171 / 256
第七章 師弟の絆
第159話 お帰りなさい!………あんた誰だ!
しおりを挟む「おーーやっと帰ってきた~」
俺達はミネルヴァ姫の呪いを
解き王都ラダマンテュスに
帰還、なんやかんやで3ヶ月過ぎていた。
「そう長く居たわけじゃないのに
実家に帰るような懐かしさを感じる。
リル達元気にしてるかな~」
俺は懐かしき我が家に着き門をくぐる。
「クロスチョップ」
入った途端高揚のない声で
クロスチョップを首目掛けて仕掛ける
アホが迎えてくれた。ならば応えよう。
「カウンターじゃボケ~」
右ストレートを顔面に喰らわす。
そいつは止まりこう言った。
なかなか出来るようになったな~と。
「ルビーバカやってないで、飯頼めるか?
腹減っちゃって」
「分かった……それにしてもずいぶん
レベル上がった」
ルビーは俺の腕をモミモミ、やめろ!
お前はアホでも
見た目はカワイイんだから。
しばらく触って満足してのか、
ルビーはさっさと家に
戻って行った。
「相変わらずあいつの行動は分からん」
俺ははぁーと息を吐き家に向かう。
玄関のドアを開こうとノブを
掴もうとすると、中から
タッタッタと足音が聞こえた。
……誰か出てくる?
俺は少しドアから離れるとバッと開き、
誰かが飛びついて来た。
俺は受け止めようとしたが、
あまりの勢いに止められず
押し倒させる。
「あたた、すごいパワー」
「蒼字(そうじ)さんお帰りなさい!」
その声はリル、しかしおかしい。
今リルの頭が俺の顔の横辺りにあり
この感触……ムニムニと柔らかく動き
同時に押しつけられる強めの重圧。
「あんた誰だ!」
俺は肩に手を置き押し上げると
すごい美人さんが
目の前に、誰?っと思い考える。
「どうしたんです?蒼字(そうじ)さん?」
その美人さんはリルと同じ声で
よく見るとリルによく
似ている。もしかしてお姉さん?
俺の頭の中にクエッションマークで
いっぱい。
「お困りのようだね~蒼字(そうじ)」
「あ!レイチェルただいま~」
「うん、おかえり~」
レイチェルは笑顔で迎えてくれた。
「あ~蒼字(そうじ)さん私にも
ただいまが欲しいですー」
俺に跨る謎の女性が俺の肩を
掴み揺らしながら謎の要求。
うーんそんなに揺らすとお胸様も
揺れますぞ!眼福です。
「あー蒼字(そうじ)さんお帰りなさい」
「チーちゃんただいま~」
相変わらず可愛らしい。ヨシヨシ撫で
たくなる。
「ん?チーちゃん、しばらく見ない間に
大きくなったね」
女の子はこのくらいの歳に一気に
成長する。身長が結構伸びてるよ~
「えへへ、ありがとう!でもリルちゃんの
方がすごいんだよ!ね~リルちゃん」
「えへへ~そんな事ないよ」
俺に跨り照れる美少女
「え!!!リ、リ、リル~?
成長し過ぎだろ~」
俺は驚きのあまり大声でツッコミを
いれる。だって見た目は俺と大して
変わらない歳にしか見えない。
特に胸の成長が著しい。バインバインの
ボインボインってアホか~
「え?本当にリルなのか?」
「ん?そうだよ。こんなに長く帰って
来ないなんて聞いてなかったですよ!
……淋しかったんですよ!」
またぎゅっと抱きしめられる。
「お、おう~」
ア、アカン、いつものリルと違う!
ん~どう対応しよう。
ヨシヨシ撫でて良いのかな~
取り敢えず……撫でてみた!
「えへへ~ありがとう~」
くっ……美人で幼さのある笑顔
……抜群の威力だせ!
「ね~ね~良い匂いがしてきたし、
ご飯が出来るよ早くはいろ~よ!」
レイチェルは相変わらずご飯に目がない。
リルも俺からどいてくれた。
いきなりの事に動揺してしまい懐かしむ
暇がなかった。よし!気を取り直して
ご飯を食べよう。
……………▽
「うま~い」ルビーの飯は美味い、
本当にその辺の高級レストランに負けない。
「うまうまうま~い」
レイチェルは相変わらずモリモリ
元気に食べている。
「美味しいです」
あのちっちゃかったチーちゃんが
大きくなった。成長期なんだろう。
それにしてもなんでここに居るんだ?
遊びに来たのかな?
「蒼字(そうじ)さんこれも美味しいですよ!」
「ありがとう……アハハ」
成長期……だよな。スタイルが良すぎ、
一気に大人の女性になってしまった。
「な~リル……そのなんだ、
大きくなったな~」
「そうなんですよ。いきなり成長して
前まで着ていた服が
一つも着れなくなっちゃいました」
「なんでそんな急に……」
「分からないです」首を傾げるリル。
「オッホン、私が答えよ~リルの成長に
大きく起因したのは急激なレベルアップ
だと推測する。竜人族や獣人によく
見られる症状だよ!」
「あ~なるほど以前ダンジョンに
潜った時三十以上レベルを
上昇させたっけ、それが肉体にも
影響があった……納得だ!」
「フッフッフ~それだけじゃないんだ
よ~ん!あれから私達はさらに
ダンジョンでレベルアップを遂げたのだ~」
「あ~レイチェルさんそれは言わない
約束ですよ~」
「あ!?いっけね!」
慌てるリルに軽く反省するレイチェル、
なんだと!
「どういう事だ!リル」
「え~っと怒らないで下さい!
その新しい商品を作るのに
どうしても必要な部材があるから
行きたいとレイチェルさん
が言いまして……」
「あ~リルそれだと私が悪いみたいで
怒られるじゃん、元々はリルが蒼字
(そうじ)がいない間に頑張ってびっくり
させようって言ったから色々考えたんだよ!」
「ごめんなさい。そんなつもりで
言ったわけではないん
です。あ~どうしましょう……」
「いや、俺に振ってどうすんの!」
なんかあれだな。リルは身体が急激に
成長したけど中身は大して変わってない。
考えてみればそれほど時が経った
訳じゃない。
「んー別に怒ってないけど、二人共気を
つけろよ!ダンジョンじゃ~何が起こるか
分かんないんだから、前みたいにいきなり
地面が砕けて落ちたなんて洒落に
ならないんだからな~」
俺からあまり強く言っても仕方がない。
ただやっぱり心配だから今後は絶対に
着いていこう。
「トントン」
肩を叩かれたので振り向くと……
「うっ……おい!ルビーずいぶんと
古臭い事をやってくれるじゃないか」
振り向いた先には指が置かれていた。
オレの頬にグサッと刺さったよ!
「三人!」
「へ?三人、何のことだ?」
「ルビーにも手伝ってもらった!
つまり私、リル、ルビーの
三人でダンジョンに行っただよ!」
「あ~そういう事、それならそうと
言えよ!いちいち突くな!」
「私も心配しろ!」
「そこに不満なのね!」
実際ははっきりとは分からが多分
ルビーは相当強い!
俺が心配しなくても大丈夫な気がするけど。
「分かった!ルビーは怪我とか
無かったか?」
「大丈夫!骨が折れても超速再生で
五秒で治る」
「ハハハ、そっかそりゃ~良かった」
今の話でどの辺に心配する必要性が
あるんだ!
その後、久し振りの我が家で和気あいあいと
食事を楽しめた。
10
お気に入りに追加
219
あなたにおすすめの小説
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
元英雄 これからは命大事にでいきます
銀塊 メウ
ファンタジー
異世界グリーンプラネットでの
魔王との激しい死闘を
終え元の世界に帰還した英雄 八雲
多くの死闘で疲弊したことで、
これからは『命大事に』を心に決め、
落ち着いた生活をしようと思う。
こちらの世界にも妖魔と言う
化物が現れなんだかんだで
戦う羽目に………寿命を削り闘う八雲、
とうとう寿命が一桁にどうするのよ〜
八雲は寿命を伸ばすために再び
異世界へ戻る。そして、そこでは
新たな闘いが始まっていた。
八雲は運命の時の流れに翻弄され
苦悩しながらも魔王を超えた
存在と対峙する。
この話は心優しき青年が、神からのギフト
『ライフ』を使ってお助けする話です。
~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる