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第二章 蛍宮宮廷
第十九話 翻弄される皇子【後編】
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まさか護栄手ずから茶を淹れてくれると誰が予想しただろうか。
護栄は無駄なことは一つもしない。茶を淹れるのなら侍女を呼ぶだろう。その護栄が自ら茶を淹れる意味とは何なのだろうか。
(まさか毒!? やはり愛憐の無礼は許さないと――いや、護栄殿が単身物理攻撃をするわけがない。だが他に何の意味が……)
だらだらと冷や汗を流していると、くすっと護栄が笑みをこぼした。
「有翼人が好んで飲むんです。無料配布を始めたのですがとても好評です」
「そういうことでしたか。なるほど」
「毒など入ってないのでご安心ください」
「そんなことは思っておりませんよ」
「冗談です」
毒が入っていない証拠とばかりに護栄はごくりと飲み、麗亜も恐る恐る口を付けた。
本当にただのお茶で、安心したような納得がいかないような何ともいえない気持ちになった。
「では本題に入りましょうか。輸出入契約終了の手続きについてですが」
「護栄殿! 今一度、どうか機会をお与え下さい! 何卒……!」
「落ち着いてください。手続きの前にひとつ訂正があります。立珂殿の怪我は愛憐姫がしたことですが精神的に追い詰めたのは姫ではございません」
「ご配慮は無用です。皇女であっても罪は罪」
「いいえ、本当です。何しろ立珂殿を病ませたのは私なのですから」
「は?」
かちゃん、と護栄は音を立てて茶碗を置いた。加密列茶がゆらゆらと揺れている。
「私はあの二人を宮廷に置くのは反対だったのです。礼儀も知らず殿下に良くない噂も立つような子です」
「……護栄殿らしからぬご判断だなとは思いました」
「天藍様が決めたなら仕方ありません。ならせめて礼儀作法を学べと強要し、そのせいで立珂殿はお心を病んだのです。これと同時に愛憐姫と口論になり事件へと発展した。非の半分は私にあるのです」
「だとしても非の半分は愛憐です。追い詰めたことに変わりはない」
「そうですね。ですがあの二人も殿下ももういいと言ったのです。ならば愛憐姫の罪は手打ちです」
「有難うございます。愛憐にはこのご温情を忘れず、慎ましく過ごすよう躾てまいります」
薄珂は『立珂がいいならそれでいい』と言い、天藍は『薄珂がいいなら俺ももういい』と言った。
ならば愛憐は帰国した時点で本当に許されていたということだ。ならば輸出入契約を継続してもらえない理由はそれではないということになる。立珂への傷害とは異なる罪が愛憐にはあるのだ。
「立珂殿については手打ちですが御璽を犯したことと殿下への侮辱は別問題です」
「……承知しております」
「しかし我らも明恭と争いたくはない。立珂殿が許すのならこれも手打ちにしようかと思っておりました」
「お許し下さるのですか!?」
「殿下は良いと。ですが、運悪く愛憐姫の件が立珂殿の治療をした診療所から国民へ広まったのです。特に有翼人からは非難の嵐。明恭へ輸出するなら羽根は提供しないという声が出ています」
「それは……!」
輸出入が出来ても商品が入ってこないということだ。これでは契約を取り付けたとしても何の意味もない。
むしろ頭を下げただけ分が悪くなっただけだ。
「輸出には国民の赦しが必要です」
「……しかし私が何を言っても言い訳でしかないでしょう」
「そうでしょう。なので殿下から『明恭は反省し誠意を尽くしてくれる』と発表して頂こうと思っています」
「そこまでのご温情を? ですが誠意とは何をすれば……」
「視察の目的である有翼人の生活向上です。それを国民の目に見える形で行えば国民も納得するでしょう」
「目に見える形、ですか。それは何をしたらよろしいでしょう」
「物資支援です。実は獣人保護区に手がかかっていて、有翼人特有の物資手配まで手が回らないのです」
「そうでしたか。ですが有翼人特有というのはどのような物でしょう」
「そこは蛍宮も研究中でご提案ができないのです。なので既に確立し、変更の無いところをご助力いただければと。そうすれば私共も有翼人の生活改善へ予算を回せます」
「なるほど、それは良い。それなら私もすぐ動けます。何をすればよろしいか」
「有難うございます。では輸出入利益率の増額をお願いします」
「利益率?」
「はい。そうすれば獣人保護区の予算削減ができ、有翼人保護区建設予算を増額し早期完成が叶います。それも全て明恭のおかげとなれば、有翼人のみならず蛍宮の国民全てが明恭へ感謝するでしょう。如何です?」
「利益率……」
それは、幾度となく護栄に押し切られ苦汁をなめさせられたことだった。
明恭と蛍宮が行うのは物々交換ではなく金銭による売買だ。商品には値段があり、これに販売管理費の補填になる額を上乗せする。
だが都度都度取り決めをしていてはきりがないので、明恭と蛍宮の間では「この種類の商品は一律四割」のようにざっくりと括っている。
これは適切ではない商品もあるので護栄からは細かな見直しを要求されていた。しかしそれはかなりの手間であるうえ明恭が損をする可能性もある。
何しろ護栄相手に本文ではない商売をするなど麗亜は勝機が無く、てこ入れなどしたくなかった。だから先延ばしにしてきたが、護栄はそれをしろと言ってきたのだ。
(やられた! 狙いは最初からそれか!)
麗亜はずっと不思議だった。なぜ子供だましの揚げ足取りで罪状を作ったくせに帰国させたのか。
帰国などさせずに、麗亜を呼び寄せ輸出入打ち切りと決着をつけてから帰国を許すならまだ分かる。いっそ公吠を呼び頭を下げさせれば確実に優位に立てる。
それが罪を作って即帰国など、落とし穴を掘って即座に埋めたようなものだ。
だが護栄が何も落とさない落とし穴を掘るわけがない。何かを落としたいはずなのだ。
(落としたのは愛憐ではなく国民か。愛憐を餌に反明恭へ扇動した。だがなぜ国民が愛憐のことを知っているんだ)
護栄の語ったことを頭の中で反芻した。そして一つの言葉を思い出す。
護栄は『運悪く愛憐姫の件が立珂殿の治療をした診療所から国民へ広まった』と言った。
運は悪いが、偶然広まるような内容じゃない。それも既に有翼人国民に広まっているなんて、事件当時から何かしら手筈を整えていなければ数日で広まるわけがない。
(誰かに噂を流させたのか。噂による人心操作は護栄殿の十八番。それも自然に当然のように)
くすり、と護栄は笑った。確実に何か仕掛けがあったのだろう。
そして依織を含め明恭の視察団は誰もそれに気付けなかった些細な何かが。
(護栄殿は立珂殿の手当を指示しただけと依織は言っていた。指示で動いたのは慶真殿とその家族。依織は慶真殿の息子が獣化したのを見てるから医師に知らせたのはその子で――……そうか!)
麗亜は目を見開き護栄を睨んだ。相変わらず護栄は穏やかにほほ笑んでいる。
慶都という子供は愛憐の悪評を流すには最高の人選だ。それは立珂との友情が厚いからではない。国民が信頼している慶真の息子だからだ。
(おそらく愛憐に怪我をさせられたと言えと伝達内容も指示しただろう。これなら慶真の威光を掲げて同情と共に悪評は確実に広まる)
護栄はやはり微笑んでいた。いくら睨まれても怖くないと見下されているような気分になる。
「あなたはいつも座して勝利する」
「あなたは余計なことを考えすぎです。それで、どうします?」
どうもこうもない。最初からこちらに選択肢などありはしないのだ。
「ご温情有難く頂戴いたします。利益率の見直しは改めて打ち合わせをお願い致します」
「もちろんです。じっくりと話し合いましょう。では立珂殿を呼んで参りますので少々お待ちを」
護栄はにっこりと微笑み部屋から出て行った。
そしてしばらく室内は静まり返り、依織が思い出したようにぽつりと零した。
「……姫様の首、繋がってよかったですね」
護栄は無駄なことは一つもしない。茶を淹れるのなら侍女を呼ぶだろう。その護栄が自ら茶を淹れる意味とは何なのだろうか。
(まさか毒!? やはり愛憐の無礼は許さないと――いや、護栄殿が単身物理攻撃をするわけがない。だが他に何の意味が……)
だらだらと冷や汗を流していると、くすっと護栄が笑みをこぼした。
「有翼人が好んで飲むんです。無料配布を始めたのですがとても好評です」
「そういうことでしたか。なるほど」
「毒など入ってないのでご安心ください」
「そんなことは思っておりませんよ」
「冗談です」
毒が入っていない証拠とばかりに護栄はごくりと飲み、麗亜も恐る恐る口を付けた。
本当にただのお茶で、安心したような納得がいかないような何ともいえない気持ちになった。
「では本題に入りましょうか。輸出入契約終了の手続きについてですが」
「護栄殿! 今一度、どうか機会をお与え下さい! 何卒……!」
「落ち着いてください。手続きの前にひとつ訂正があります。立珂殿の怪我は愛憐姫がしたことですが精神的に追い詰めたのは姫ではございません」
「ご配慮は無用です。皇女であっても罪は罪」
「いいえ、本当です。何しろ立珂殿を病ませたのは私なのですから」
「は?」
かちゃん、と護栄は音を立てて茶碗を置いた。加密列茶がゆらゆらと揺れている。
「私はあの二人を宮廷に置くのは反対だったのです。礼儀も知らず殿下に良くない噂も立つような子です」
「……護栄殿らしからぬご判断だなとは思いました」
「天藍様が決めたなら仕方ありません。ならせめて礼儀作法を学べと強要し、そのせいで立珂殿はお心を病んだのです。これと同時に愛憐姫と口論になり事件へと発展した。非の半分は私にあるのです」
「だとしても非の半分は愛憐です。追い詰めたことに変わりはない」
「そうですね。ですがあの二人も殿下ももういいと言ったのです。ならば愛憐姫の罪は手打ちです」
「有難うございます。愛憐にはこのご温情を忘れず、慎ましく過ごすよう躾てまいります」
薄珂は『立珂がいいならそれでいい』と言い、天藍は『薄珂がいいなら俺ももういい』と言った。
ならば愛憐は帰国した時点で本当に許されていたということだ。ならば輸出入契約を継続してもらえない理由はそれではないということになる。立珂への傷害とは異なる罪が愛憐にはあるのだ。
「立珂殿については手打ちですが御璽を犯したことと殿下への侮辱は別問題です」
「……承知しております」
「しかし我らも明恭と争いたくはない。立珂殿が許すのならこれも手打ちにしようかと思っておりました」
「お許し下さるのですか!?」
「殿下は良いと。ですが、運悪く愛憐姫の件が立珂殿の治療をした診療所から国民へ広まったのです。特に有翼人からは非難の嵐。明恭へ輸出するなら羽根は提供しないという声が出ています」
「それは……!」
輸出入が出来ても商品が入ってこないということだ。これでは契約を取り付けたとしても何の意味もない。
むしろ頭を下げただけ分が悪くなっただけだ。
「輸出には国民の赦しが必要です」
「……しかし私が何を言っても言い訳でしかないでしょう」
「そうでしょう。なので殿下から『明恭は反省し誠意を尽くしてくれる』と発表して頂こうと思っています」
「そこまでのご温情を? ですが誠意とは何をすれば……」
「視察の目的である有翼人の生活向上です。それを国民の目に見える形で行えば国民も納得するでしょう」
「目に見える形、ですか。それは何をしたらよろしいでしょう」
「物資支援です。実は獣人保護区に手がかかっていて、有翼人特有の物資手配まで手が回らないのです」
「そうでしたか。ですが有翼人特有というのはどのような物でしょう」
「そこは蛍宮も研究中でご提案ができないのです。なので既に確立し、変更の無いところをご助力いただければと。そうすれば私共も有翼人の生活改善へ予算を回せます」
「なるほど、それは良い。それなら私もすぐ動けます。何をすればよろしいか」
「有難うございます。では輸出入利益率の増額をお願いします」
「利益率?」
「はい。そうすれば獣人保護区の予算削減ができ、有翼人保護区建設予算を増額し早期完成が叶います。それも全て明恭のおかげとなれば、有翼人のみならず蛍宮の国民全てが明恭へ感謝するでしょう。如何です?」
「利益率……」
それは、幾度となく護栄に押し切られ苦汁をなめさせられたことだった。
明恭と蛍宮が行うのは物々交換ではなく金銭による売買だ。商品には値段があり、これに販売管理費の補填になる額を上乗せする。
だが都度都度取り決めをしていてはきりがないので、明恭と蛍宮の間では「この種類の商品は一律四割」のようにざっくりと括っている。
これは適切ではない商品もあるので護栄からは細かな見直しを要求されていた。しかしそれはかなりの手間であるうえ明恭が損をする可能性もある。
何しろ護栄相手に本文ではない商売をするなど麗亜は勝機が無く、てこ入れなどしたくなかった。だから先延ばしにしてきたが、護栄はそれをしろと言ってきたのだ。
(やられた! 狙いは最初からそれか!)
麗亜はずっと不思議だった。なぜ子供だましの揚げ足取りで罪状を作ったくせに帰国させたのか。
帰国などさせずに、麗亜を呼び寄せ輸出入打ち切りと決着をつけてから帰国を許すならまだ分かる。いっそ公吠を呼び頭を下げさせれば確実に優位に立てる。
それが罪を作って即帰国など、落とし穴を掘って即座に埋めたようなものだ。
だが護栄が何も落とさない落とし穴を掘るわけがない。何かを落としたいはずなのだ。
(落としたのは愛憐ではなく国民か。愛憐を餌に反明恭へ扇動した。だがなぜ国民が愛憐のことを知っているんだ)
護栄の語ったことを頭の中で反芻した。そして一つの言葉を思い出す。
護栄は『運悪く愛憐姫の件が立珂殿の治療をした診療所から国民へ広まった』と言った。
運は悪いが、偶然広まるような内容じゃない。それも既に有翼人国民に広まっているなんて、事件当時から何かしら手筈を整えていなければ数日で広まるわけがない。
(誰かに噂を流させたのか。噂による人心操作は護栄殿の十八番。それも自然に当然のように)
くすり、と護栄は笑った。確実に何か仕掛けがあったのだろう。
そして依織を含め明恭の視察団は誰もそれに気付けなかった些細な何かが。
(護栄殿は立珂殿の手当を指示しただけと依織は言っていた。指示で動いたのは慶真殿とその家族。依織は慶真殿の息子が獣化したのを見てるから医師に知らせたのはその子で――……そうか!)
麗亜は目を見開き護栄を睨んだ。相変わらず護栄は穏やかにほほ笑んでいる。
慶都という子供は愛憐の悪評を流すには最高の人選だ。それは立珂との友情が厚いからではない。国民が信頼している慶真の息子だからだ。
(おそらく愛憐に怪我をさせられたと言えと伝達内容も指示しただろう。これなら慶真の威光を掲げて同情と共に悪評は確実に広まる)
護栄はやはり微笑んでいた。いくら睨まれても怖くないと見下されているような気分になる。
「あなたはいつも座して勝利する」
「あなたは余計なことを考えすぎです。それで、どうします?」
どうもこうもない。最初からこちらに選択肢などありはしないのだ。
「ご温情有難く頂戴いたします。利益率の見直しは改めて打ち合わせをお願い致します」
「もちろんです。じっくりと話し合いましょう。では立珂殿を呼んで参りますので少々お待ちを」
護栄はにっこりと微笑み部屋から出て行った。
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