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第一章 異世界暮らし
第13話 商業ギルドのサリーさん
しおりを挟む獣人は取り押さえられ、俺達はサクさんに
挨拶をして商業ギルドに向かう。
なんやかんやとあったがやっと目の前に
大きな建物、商業ギルドに着くことが
できた。
リルは何度も来たことがあるとのことで
スムーズに進むことができ受付でも
何事もなく許可書を発行することが
出来た。帰ろうとしたその時、
声をかけられた。
「リルちゃん!リルちゃんよね!」
後を向くと杖をついたおばあさんがいた?
リルを呼んでるから知り合いなのかな?
「サリーおばあちゃん!」
「お~生きていったか、良かったよ!」
おばあちゃんに抱きしめられるリル、
誰なんだろうこの人?
「リルは大丈夫だったんだね!馬車には
お前さんは居なかったから攫われたのかと
思って冒険者ギルドには依頼をして
いたんだよ!」
「うん、ご迷惑をお掛けしました」
「何言ってるんだよ~迷惑なんてこと
あるわけ無いだろ~よく生きて帰って
くれた。少し話を聞かせてくれるかい」
「はい、たいじょ、あ!蒼字(そうじ)
さん良いですか」
「うん?俺は良いけど!」
突然強い視線を感じる。
サリーさんに睨まれている。何故に?
「あ!蒼字(そうじ)さんは知らない
ですよね!
こちらにいる方はサリーさんです。
このギルドの副ギルドマスターを
務めています」
「副ギルドマスター?」と言うことはかなり
偉い人じゃん、これは失礼のないように
しないと
「どうも私は蒼字(そうじ)と言います!」
ジーー視線を強く感じる。
「そうかい!私はここの副ギルドマスターを
やっているサリーってもんさね!それより
あんたリルとはどんな関係だい!
内容によってはただじゃおかないよ~」
何でそんなに敵意剥き出しなのかと
思ったらそう言う事~リルは美少女だとは
思うけど手は出さないから、でも多分
言っても通じない感じですよね~
「おばあちゃん、それについては
私から話すから」
「そうかい、分かったよ!でも私の目の黒い
うちは………」
話がなかなか進まないので省略
………………▽
「そうかい、その盗賊なのかは分からないが
許せないね!ただじゃおかないよ!」
憤怒するサリーさん、それにしてもリルを
抱きしめて放さない。どんだけだよ!
「大丈夫だよ。おばあちゃん、さっきも
言ったけど、蒼字(そうじ)さんが
倒してくれたから」
「ほんとか~い、弱そうに見えるんだがね」
「…………………」そうですよね~
「おばあちゃん!そんな事言っちゃ
ダメだよ!蒼字(そうじ)さんは
私の命の恩人だよ!」
リルが頬を膨らませて怒っていると
サリーさんは慌ててリルを宥めている。
「オホン、蒼字(そうじ)とやらリルを
助けてくれて感謝する。しかしリルに手を
出したら………」
また、この話ですか?リルさん止めて~
願いが届いたのか、話はリルが
止めてくれて商売の話になる。
「リル、私のところで働かないかい、
なにもいきなり路上で一人で
やらなくても……」
心配をしているのがすごく
伝わってくる。
「良いんです。私、前から一人で
やってみたいと思っていたんです。
それにこれくらいの事出来ないで
国一番の商人なんかにはなれませんから!」
「国一番の商人ね~ライドンの夢を
叶えるのかいリルちゃんらしいね~」
サリーさんの目がうるうるしている。
「うん!だからやらせて!サリー
おばあちゃん私頑張るから!それに
心配してくれてると思うけど、
蒼字(そうじ)さんが手伝ってくれる
から大丈夫だよ!」
「ギロッ」またしても強い視線、もうイヤ~
「は~分かったよ!なにかあったら
私やパンに言うんだよ!いつでも
助けに行くんだからね!」
………………サリーさんから熱烈な応援を頂き
俺達は商業ギルドをあとにした。
「リル、この後どうする?戻るか?」
「そろそろお昼の時間になるから、
商店街で食べ歩きでもしようと
思うんですけど、どうですか?」
「リル、すぐ行こう~やっほ~い」
「ふふ、蒼字(そうじ)さん子供みたい
ですよ!」
「いいのいいの、ここは異世界なんだから、
テンション高めで行かないとね~」
「異世界に行くとテンション高め
なんですか?」
「リル、細かいことは気にするな!
ほれ行くぞ!」
俺はリルの手を取り走り出す。
リルも楽しそうに笑っていた。
……………▽
「おーーースゲ~」
周りには人、人、人がいっぱいだ!そして
なにより驚きなのは、人種、元の世界には
いない存在がいる。これだけで新鮮な気分に
なるからな。
「わ~あの人ドワーフかな~ずんぐり
むっくりしてる~あ!あっちは
猫の獣人かな耳が可愛いな!
あ!あっちには豚の獣人かブヒブヒ
言うのかな~」
「蒼字(そうじ)さん、落ち着いて
テンション上がり過ぎですから、
それにあれは豚の獣人じゃなくて
ダダの太ったおじさんです!変な
こと言ってると怒られますよ!」
「え!そうなの……ゴメン」
どこを歩けど賑わっている。
ここはとてもいい町なのかもしれないな!
みんな楽しそうにしている。
そして俺は楽しみにしていた。ここの飯は
美味い、何故かは分からないが、森で取った
キノコや木のみで感動できたのだ!
料理として出されたのは、どれ程の物かと
思ったがやはり美味い。ただ不思議に
思ったのは森の中心部で取れた。
あのリンゴみたいな木の実、抜群に
美味かったと思い出した。
「蒼字(そうじ)さんあれも食べましょう。
私、あれ好きなんです!」
見てみると焼き鳥みたいな食べ物が、
「これって何なの?」
「これはですね!ボール鳥の甘焼きです」
「ボール鳥?」
「えっとてすね!ボールのように丸々と
太った油ののって味がとってもする鳥です」
なるほど、とにかく食べてみよう!
「おじさん串2本ぐださい」
「あいよ~」
二人共パクリ、
「「うっま~い」」
ついつい叫びたくなる美味さ、甘くて油が
のってジューシー、一本食べてこの満足感
素晴らしい。
「どうでしたか!美味しかったですよね!」
「リル、これは美味すぎだよ。ヤバい!」
座ってリルと食べた物の話をしていると、
近くで叫び声が聞こえた。
「どうか、お許し下さい!貴族様」
「ふん!一般庶民が私に楯突く気か~」
なんかトラブルぽい………
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