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第四章 新たな仲間 

第64話 新商品開発への道のり

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 サルエム商会のよくわからん奴らを
追っ払った後、商品を蹴っ飛ばされたので、
片付けと確認をしている。

「蒼字(そうじ)これ何かしら?」
 セレーナ様も片付けを手伝ってくれて
おり、その手には商品を持って考えている。

「あ~それはですね。ここ最近この辺で
流行ってきたオセロって言うゲームです!
やってみると面白いですよ」

「へー面白そうね。あとで教えて」
 会話をしながら片付けをしてなんとか
終わった。

「えーーこれ、すごい欲しいわ!」
 セ改めて色々と商品を説明して、
どの商品も「見たことない」と
言っていたが、やっぱりこの商品に
食いついたか!

「絆創膏(バンソウコウ)は便利ですよ。
キュアと同じくらいの効果で銀貨一枚で
格安ですから」
 リルがセレーナ様に商売トークを
炸裂させる。

「ウンウン、欲しいわ~これがあれば
一般のシスターがずいぶんと助かる。
リルちゃん箱ごと頂戴!」

「は~い毎度あり~」
 リルよ!毎度あり~って明るく
言ってるけど、箱ごとって二千枚だよね!
その枚数書くの結構疲れるんだけど……

「リルちゃん、商品がとても良いと思う。
他の国にも進出出来ると思うわ。
ライドンさんもきっとびっくりしてるはね」
 セレーナ様は優しく微笑み。リルも
嬉しそうに返事をした。しかし空気を
読まないこの女は口を出す。

「でもさ~そろそろ新しい商品も考えない!
思うんだけど、いつか飽きられないかな」
 確かに一理ある。今はまだまだ売れて
いるから良いけれど、そろそろ何か考えて
商品を増やさないと継続的な顧客確保は
難しいかもしれない。

「う~んそうですね。私も考えては
いたんですけど何が良いのか?」

「そんな時には打ち合わせしよ~
会議!会議!」
 世の中でそんなに会議を嬉しそうに
言うやつはいないから、レイチェルの
場合楽しくお菓子を食べながら
モノ作りの話がしたいだけなんだろうな……

「ね~私も入っていいかしら」
 そこにセレーナ様が入って来て、
リルが是非参加して下さいと答える。 

 俺達は猫耳食堂で食事をしながら話を
することになった。

「わ~い、お兄ちゃんだ~」
 シーちゃんが走ってきて
抱きついてきた。

「わ~い、蒼字(そうじ)さ~ん」
 シズナが走ってくる。
「ちょっと待った~」
 リルがブロックに入る。
「わ~リルちゃん離して~」
 リルに捕まれば逃げる事は出来ない。

「蒼字(そうじ)くんモテモテね!」
 セレーナ様にからかわれた。

「うまうま、うっま~い!」
 相変わらずレイチェルはうるさい。

「ん~次は何を作るもしくは仕入れる
かだな。作るなら顧客が欲しい物を
考えないと、仕入れるなら今の流行り物を
把握する必要がある感じかな~」

「何言ってるんだよ!面白い物を作ろう」
 
「それはレイチェルがなんか作りたい
だけだろ。考えなしでは作れないからな!
赤字になる」

「プーブー」
 抗議は受け付けません!

「情報収集からですね。セレンさんは
今なにか欲しい物とかありませんか?」

 リルがセレーナ様から情報を聞く
ようだ、みんなもそれに続いて質問をする。
みんな聖女様と気がついていないから
バシバシ質問してる。他の人が見たら
驚く光景だろう。

「ん~私は日頃は聖職者として働いて
いるの、だからさっきの絆創膏(バンソウ
コウ)には感動したんだけど、他にも
困っていることがあるのね。私の働いて
いる職場は他と比べて急に多くの患者が
来ることが多くって体力勝負になるん
だけど、あまりにも過酷で耐えられない
人も出てくるの、特に食事を取ること
もままならないから
不満がたまっちゃって!」

「なるほど、簡単に食べれて体力が回復
する食べ物ですか……ありそうで思い
つかないですね」
 リルが悩みながら過去の記憶を辿る。

「体力が回復する薬草は知ってますけど、
確かハワイラン草、これを薬に替えると
三日三晩疲れ知らずで働けるなんて
言われるほど効果があります。
でもどこにあるのかまでは、それに
なかなか見つからないらしいですし」

「私もハワイラン草から作られる
ラン丸薬は知っているわ。でもあれ、
作る以上に材料を見つけるのが困難
なのよね。非常に高価で数が確保する
のが難しいのよ」

「あ~私知ってるよ。たくさん取れる
ところ」
 レイチェルから突如有力な情報がで
てきた。

「レイチェルそんな良いとこ知ってる
のか!すごいじゃん」

「うん、時間がない時によく生のまま
食べたっけあんまり美味しくはないよ」
 
 レイチェルの劣悪な食事の環境はおい
といて、
「それどこだよ。そんな場所があったら
もう取られてるじゃないのか?」

「大丈夫、大丈夫、36階層に生えてる
から、誰も来ない聖域だね。取り放題で
独占だよ!」
 例のダンジョンか……レイチェル達が
15階層で結界と幻術をかけて下層が
ないようデマまで流している
独占しまくっているダンジョン。

「確かにあそこなら取られることは
ないはず………良いかもしれない」
 俺はレイチェルにナイスっと
サインを送った。

「取りに行きましょう!絶対に売れます!」
 久しぶりにリルの目がお金のマークに
なっている。

「それじゃ~行くか、いつ行くかだな」
「明日行きましょう」
「え!?」何でセレーナ様が答えんの?
 
 ……まさか!?

「行くつもりじゃないですよね」
 俺は顔を引きつらせて聞くと、
「もちろん行くはよ!」
 ちょっとなに考えてるんですかこの人は!

「セレー……ンさん危ないですから
行けませんよ!」
 
「蒼字(そうじ)来てもらおうよ!
30階層からアンデッド系の魔物が出る
から聖女が居れば助かる」

「ん?」※蒼字
「えっ?」※リル、チーちゃん

「あなたは気がついていたのね!」
「ん?なにが、聖女は聖魔法が使える
から絶対に来てもらうべきだよね!」
 レイチェルは気がついてたが、気が
ついていない。レイチェルからすれば聖女と
いう存在がどれ程凄いのか、気がついて
いないのかもしれない。

「二人共、驚いてるところ悪いけど
場所を移そう。周りのお客さんにも
聞こえたみたいだ」
 バレる前に退散しないとな。

……………▽
 その後家に戻り……

「えーーセレンさんがセレーナ様
だったの~」
 リルがびっくりして腰を抜かして
いる横で、チーちゃんは完全にフリーズ、
声をかけても反応がない。
あとで聞いたたが、チーちゃんは
セレーナ様の大ファンだったらしい。

「セレーナ様、さっきの話をマジですか?」

「うん、もちろんよ!これでみんなが
少しでも楽になるなら頑張らないとね!」

「は~分かってますか、ダンジョン
ですよ。一日やそこらでは帰って来れ
ません。聖女様がそんなに長く
居なくなったら大騒ぎになるでしょ」

「大丈夫、事前にアルヴィア姫に1週間は
戻らないって書き置き残してあるから
問題ないわ」

「問題にならない理由無いでしょ!
どう考えたって騒ぎになります」

「大丈夫よ!これは使徒様からの試練、
とても重要な事で、誰かの力を借りる
わけにはいかないから探さないでって
書いておいたから、きっと邪魔をしない
よう配慮してくれるはずよ!」

 ビシッと決めポーズを決めるセレーナ様、
なんて嘘をつくんだこの聖女様は呆れると
同時に関心する。だから城下町にくり
出しても大した騒ぎになっていなかった
んだ。

「やったね蒼字(そうじ)これなら
下層に行けるよ。聖女を戦力にするなんて
なかなか出来ないよ。やるね!」
 レイチェルに肩を叩かれ褒められるが、
本当に連れて行っても良いのだろうか?」

「蒼字(そうじ)あんまり悩まないの!
なにもメリットがないわけでもないの、
私は今アビスに襲われる可能性があるけど
ダンジョンに入れば恐らく襲われる
リスクは減らすことが出来る」

「しかし、代わりに魔物に襲われるん
ですよ。危険なのは変わりないです」

「なら良いじゃない。変わらないん
だから、あとはどちらにするか選ぶだけ
だと思うわ」

「は~」ダメだな!説得できる気が
しなくなってきた。聞いてたらだんだん
ダンジョンに連れて行った方が
メリットがある気がしてきた。

「分かりました。その代わり滅茶は
しないで下さいよ。何かあっても
俺じゃ責任取れないんですから」

「蒼字(そうじ)が守ってくれるから問
題ないわ」
 本当に調子が良い人だ。

 そして次の日、
 俺達は再びダンジョンに潜る。

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