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第四章 翼衣專店
第十話 『天一有翼人店』に集う仲間たち【後編】
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そして翌日、営業二日目。
今日も紅蘭が様子見に来てくれていて、美星も店員として参加してくれている。
美星は相変わらず紅蘭を睨んでいるが紅蘭はけらけらと笑っている。
いっそ立珂の緊張もほぐれて良いかもなと苦笑いをしていると、とんとんっと肩を叩かれた。
振り返ると、そこにいたのは瑠璃宮を運営する職員だ。
「薄珂さん。少し早めに開けてもらえますか? 凄い行列になってしまってて」
「行列?」
職員が窓の外へ視線をやると、そこにはずらりと長蛇の列が出来ていた。
とても片手で数えられる人数ではなくて、数えている間にもどんどん列は伸びていく。
ちらりと除いた立珂も驚き飛び上がった。
「ひょっ!?」
「これ全部うちの!?」
「ええ。先頭は昨日の夜から並んでるんですよ」
「夜!?」
「僕が腸詰食べてる時から!?」
「入場整理できますか? やったことないですよね」
「いえ、今日は経験者が助っ人に来てるので大丈夫です」
「え?」
薄珂はにこりと微笑み『天一有翼人店』の店員控室へ目をやると、そこから数名の男女が姿を現した。
そこに見えるのは容姿端麗に眉目秀麗、見目麗しい男女の姿。
それは――
「迦陵頻伽!?」
先頭に立っているのは蓮花。
身にまとっているのは劇団の衣装ではなく『天一有翼人店』で販売している目玉商品だ。
「列整理ならお任せを。うちの団員は慣れてますので」
「え、ええと、迦陵頻伽のみなさんが店員、なんですか?」
「しばらくの助っ人です。蓮花さん、来てくれて有難う」
「当然だよ。迦陵頻伽は立珂の広告塔だからね」
蓮花に続く団員も皆、立珂が作った服を着ている。
その人数は役者と裏方含め、総勢十二名。
「始めるわよ! 役者は接客! 裏方は列整理と品出し!」
「はい!」
蓮花の合図で団員は一斉に配置へ着いた。
店付近での列整理と瑠璃宮の外での列整理、列がどこになるかの札を持ち案内に走っていく。
もたつくことも迷うこともなく、薄珂は何もしないうちにどんどん整理されていく。
(さすが慣れてる人は違うな)
何かあれば瑠璃宮の職員も手を貸してくれると紅蘭は言っていたが、正直を言えばあまり当てにはできないと思っていた。
かつて薄珂と立珂は宮廷で騒ぎを起こした。来賓としてくつろいでいることに反発もあったという。
瑠璃宮も宮廷に関与する施設である以上、薄珂と立珂を受け入れていない可能性もある。そうなると店の評判を落とすような行為をされかねない。どうしても立珂に好意的な助っ人が欲しかったのだ。
そして、入店開始時間になると客数はすさまじいものだった。
立珂は必死に客の観察しようとしていたが、あまりの多さに目を回している。しかしそうはしていられないと奮起した立珂は、一体いつ用意したのか、小さな帳面に何かを書き始めた。
薄珂の知らないところで何かをするほどの成長は嬉しくもあり寂しくもある。
抱き上げたい気持ちを抑え込み、ようやく午前中を終え昼食を食べようとした頃に問題は発生した。
今日も紅蘭が様子見に来てくれていて、美星も店員として参加してくれている。
美星は相変わらず紅蘭を睨んでいるが紅蘭はけらけらと笑っている。
いっそ立珂の緊張もほぐれて良いかもなと苦笑いをしていると、とんとんっと肩を叩かれた。
振り返ると、そこにいたのは瑠璃宮を運営する職員だ。
「薄珂さん。少し早めに開けてもらえますか? 凄い行列になってしまってて」
「行列?」
職員が窓の外へ視線をやると、そこにはずらりと長蛇の列が出来ていた。
とても片手で数えられる人数ではなくて、数えている間にもどんどん列は伸びていく。
ちらりと除いた立珂も驚き飛び上がった。
「ひょっ!?」
「これ全部うちの!?」
「ええ。先頭は昨日の夜から並んでるんですよ」
「夜!?」
「僕が腸詰食べてる時から!?」
「入場整理できますか? やったことないですよね」
「いえ、今日は経験者が助っ人に来てるので大丈夫です」
「え?」
薄珂はにこりと微笑み『天一有翼人店』の店員控室へ目をやると、そこから数名の男女が姿を現した。
そこに見えるのは容姿端麗に眉目秀麗、見目麗しい男女の姿。
それは――
「迦陵頻伽!?」
先頭に立っているのは蓮花。
身にまとっているのは劇団の衣装ではなく『天一有翼人店』で販売している目玉商品だ。
「列整理ならお任せを。うちの団員は慣れてますので」
「え、ええと、迦陵頻伽のみなさんが店員、なんですか?」
「しばらくの助っ人です。蓮花さん、来てくれて有難う」
「当然だよ。迦陵頻伽は立珂の広告塔だからね」
蓮花に続く団員も皆、立珂が作った服を着ている。
その人数は役者と裏方含め、総勢十二名。
「始めるわよ! 役者は接客! 裏方は列整理と品出し!」
「はい!」
蓮花の合図で団員は一斉に配置へ着いた。
店付近での列整理と瑠璃宮の外での列整理、列がどこになるかの札を持ち案内に走っていく。
もたつくことも迷うこともなく、薄珂は何もしないうちにどんどん整理されていく。
(さすが慣れてる人は違うな)
何かあれば瑠璃宮の職員も手を貸してくれると紅蘭は言っていたが、正直を言えばあまり当てにはできないと思っていた。
かつて薄珂と立珂は宮廷で騒ぎを起こした。来賓としてくつろいでいることに反発もあったという。
瑠璃宮も宮廷に関与する施設である以上、薄珂と立珂を受け入れていない可能性もある。そうなると店の評判を落とすような行為をされかねない。どうしても立珂に好意的な助っ人が欲しかったのだ。
そして、入店開始時間になると客数はすさまじいものだった。
立珂は必死に客の観察しようとしていたが、あまりの多さに目を回している。しかしそうはしていられないと奮起した立珂は、一体いつ用意したのか、小さな帳面に何かを書き始めた。
薄珂の知らないところで何かをするほどの成長は嬉しくもあり寂しくもある。
抱き上げたい気持ちを抑え込み、ようやく午前中を終え昼食を食べようとした頃に問題は発生した。
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