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第四章 翼衣專店
第二十一話 『りっかのおみせ』制服登場【前編】
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「すてき――――――――――――――――――――!!」
「落ち着け立珂」
ついに完成した制服を薄珂と立珂、美星、美月が身にまとった。
途端に立珂はきゃあと叫んで店内を走り回る。追いかけ捕まえるのも大変なはしゃぎようだ。
「上は揃いですが、女性の下は二種類。最近流行の朝顔形と細身のものです」
「私は朝顔形が華やかで好きよ! 動きやすいし可愛いし!」
「私は細身のほうが落ち着きます。侍女の制服にも似ていますし」
「でもちゃんとお揃いに見えるね!」
「生地を揃えれば統一感は失われません。部品ごとに何色か用意すれば、立珂様の理念『組み合わせ自由なお洒落』も伝わります」
全体は地模様のある白無地だが、袖先と襟元にはぐるりと華やかな柄の装飾が施されている。
これが各自で色が異なり、立珂はお気に入りの向日葵で薄珂は蘇芳。美星はやわらかな桃色で侍女の制服と印象は変わらない。
そして美月は瑠璃色。腰に付けている黄色い石の飾りは夜空に浮かぶ月のようだった。
全員が揃いの、けれど個性をもたせた制服だ。立珂は大きな目をさらに大きくして全員を見比べ、ぷるぷると震えたかと思えば両手を振り上げびょんっと飛んで叫んだ。
「りっかのおみせ――――――――――!!!」
「わっ」
「みんなで歩こう! 自慢したい!」
「あ! こら! 立珂!」
立珂は薄珂の声も聞こえていないようで、きゃあと叫んで店から飛び出した。
一目散に街へ向かっているが、走りながらも「りっかのおみせの制服だよ」と叫び続けている。
「立珂! 落ち着け!」
「いいえ! このまま行きましょう!」
「え?」
「新しい制服に立珂の笑顔。広告しない手はないわ!」
「けど叫び回るのは印象悪いよ」
立珂は誰かれ構わず声を掛け制服を自慢して回っている。
持ち前の愛らしさで可愛がられているが、うるさく思う人もいるだろう。
けれど美月はにっと笑って薄珂の方をぽんっと叩いた。
「見てなさい。月は昼でも美しいのよ」
「落ち着け立珂」
ついに完成した制服を薄珂と立珂、美星、美月が身にまとった。
途端に立珂はきゃあと叫んで店内を走り回る。追いかけ捕まえるのも大変なはしゃぎようだ。
「上は揃いですが、女性の下は二種類。最近流行の朝顔形と細身のものです」
「私は朝顔形が華やかで好きよ! 動きやすいし可愛いし!」
「私は細身のほうが落ち着きます。侍女の制服にも似ていますし」
「でもちゃんとお揃いに見えるね!」
「生地を揃えれば統一感は失われません。部品ごとに何色か用意すれば、立珂様の理念『組み合わせ自由なお洒落』も伝わります」
全体は地模様のある白無地だが、袖先と襟元にはぐるりと華やかな柄の装飾が施されている。
これが各自で色が異なり、立珂はお気に入りの向日葵で薄珂は蘇芳。美星はやわらかな桃色で侍女の制服と印象は変わらない。
そして美月は瑠璃色。腰に付けている黄色い石の飾りは夜空に浮かぶ月のようだった。
全員が揃いの、けれど個性をもたせた制服だ。立珂は大きな目をさらに大きくして全員を見比べ、ぷるぷると震えたかと思えば両手を振り上げびょんっと飛んで叫んだ。
「りっかのおみせ――――――――――!!!」
「わっ」
「みんなで歩こう! 自慢したい!」
「あ! こら! 立珂!」
立珂は薄珂の声も聞こえていないようで、きゃあと叫んで店から飛び出した。
一目散に街へ向かっているが、走りながらも「りっかのおみせの制服だよ」と叫び続けている。
「立珂! 落ち着け!」
「いいえ! このまま行きましょう!」
「え?」
「新しい制服に立珂の笑顔。広告しない手はないわ!」
「けど叫び回るのは印象悪いよ」
立珂は誰かれ構わず声を掛け制服を自慢して回っている。
持ち前の愛らしさで可愛がられているが、うるさく思う人もいるだろう。
けれど美月はにっと笑って薄珂の方をぽんっと叩いた。
「見てなさい。月は昼でも美しいのよ」
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