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第八章 リルとの別れ……魔王ガルドとの戦い
第237話 突撃、妨害部隊 さくら
しおりを挟む◆さくらの視点
私達突撃、妨害部隊と救出部隊は
揺動部隊の騒ぎに紛れ、王都に侵入、
そのまま王城を目指す。
「う~ん竜人しか居ないから、
これは俺達が普通に歩いていたらすぐに
見つかっていたな、アストロンと
ルージュのおかけだよ!」
「本当だね!」
蒼字(そうじ)くん呟きに私は同意した。
この町には他種族がまったく
見当たらない。いくら騒ぎを起こしても
私達が町の中を歩いていたらきっとすぐに
通報されていたと思う。そこでアストロンと
ルージュが私達の周囲に幻術をかけ、
周囲の景色に紛れ込ました。だから誰にも
気づかれず王城に向かうことが出来ている。
「見えてきたぞ!……兵士が十人ほど、
それと奥に……いた!ヴァランと火竜だ!」
アストロンの声を聞き、正面を見ると
大きな翼を持った火竜が控えていた。
「アストロンさん、ここからは私達が
行きます!必ず隙を作りますので、
その間に城に入って下さい」
私の言葉にアストロンは首を立てに
振り走る速度を落とす。
「さくら!みんなの事は頼んだ!
特にレイチェルが
暴走するから注意しろよ~」
蒼字(そうじ)くんが笑顔で
私を見送ってくれた。レイチェルさんが
後ろからブーブーと反論する。
うるさい声が聞こえたけど、
私には聞こえていなかった。だって
いつもなら蒼字(そうじ)くんなら、
私には危ない場所には行かせてくれない。
仮にどうしても行かないとダメな時は
もっと心配そうな顔をするしましてや
笑顔なんて見せない!これって私のことを
信じて任せるってことだよね!
私は高揚感で満たされ、アドレナリンが
大量に分泌されていたと思う。
だから……ちょっと暴走しちゃった。
私は先頭をきり一気に加速、魔力を
全身に巡らせ身体能力を強化、さらに
闘気を全身に纏い、攻撃力、防御力を
強化し一撃必殺の蹴り技を放つ。
「流星の煌き!
……『天空飛来脚(てんくうひらいきゃく)』
大きく大回転して振り回し足から
放たれた。エネルギーは実体化し
流星と化す!地を這いそのまま城門に
衝突兵士はもちろんのこと城門すらも…………
吹き飛ばしてしまった。
「……………あ!?」
私が気がついた時には城門は瓦礫の
山になり話に聞いていた。
竜騎士ヴァランと火竜は………
瓦礫の下敷きになっていた。
「………流石は勇者と言ったところか?
……作戦とはだいぶ違う気がするが、
取り敢えず良いだろう」
アストロンはやや半笑い、正直言って
やらかしちゃった~どうしよう……
そこに蒼字(そうじ)くんが
私の肩を軽く叩き、
「すごいじゃん!流石はさくらさんだよ!
頼りになる~。この調子で宜しく
頼むのよ!」
私のしたことに、嬉しそうに
褒めてくれる。
はぁぁぁ~……う・れ・し・い~
……今なら天にまで駆け上がれそうだよ!
あ~蒼字(そうじ)く~ん……
私が惚けている間に……あれ?居ない!
蒼字(そうじ)くん達はすでに
居なくなっていた。
「も~うさくらったらいつまでボケっと
してるのよ!私達のお仕事をまだ始まった
ばかりなんだからね!」
陽菜乃(ひなの)が横からぐいっと
私の顔に近づき注意をする。
……はい、すいません……ガクッ
それから城門が破壊された音を聞きつけ、
次々と兵士が集まってくる。
『流星槍(りゅうせいそう)』
『ジャスティスパンチ』
『魔連弾』
竜人族の兵士は力、速さ、耐久力と
身体能力が高く、なかなか倒す事が
出来ない。でも今はそれでも良い、
ここからは私達が城の兵士を出来るだけ
ここに集め止めさせなければならない。
「まだまだこんなものじゃないわよね!
レイチェルさんお願いします!」
「はーい任せなさ~い!……轟炎煙玉」
レイチェルさんは、大きく振り
かぶって壁に向けて玉を投げる。
すると、ゴーっと火柱をあげ煙をモクモクと
大量に放出、しばらくするとさらに
兵士の援軍が合流、戦場はより荒れ始めた。
カン、キーン、キーン
槍で戦い上手く敵をねじ伏せていると、
とうとうこちらにやって来たか、
他の城門を守っていた竜騎士
の二人、地竜と風竜を引き連れやって来た。
「ほう、なかなか威勢の良いお嬢さん達が
居るようだ」
颯爽と風竜に乗りこなし、羽ばたき
ながら一定の距離を保ちつつこちらに
鋭い目線を向けるナット。
「女ばっかりじゃんかよ!こんな奴らに
やられてるのか?まったく戦闘民族の
名入れだぜこいつら、あ~ツマンネ~な~」
力強い足音をたてて、こちらにゆっくりと
近づいて来る地竜の上に跨る。ガタイの
いい男ロック。
「こいつらを倒せば、私達のミッションは
クリアねさくら~、私とレイチェルで
ナットをやるわ!さくらとチャラで
ロックを宜しく」
陽菜乃(ひなの)は銃の玉を装填
しながら、それぞれの
分担を決め、それに私も同意した。
「さ~派手に行くわよ!レイチェル」
「OK、陽菜乃(ひなの)やっちゃお~」
二人はノリノリだ。いつの間にこんなに
仲良くなったんだろう?
「チャラさん、私達はロックをやるわよ」
「うん、チャラの正義の鉄拳を受けて
みろ!」
チャラさんはやる気満々、すぐにでも
飛び出して行きそう。
あちらも気合十分みたい。
さっきは侮るような言葉を発していた
にも関わらず、一切隙を見せていない。
油断はしてはくれないみたいね。
「チャラさん、先手をお願いしても
いいかな」
「さくら任せろ!チャラが行く!」
体勢を下げ、敵に向かい一気に
駆け抜ける。
ドコーン……チャラさんが走る先の地面が
せり上がり壁が立ちはだかる。
でもチャラさんは止まらない。
そのまま壁に向かい突撃、拳を振り上げる。
『ジャスティスパンチ』
「ドコーン」………壁を貫いた!
そのまま壁穴に入り、敵に向かって走る。
しかし、チャラさんの動きが止まる。
チャラさん?………居ない!?
なぜ止まったのか分からず、周りを
確認するとロックも地竜も居ない。
その時……地面が揺れた。
「ガタガタガタ………」
へぇ!?………地面から突然地竜が現れ、
チャラさんが食べられちゃった!?
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