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第四章 翼衣專店
第八話 立珂の新店舗『天一有翼人店』開店【中編】
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「全然違うおみせみたいだね」
「けど立珂のお店だ。立珂のお洒落が詰まった店」
利便性と低価格の『りっかのおみせ』と、お洒落で高価格の『天一』という店。
一見すれば真逆の商品だがどちらも立珂の理念だ。この店から始まる新たな未来に期待をしているのだろう。
それを叶えてやれるのか、薄珂の胸に不安が広がっていく。
しかしその時、どんっと紅蘭に背を叩かれ耳元でささやかれた。
「暗い顔すんじゃないよ。言ったろ。自分の選択を信じろ」
「……うん」
今日を迎えるにあたり、紅蘭とはいくつかの話をした。
それは初対面の後のことだ。天藍の提案で瑠璃宮を見に行くことになったのだ。
外観だけでも美しいが、中に入って飛び込んできた装飾に立珂はぴょんと飛び上がった。
一面黄色で、立珂の大好きな色だ。
「すてき~!!」
「そうだろうそうだろう。お前は見る目がある」
「全部色を合わせてるんだね! 冬になったら色変えたいな。青か、それとも白に銀糸かな。雪に合うよね」
「おお! そうだよ! 季節ごとに内装を変えるんだ!」
「生地もいろんなの使ってるんだね。冬は重たい、ぬくぬくした見た目の起毛生地が良い」
「いいじゃないか。そうだよ。お洒落は服だけじゃないのさ。ここはそういう場所」
「うんうん。とっても素敵!」
立珂がきゃあきゃあとはしゃぐと、嬉しそうに紅蘭は内装の説明をし始めた。
嬉しそうな立珂の姿に幸せを感じるが、薄珂は別の意味で内装が気になった。
内装や装飾に用いられてる生地にはいくつか見覚えのあるものがあるのだ。
「いつもくれる廃材ってここの?」
「そうですよ。何せこの広さなので廃棄にお金がかかるんです」
「季節ごとに変える必要ある? お金無駄な気がするよ」
「そうなんですよ。けど」
「だめだよ! お洒落にむだなんてないの!」
「そうだそうだ! そんなだから宮廷の福利厚生がいまいちなんだぞ護栄!」
「……ということで」
「なるほど」
薄珂は立珂がお洒落を楽しむことに幸せを感じるが、お洒落自体は未だによく分からない。
自分が着飾るよりも立珂が着飾り笑顔を見せてくれることが大事なのだ。
そういうものかな、と薄珂は首を傾げて内装を見渡すが、紅蘭がこんっと小突いてきた。
「けど立珂のお店だ。立珂のお洒落が詰まった店」
利便性と低価格の『りっかのおみせ』と、お洒落で高価格の『天一』という店。
一見すれば真逆の商品だがどちらも立珂の理念だ。この店から始まる新たな未来に期待をしているのだろう。
それを叶えてやれるのか、薄珂の胸に不安が広がっていく。
しかしその時、どんっと紅蘭に背を叩かれ耳元でささやかれた。
「暗い顔すんじゃないよ。言ったろ。自分の選択を信じろ」
「……うん」
今日を迎えるにあたり、紅蘭とはいくつかの話をした。
それは初対面の後のことだ。天藍の提案で瑠璃宮を見に行くことになったのだ。
外観だけでも美しいが、中に入って飛び込んできた装飾に立珂はぴょんと飛び上がった。
一面黄色で、立珂の大好きな色だ。
「すてき~!!」
「そうだろうそうだろう。お前は見る目がある」
「全部色を合わせてるんだね! 冬になったら色変えたいな。青か、それとも白に銀糸かな。雪に合うよね」
「おお! そうだよ! 季節ごとに内装を変えるんだ!」
「生地もいろんなの使ってるんだね。冬は重たい、ぬくぬくした見た目の起毛生地が良い」
「いいじゃないか。そうだよ。お洒落は服だけじゃないのさ。ここはそういう場所」
「うんうん。とっても素敵!」
立珂がきゃあきゃあとはしゃぐと、嬉しそうに紅蘭は内装の説明をし始めた。
嬉しそうな立珂の姿に幸せを感じるが、薄珂は別の意味で内装が気になった。
内装や装飾に用いられてる生地にはいくつか見覚えのあるものがあるのだ。
「いつもくれる廃材ってここの?」
「そうですよ。何せこの広さなので廃棄にお金がかかるんです」
「季節ごとに変える必要ある? お金無駄な気がするよ」
「そうなんですよ。けど」
「だめだよ! お洒落にむだなんてないの!」
「そうだそうだ! そんなだから宮廷の福利厚生がいまいちなんだぞ護栄!」
「……ということで」
「なるほど」
薄珂は立珂がお洒落を楽しむことに幸せを感じるが、お洒落自体は未だによく分からない。
自分が着飾るよりも立珂が着飾り笑顔を見せてくれることが大事なのだ。
そういうものかな、と薄珂は首を傾げて内装を見渡すが、紅蘭がこんっと小突いてきた。
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