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第二章 蛍宮宮廷
第十七話 護栄渾身の窮追【中編】
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ついに愛憐は自ら立ち上がったが、わざと護栄に体当たりをし、許可されていないにもかかわらず依織に手を引かせた。
玲章は呆れ果てたが、その横で護栄はにやりと笑っていた。なにしろ護栄の部下が後ろで『過度の不従順。無許可で規則に反する行動を取り、その際に故意の衝突』と記録している。
「不愉快極まりないわ! まさか天藍様までこのようなことに賛同なさるなんて!」
「皇太子として当然のご判断です。その判断にも文句をつけるのなら」
「姫様! 口をお慎み下さい!」
「皇女殿下と呼べと言ったでしょう! ねえ! いつまでこんな汚れた服を着させておくつもりなの! 人前に出るのなら着替えを用意しなさい!」
「裁判に服は関係ありません」
「皇女としてよ! 身を清め相応しい服装であることは皇女の務めだわ!」
「まだ皇女として罪を課せられているご認識が無いので?」
「皇女殿下! お止め下さい! 申し訳ございません! 皇女の非礼をお許しください!」
「法が許せば許しますよ。黙って歩きなさい」
愛憐は何も考えていないのだろうが、この発言の全てが護栄の部下によって記録されている。
第一皇女の発言であるならば国の意思とみなされ、撤回するのなら皇女より高位の者からの謝罪が必要となるだろう。
(馬鹿なお姫さんだ。こんなの公吠皇を揺さぶる武器を与えたようなもんだ)
軍事国家明恭は護栄でなくとも脅威的な国だ。そんなのは政治に関わっていなくても分かる。
そこにこんな格好の餌を用意して、玲章には国ごと護栄に取って食われる明恭の未来が見えていた。
喚き散らす愛憐を引っ張り、ようやく裁判の場――暫定で会議室に関係者一同が終結した。
天藍と護栄、立珂の状態を把握している慶真と孔雀だ。本来なら被害者である立珂も参加し意向を確認するものだが、緊急時のため余罪検証が先行して行われる。
護栄は牢からここまでの会話の記録を部下から受け取った。その表情はどこか生き生きしてるようにすら見える。
「では明恭国第一皇女愛憐の余罪裁判を開始します。立珂殿への暴挙暴言を現場にいた全員に確認してまいりました」
護栄は手元に数枚の紙を持っていた。それを裁判の場にいる全員に配るとつらつらと読み上げ始める。
「ひとつ。立珂殿は薄珂殿に依存し努力を怠っているという事実無根の罵詈雑言。侮辱罪」
「ひとつ。存在するだけで殿下を困らせるという事実無根の罵詈雑言。侮辱罪」
「ひとつ。何もせず遊び惚けているという事実無根の罵詈雑言。名誉棄損」
「ひとつ。侍女に業務を怠らせているという罪の捏造。侮辱罪、および名誉棄損」
「ひとつ。立珂殿の私物を破壊。器物破損罪」
「ひとつ。暴行による傷害罪」
「最後、過度の不従順。無許可で規則に反する行動を取り、その際に故意の衝突。威力業務妨害罪。以上です」
しん、と静寂が訪れた。
愛憐をはぽかんと口を開け、側近の面々は顔を真っ青にして震えている。
この聞き取りは護栄の部下が行い、それには玲章も立ち会ったのだが、はっきり言えば玲章にもよく分からなかった。
(犯罪っちゃ犯罪だ。だが明恭を敵に回す可能性を考えると子供の喧嘩で流したい気ぃするけどな)
傷害に関しては間違いなく愛憐が原因だが、その他の言い合いを罪として緊急的な裁判をするというのは若干行き過ぎにも思えた。
それこそ天藍の薄珂への入れ込んでる様子を利用した過剰な対応にも思える。
そこまで考えてはいないだろうが、愛憐も呆れ果ててぽかんと口を開けて棒立ちになっている。
(だがまあ、護栄が言うなら何かあるんだろうな。知らんけど)
国を三日で落とした男の考えなど分かるわけがない。
当時は玲章も傍にいたが、護栄の指揮の意味はついぞ一度も分からなかった。分からないまま指示通りに行動したらいつの間にか天藍が宮廷を制圧していたのだ。
だがそんなことは牢に入ってもなお着替えを要求する姫君に分かるはずもない。
「何よそれ! 馬鹿にしてるの!?」
「姫様! お止め下さい!」
「皇女殿下だって言ってるでしょう! 何度言わせるの!」
この国で護栄の発言に「何よそれ」と言えば、質問に答えるという正当な形で何倍にもなって返って来ることを玲章はよく分かっていた。
それは愛憐を必死に止める依織の方が実感があるのだろう、顔は真っ青で今にも倒れるのではと心配になるほどだ。
「だいたい傷害って! 大袈裟よ。少し血を流した程度でしょうに!」
「なんと! 明恭では多少の傷害は許容されるのですか! そんな恐ろしい国だったとは……!」
なんともわざとらしい演技だ。だがこう言われたら愛憐の側は反論せざるを得ない。
「皇女の認識不足による無礼をお許しください! 明恭は決してそのような国ではございません!」
「認識不足? まさか傷害が悪事だと認識できないほど暴行が日常化しているのですか?」
「なにが悪事よ! 甘やかされてばかりの自堕落じゃやっていけませんわよ!」
「ほお。明恭は甘やかされている者は暴行して良い国なのですか? なるほど、だから傷害は悪ではないと……」
「そ、そのようなことはございません! 姫様! お止め下さい!」
「いいえ、もっとお教えください。これは輸出入契約の更新を見直す必要がありそうです」
そんな、と依織はついに床に座り込んだ。
それも当然記録はされているが、記録内容は『側近より謝罪あり。傷害の実行犯である皇女から謝罪は無し』と書かれている。
「呆れたものね。少年一人のために裁判なんて、さすが少年狂いだわ」
「少年狂いとはどのような意味でしょうか」
「何を今さら。天藍様はお好みの少年のみを取り立て侍らせていらっしゃるのでしょう? だからこんな馬鹿な裁判をなさるのよ」
「ほお。それは具体的に誰のことでしょう」
「薄珂と立珂と、それに下働きは全員そうなのでしょう!」
「なるほど。では確認ですが、明恭国第一皇女として『蛍宮皇太子は己の性癖に該当する者ばかりを優遇し、不適切な裁判を実施した』というご判断をなさったということですね」
「そうよ!」
「そうですか。では罪状の追加です。人道的立場から孤児を保護した殿下への名誉棄損」
「は!?」
「それと、薄珂殿と立珂殿は単なる孤児ではありません。世界的に指名手配されていた象獣人金剛の逮捕に貢献した方々です。今は国の貢献にも尽くしてくださっている。それを皇女ともあろう方が蔑むとは……」
護栄は目を光らせながら演技じみたため息を吐いて、玲章は呆れ半分を含めて感心をして息を吐いた。
(これを狙ってたのか。これなら立珂とは別に天藍への罪が成立する。これでこっちが上に立つ国交問題になった)
立珂は来賓だからそれに対する余罪検証は当然だ。だがそれ以上に、裁判という公的な場で皇太子を馬鹿にしたらそれは余罪などではなく独立した罪になる。感情的になりやすい皇女を揺さぶるくらい護栄にとっては朝飯前だ。
同時にここまで発言をしていなかった天藍が立ち上がった。
玲章は呆れ果てたが、その横で護栄はにやりと笑っていた。なにしろ護栄の部下が後ろで『過度の不従順。無許可で規則に反する行動を取り、その際に故意の衝突』と記録している。
「不愉快極まりないわ! まさか天藍様までこのようなことに賛同なさるなんて!」
「皇太子として当然のご判断です。その判断にも文句をつけるのなら」
「姫様! 口をお慎み下さい!」
「皇女殿下と呼べと言ったでしょう! ねえ! いつまでこんな汚れた服を着させておくつもりなの! 人前に出るのなら着替えを用意しなさい!」
「裁判に服は関係ありません」
「皇女としてよ! 身を清め相応しい服装であることは皇女の務めだわ!」
「まだ皇女として罪を課せられているご認識が無いので?」
「皇女殿下! お止め下さい! 申し訳ございません! 皇女の非礼をお許しください!」
「法が許せば許しますよ。黙って歩きなさい」
愛憐は何も考えていないのだろうが、この発言の全てが護栄の部下によって記録されている。
第一皇女の発言であるならば国の意思とみなされ、撤回するのなら皇女より高位の者からの謝罪が必要となるだろう。
(馬鹿なお姫さんだ。こんなの公吠皇を揺さぶる武器を与えたようなもんだ)
軍事国家明恭は護栄でなくとも脅威的な国だ。そんなのは政治に関わっていなくても分かる。
そこにこんな格好の餌を用意して、玲章には国ごと護栄に取って食われる明恭の未来が見えていた。
喚き散らす愛憐を引っ張り、ようやく裁判の場――暫定で会議室に関係者一同が終結した。
天藍と護栄、立珂の状態を把握している慶真と孔雀だ。本来なら被害者である立珂も参加し意向を確認するものだが、緊急時のため余罪検証が先行して行われる。
護栄は牢からここまでの会話の記録を部下から受け取った。その表情はどこか生き生きしてるようにすら見える。
「では明恭国第一皇女愛憐の余罪裁判を開始します。立珂殿への暴挙暴言を現場にいた全員に確認してまいりました」
護栄は手元に数枚の紙を持っていた。それを裁判の場にいる全員に配るとつらつらと読み上げ始める。
「ひとつ。立珂殿は薄珂殿に依存し努力を怠っているという事実無根の罵詈雑言。侮辱罪」
「ひとつ。存在するだけで殿下を困らせるという事実無根の罵詈雑言。侮辱罪」
「ひとつ。何もせず遊び惚けているという事実無根の罵詈雑言。名誉棄損」
「ひとつ。侍女に業務を怠らせているという罪の捏造。侮辱罪、および名誉棄損」
「ひとつ。立珂殿の私物を破壊。器物破損罪」
「ひとつ。暴行による傷害罪」
「最後、過度の不従順。無許可で規則に反する行動を取り、その際に故意の衝突。威力業務妨害罪。以上です」
しん、と静寂が訪れた。
愛憐をはぽかんと口を開け、側近の面々は顔を真っ青にして震えている。
この聞き取りは護栄の部下が行い、それには玲章も立ち会ったのだが、はっきり言えば玲章にもよく分からなかった。
(犯罪っちゃ犯罪だ。だが明恭を敵に回す可能性を考えると子供の喧嘩で流したい気ぃするけどな)
傷害に関しては間違いなく愛憐が原因だが、その他の言い合いを罪として緊急的な裁判をするというのは若干行き過ぎにも思えた。
それこそ天藍の薄珂への入れ込んでる様子を利用した過剰な対応にも思える。
そこまで考えてはいないだろうが、愛憐も呆れ果ててぽかんと口を開けて棒立ちになっている。
(だがまあ、護栄が言うなら何かあるんだろうな。知らんけど)
国を三日で落とした男の考えなど分かるわけがない。
当時は玲章も傍にいたが、護栄の指揮の意味はついぞ一度も分からなかった。分からないまま指示通りに行動したらいつの間にか天藍が宮廷を制圧していたのだ。
だがそんなことは牢に入ってもなお着替えを要求する姫君に分かるはずもない。
「何よそれ! 馬鹿にしてるの!?」
「姫様! お止め下さい!」
「皇女殿下だって言ってるでしょう! 何度言わせるの!」
この国で護栄の発言に「何よそれ」と言えば、質問に答えるという正当な形で何倍にもなって返って来ることを玲章はよく分かっていた。
それは愛憐を必死に止める依織の方が実感があるのだろう、顔は真っ青で今にも倒れるのではと心配になるほどだ。
「だいたい傷害って! 大袈裟よ。少し血を流した程度でしょうに!」
「なんと! 明恭では多少の傷害は許容されるのですか! そんな恐ろしい国だったとは……!」
なんともわざとらしい演技だ。だがこう言われたら愛憐の側は反論せざるを得ない。
「皇女の認識不足による無礼をお許しください! 明恭は決してそのような国ではございません!」
「認識不足? まさか傷害が悪事だと認識できないほど暴行が日常化しているのですか?」
「なにが悪事よ! 甘やかされてばかりの自堕落じゃやっていけませんわよ!」
「ほお。明恭は甘やかされている者は暴行して良い国なのですか? なるほど、だから傷害は悪ではないと……」
「そ、そのようなことはございません! 姫様! お止め下さい!」
「いいえ、もっとお教えください。これは輸出入契約の更新を見直す必要がありそうです」
そんな、と依織はついに床に座り込んだ。
それも当然記録はされているが、記録内容は『側近より謝罪あり。傷害の実行犯である皇女から謝罪は無し』と書かれている。
「呆れたものね。少年一人のために裁判なんて、さすが少年狂いだわ」
「少年狂いとはどのような意味でしょうか」
「何を今さら。天藍様はお好みの少年のみを取り立て侍らせていらっしゃるのでしょう? だからこんな馬鹿な裁判をなさるのよ」
「ほお。それは具体的に誰のことでしょう」
「薄珂と立珂と、それに下働きは全員そうなのでしょう!」
「なるほど。では確認ですが、明恭国第一皇女として『蛍宮皇太子は己の性癖に該当する者ばかりを優遇し、不適切な裁判を実施した』というご判断をなさったということですね」
「そうよ!」
「そうですか。では罪状の追加です。人道的立場から孤児を保護した殿下への名誉棄損」
「は!?」
「それと、薄珂殿と立珂殿は単なる孤児ではありません。世界的に指名手配されていた象獣人金剛の逮捕に貢献した方々です。今は国の貢献にも尽くしてくださっている。それを皇女ともあろう方が蔑むとは……」
護栄は目を光らせながら演技じみたため息を吐いて、玲章は呆れ半分を含めて感心をして息を吐いた。
(これを狙ってたのか。これなら立珂とは別に天藍への罪が成立する。これでこっちが上に立つ国交問題になった)
立珂は来賓だからそれに対する余罪検証は当然だ。だがそれ以上に、裁判という公的な場で皇太子を馬鹿にしたらそれは余罪などではなく独立した罪になる。感情的になりやすい皇女を揺さぶるくらい護栄にとっては朝飯前だ。
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