50 / 356
第二章 蛍宮宮廷
第八話 追い詰められた立珂【後編】
しおりを挟む
「立珂! どうしたんだ立珂!」
「ん、ん……」
「しかりしろ! すぐ孔雀先生のとこ連れてってやるからな!」
「貧血程度で大袈裟ですよ。今医師を呼ぶのでそこに寝かせて」
「うるさい! 退け!」
「きゃあっ!」
薄珂は莉雹に体当たりをした。本来なら注意されることだが、侍女は薄珂ではなく莉雹を押さえつけた。
喚く莉雹の横をすり抜け、薄珂に駆け寄ったのは最も長く立珂の傍にいてくれた彩寧と美星だ。
「薄珂様は立珂様を医務局へお連れになってください。薫衣草を置いてございます」
「でも孔雀先生を呼ばないと!」
「孔雀先生の離宮は研究施設で医療道具が無いのです。私がお呼びするので彩寧様と医務局でお待ちを」
「ご安心なさってください。立珂様がお身体を崩されて以来、私共は孔雀先生に立珂様の手当を習っております」
「……分かった。ありがとう」
美星はにこりと優しく微笑むとぱたぱたと走って行った。
もしかしたら自分も罰を受けてしまうかもしれないのに、それでも立珂を選んでくれた愛情が嬉しかった。
言われた通り、薄珂は彩寧に連れられ医務局で立珂を寝台に寝かせた。彩寧は迷いなく薫衣草を取り出し立珂の傍に敷き詰めていく。
慣れた香りに安心したが腕の中の立珂がやけに熱い。顔を覗き込むと顔中に汗をかき、髪の毛もしっとりと濡れ始めていた。
「ひどい熱だ……」
「すぐに孔雀先生がいらっしゃいます。立珂様、大丈夫ですよ」
彩寧は布でとんとんと汗を拭うと、扇子でゆっくりと仰いでくれた。薄珂は立珂の手を握り、大丈夫だぞ、と声をかけ続けた。
そして数分もすると孔雀が顔を青くして駆け込んできた。薄珂に声をかけることも忘れ立珂の頬に手を当てる。
「こんな、これは一体どうしたというんです」
「分からない。急に倒れたんだ」
「汗をかいてますね。彩寧殿、着替えを用意して下さい」
「承知しました。立珂様。お気に入りの向日葵色をお持ちしますからね」
彩寧は立珂の頬を撫でると大急ぎで服を取りに向かってくれた。
いつも立珂と遊んでくれていた彩寧は立珂の好みを把握している。どんな時でも立珂はみっともない格好をしていたくないというのも知っている。これなら目が覚めた時に気持ちよくいられるだろう。
「あなたたちは井戸から水を汲んできてください。水道水ではなく井戸水です」
孔雀が医務局員に指示を出した。だが医務局員は困ったように顔を見合わせ動こうとしない。
「何をしてるんです。早くしてください」
「それが、護栄様から必要以上に薄珂様と立珂様の世話を焼くなと……」
「何ですって? この子は病人ですよ。必要なことでしょう」
「しかし、その、お二人は宮廷の職員ではないから職員同等の世話は不要だとのことで」
「馬鹿なことを! この子たちは殿下の来賓! 護栄様が判断して良いことではありませんよ!」
「ですが……」
「護栄の指示は却下だ。全て孔雀の指示通りにしろ」
ざわっと医務局の空気がどよめいた。
医務局員を割って入って来たのは天藍だった。その後ろには美星が呼吸を荒くして控えている。天藍に報告し連れて来てくれたのだろう。
「患者の治療が最優先だ。誰に何を言われても俺の指示だと言え」
「承知致しました!」
医務局員は安心したように息を吐き、桶を手に持ち走り出した。そのうちの一人と目が合うとにこりと微笑んでくれる。
決して彼らは立珂を突き放したかったわけではなかったのだ。ただ護栄の指示に逆らえないだけだったのだ。そう思うと護栄と莉雹はどこまでも憎く思われた。
怒りがふつふつと湧き上がるが、そんなことを考えている余裕は無い。立珂が薄珂を求めてもぞもぞと動いていた。
「薄珂ぁ……」
「立珂! どうした、苦しいか。俺はここにいるぞ」
「……ぎゅーして……」
「ぎゅーだな。こっちおいで」
弱々しく伸ばされた手をしっかりと握りしめ、立珂の横に寝転がり抱き寄せる。
立珂はきゅうっと身体を丸めて薄珂の腕の中に納まった。
「大丈夫だ。天藍が来てくれた。もう大丈夫だ」
「……でもみんな僕が嫌いなんだよね……」
「違う。みんな立珂に優しくできないのを悲しそうにしてた。優しくして良いって分かったら嬉しそうに笑ってくれた。みんな立珂が大好きなんだ」
よしよしと頭を撫でてやると気持ちよさそうに頬を摺り寄せてきた。汗で濡れた肌はまだ熱い。
孔雀はいつの間にか運び込まれていた水に布を浸し、そっと立珂の額を拭った。
「少し寝た方が良いです。眠れますか?」
「……寝間着に着替えないと……服くしゃくしゃになっちゃう……」
「ご安心を。お着替えの準備はできておりますよ」
いつの間にかやって来たのは彩寧だった。手には大きな袋を持っていて、見える服は立珂のために作ってくれた服だ。
「もってきてくれたの……?」
「当然です。私共がいる限りいつでも綺麗な立珂様ですからね」
「あら、彩寧様ったら美味しいとこ取り。私も新しく仕立てた服を着ていただきたいのに」
ひょいと彩寧の後ろから顔を出したのは美星だ。
ぷうっと頬を膨らませ、ぷんぷんと可愛らしく怒っている。
「服……またつくってくれたの……?」
「ええ。実は父が張り切ってしまって。新しい生地を取り寄せて仕立てたのです。お気に召したか報告しろとうるさいのなんの」
「……えへへ……うれしい……」
「ぜひ父に言ってやってください。早く元気になって遊びに来て下さいませね」
「うん……あそぶ、あそぶよ……」
ふふふ、とようやく立珂はふにゃふにゃと幸せそうに微笑み、しばらくするとぷうぷうと心地よい寝息を立て始めた。
薄珂の腕の中で眠る姿に全員が胸を撫でおろしたが、それは天藍も同じだった。
立珂の顔を覗き込みふうと安堵して息を付いている。
「薄珂。すまなかった。護栄には」
「近付かないで」
薄珂は振り返らなかった。天藍に背を向けたまましっかりと立珂を抱きしめる。
「……すまない」
「聞きたくない。出て行って」
天藍のせいなのか、護栄のせいなのか、莉雹のせいなのか。
薄珂には誰が悪いとも言い切れず、ただただ宮廷の全てが憎かった。
「ん、ん……」
「しかりしろ! すぐ孔雀先生のとこ連れてってやるからな!」
「貧血程度で大袈裟ですよ。今医師を呼ぶのでそこに寝かせて」
「うるさい! 退け!」
「きゃあっ!」
薄珂は莉雹に体当たりをした。本来なら注意されることだが、侍女は薄珂ではなく莉雹を押さえつけた。
喚く莉雹の横をすり抜け、薄珂に駆け寄ったのは最も長く立珂の傍にいてくれた彩寧と美星だ。
「薄珂様は立珂様を医務局へお連れになってください。薫衣草を置いてございます」
「でも孔雀先生を呼ばないと!」
「孔雀先生の離宮は研究施設で医療道具が無いのです。私がお呼びするので彩寧様と医務局でお待ちを」
「ご安心なさってください。立珂様がお身体を崩されて以来、私共は孔雀先生に立珂様の手当を習っております」
「……分かった。ありがとう」
美星はにこりと優しく微笑むとぱたぱたと走って行った。
もしかしたら自分も罰を受けてしまうかもしれないのに、それでも立珂を選んでくれた愛情が嬉しかった。
言われた通り、薄珂は彩寧に連れられ医務局で立珂を寝台に寝かせた。彩寧は迷いなく薫衣草を取り出し立珂の傍に敷き詰めていく。
慣れた香りに安心したが腕の中の立珂がやけに熱い。顔を覗き込むと顔中に汗をかき、髪の毛もしっとりと濡れ始めていた。
「ひどい熱だ……」
「すぐに孔雀先生がいらっしゃいます。立珂様、大丈夫ですよ」
彩寧は布でとんとんと汗を拭うと、扇子でゆっくりと仰いでくれた。薄珂は立珂の手を握り、大丈夫だぞ、と声をかけ続けた。
そして数分もすると孔雀が顔を青くして駆け込んできた。薄珂に声をかけることも忘れ立珂の頬に手を当てる。
「こんな、これは一体どうしたというんです」
「分からない。急に倒れたんだ」
「汗をかいてますね。彩寧殿、着替えを用意して下さい」
「承知しました。立珂様。お気に入りの向日葵色をお持ちしますからね」
彩寧は立珂の頬を撫でると大急ぎで服を取りに向かってくれた。
いつも立珂と遊んでくれていた彩寧は立珂の好みを把握している。どんな時でも立珂はみっともない格好をしていたくないというのも知っている。これなら目が覚めた時に気持ちよくいられるだろう。
「あなたたちは井戸から水を汲んできてください。水道水ではなく井戸水です」
孔雀が医務局員に指示を出した。だが医務局員は困ったように顔を見合わせ動こうとしない。
「何をしてるんです。早くしてください」
「それが、護栄様から必要以上に薄珂様と立珂様の世話を焼くなと……」
「何ですって? この子は病人ですよ。必要なことでしょう」
「しかし、その、お二人は宮廷の職員ではないから職員同等の世話は不要だとのことで」
「馬鹿なことを! この子たちは殿下の来賓! 護栄様が判断して良いことではありませんよ!」
「ですが……」
「護栄の指示は却下だ。全て孔雀の指示通りにしろ」
ざわっと医務局の空気がどよめいた。
医務局員を割って入って来たのは天藍だった。その後ろには美星が呼吸を荒くして控えている。天藍に報告し連れて来てくれたのだろう。
「患者の治療が最優先だ。誰に何を言われても俺の指示だと言え」
「承知致しました!」
医務局員は安心したように息を吐き、桶を手に持ち走り出した。そのうちの一人と目が合うとにこりと微笑んでくれる。
決して彼らは立珂を突き放したかったわけではなかったのだ。ただ護栄の指示に逆らえないだけだったのだ。そう思うと護栄と莉雹はどこまでも憎く思われた。
怒りがふつふつと湧き上がるが、そんなことを考えている余裕は無い。立珂が薄珂を求めてもぞもぞと動いていた。
「薄珂ぁ……」
「立珂! どうした、苦しいか。俺はここにいるぞ」
「……ぎゅーして……」
「ぎゅーだな。こっちおいで」
弱々しく伸ばされた手をしっかりと握りしめ、立珂の横に寝転がり抱き寄せる。
立珂はきゅうっと身体を丸めて薄珂の腕の中に納まった。
「大丈夫だ。天藍が来てくれた。もう大丈夫だ」
「……でもみんな僕が嫌いなんだよね……」
「違う。みんな立珂に優しくできないのを悲しそうにしてた。優しくして良いって分かったら嬉しそうに笑ってくれた。みんな立珂が大好きなんだ」
よしよしと頭を撫でてやると気持ちよさそうに頬を摺り寄せてきた。汗で濡れた肌はまだ熱い。
孔雀はいつの間にか運び込まれていた水に布を浸し、そっと立珂の額を拭った。
「少し寝た方が良いです。眠れますか?」
「……寝間着に着替えないと……服くしゃくしゃになっちゃう……」
「ご安心を。お着替えの準備はできておりますよ」
いつの間にかやって来たのは彩寧だった。手には大きな袋を持っていて、見える服は立珂のために作ってくれた服だ。
「もってきてくれたの……?」
「当然です。私共がいる限りいつでも綺麗な立珂様ですからね」
「あら、彩寧様ったら美味しいとこ取り。私も新しく仕立てた服を着ていただきたいのに」
ひょいと彩寧の後ろから顔を出したのは美星だ。
ぷうっと頬を膨らませ、ぷんぷんと可愛らしく怒っている。
「服……またつくってくれたの……?」
「ええ。実は父が張り切ってしまって。新しい生地を取り寄せて仕立てたのです。お気に召したか報告しろとうるさいのなんの」
「……えへへ……うれしい……」
「ぜひ父に言ってやってください。早く元気になって遊びに来て下さいませね」
「うん……あそぶ、あそぶよ……」
ふふふ、とようやく立珂はふにゃふにゃと幸せそうに微笑み、しばらくするとぷうぷうと心地よい寝息を立て始めた。
薄珂の腕の中で眠る姿に全員が胸を撫でおろしたが、それは天藍も同じだった。
立珂の顔を覗き込みふうと安堵して息を付いている。
「薄珂。すまなかった。護栄には」
「近付かないで」
薄珂は振り返らなかった。天藍に背を向けたまましっかりと立珂を抱きしめる。
「……すまない」
「聞きたくない。出て行って」
天藍のせいなのか、護栄のせいなのか、莉雹のせいなのか。
薄珂には誰が悪いとも言い切れず、ただただ宮廷の全てが憎かった。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説

青少年病棟
暖
BL
性に関する診察・治療を行う病院。
小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。
※性的描写あり。
※患者・医師ともに全員男性です。
※主人公の患者は中学一年生設定。
※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。

【運命】に捨てられ捨てたΩ
雨宮一楼
BL
「拓海さん、ごめんなさい」
秀也は白磁の肌を青く染め、瞼に陰影をつけている。
「お前が決めたことだろう、こっちはそれに従うさ」
秀也の安堵する声を聞きたくなく、逃げるように拓海は音を立ててカップを置いた。
【運命】に翻弄された両親を持ち、【運命】なんて言葉を信じなくなった医大生の拓海。大学で入学式が行われた日、「一目惚れしました」と眉目秀麗、頭脳明晰なインテリ眼鏡風な新入生、秀也に突然告白された。
なんと、彼は有名な大病院の院長の一人息子でαだった。
右往左往ありながらも番を前提に恋人となった二人。卒業後、二人の前に、秀也の幼馴染で元婚約者であるαの女が突然現れて……。
前から拓海を狙っていた先輩は傷ついた拓海を慰め、ここぞとばかりに自分と同居することを提案する。
※オメガバース独自解釈です。合わない人は危険です。
縦読みを推奨します。

ニケの宿
水無月
BL
危険地帯の山の中。数少ない安全エリアで宿を営む赤犬族の犬耳幼子は、吹雪の中で白い青年を拾う。それは滅んだはずの種族「人族」で。
しっかり者のわんことあまり役に立たない青年。それでも青年は幼子の孤独をゆるやかに埋めてくれた。
異なる種族同士の、共同生活。
※過激な描写は控えていますがバトルシーンがあるので、怪我をする箇所はあります。
キャラクター紹介のページに挿絵を入れてあります。
苦手な方はご注意ください。

好きな人がカッコ良すぎて俺はそろそろ天に召されるかもしれない
豆ちよこ
BL
男子校に通う棚橋学斗にはとってもとっても気になる人がいた。同じクラスの葛西宏樹。
とにかく目を惹く葛西は超絶カッコいいんだ!
神様のご褒美か、はたまた気紛れかは知らないけど、隣同士の席になっちゃったからもう大変。ついつい気になってチラチラと見てしまう。
そんな学斗に、葛西もどうやら気付いているようで……。
□チャラ王子攻め
□天然おとぼけ受け
□ほのぼのスクールBL
タイトル前に◆◇のマークが付いてるものは、飛ばし読みしても問題ありません。
◆…葛西視点
◇…てっちゃん視点
pixivで連載中の私のお気に入りCPを、アルファさんのフォントで読みたくてお引越しさせました。
所々修正と大幅な加筆を加えながら、少しづつ公開していこうと思います。転載…、というより筋書きが同じの、新しいお話になってしまったかも。支部はプロット、こちらが本編と捉えて頂けたら良いかと思います。

僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。

あの日の記憶の隅で、君は笑う。
15
BL
アキラは恋人である公彦の部屋でとある写真を見つけた。
その写真に写っていたのはーーー……俺とそっくりな人。
唐突に始まります。
身代わりの恋大好きか〜と思われるかもしれませんが、大好物です!すみません!
幸せになってくれな!

拝啓お父様。私は野良魔王を拾いました。ちゃんとお世話するので飼ってよいでしょうか?
ミクリ21
BL
ある日、ルーゼンは野良魔王を拾った。
ルーゼンはある理由から、領地で家族とは離れて暮らしているのだ。
そして、父親に手紙で野良魔王を飼っていいかを伺うのだった。

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「本当に可愛い。」
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる