的にも苦だと思ったことは無い。
けれど侍女にはよく力持ちだなどと言われることも多かった。抱っこが大変なことなら日常生活はかなり行動制限をされて大変だ。
(もしかして有翼人が外に出ないのって迫害が怖いからじゃなくて荷物持てないせいか?)
もしそうであるのなら、人種差別の意識が改善されても有翼人の生活苦はなくならないということになる。
思いのほか薄珂の中で波紋が広がったが、突如ころりと立珂が膝の上に転がってきた。
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