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第一章 異世界暮らし
第11話 お金
しおりを挟む俺は殴った!
何故かってそいつが許せないからに
決まっている。
俺は怒りで調整が上手く効いてい
なかった。その男は思いの外飛んでいき
椅子やテーブルを薙ぎ倒し壁に「ドン」と
大きな音を立てぶつかる。
フッ仕方ないことさ~あいつが悪いん
だから、しかし俺は考え直した。隣で
般若の如く怒っているキャンベルさんに
気がついたからだ。
「すいませんでした。すぐにすぐに
片付けさせて頂きますのでどうか
ご容赦を~」
「蒼字(そうじ)様、そうですね!
あとでしっかりとお話をさせて頂かないと
いけないようですね!」
俺はガクリと項垂れる。
その前に先程の男は伸びてるようだが
その他の取り巻きがこちらを睨んでいる。
「テメー何してくれる。俺達がBランク
冒険者と分かってないようだな!」
はい、知りません。知りたくもないし
なんで知ってる前提で話をするんだ?
こいつは……
「おい聞いてるのかーあ~」
「そこまでです。ギルド内での暴力行為は
禁止されています。冒険者登録を抹消され
たいのですか、それとも私に抹消されたい
のですか?」
冒険者どころか自分が抹消される。
………これは怖いね!
キャンベルさんからすごい殺気が
出ている。この人何者だ?
「さ、さ~せんでした~」
男達は伸びてる男を担いで出て行った。
「ふ~怖かった!リルは大丈夫か?」
「はい、蒼字(そうじ)さん、ありがとう
ございます」
「良し、じゃ行くか!」…………「ガシ」
歩きだそうとした瞬間、肩を捕まれ連行
されました。
……………▽
「申し訳ありません。説明が不足して
いました。ギルド内での暴力行為は禁止
されています」
「いえ、キャンベルさん気にしないで
下さい。そんなの常識ですよ!暴力は
いかんな!うん!」
現在俺は話し合いと言うなの
お説教タイムに入っていた。仕方ないこと
なのだが、キャンベルさんの威圧感が
なかなかキツイ
「経緯については私にも見えていました。
大変申し訳ありませんでした」
キャンベルさんは立ち上がり深々と
頭を下げる。
「キャ、キャンベル?良いんですよ!それに
なんでキャンベルさんが頭を下げる必要性が
あるんですか」
「冒険者の管理はギルドの役目です。
今回はさらにギルドの中で行われた
暴力行為、それを止められなかった。
我々にはその責任があります。
本当に大変申し訳ありませんでした」
キャンベルさんは責任感が強くて
真面目な人だと俺は思った。周りから
毛嫌いされているところがあるみたい
だけど、俺はこの人は信用できる人だと
感じることが出来た。
「キャンベルさん、わかりました。
それで魔石はどうなりましたか?」
「魔石の換金については終っております。
こちらになります。ご確認をお願いします」
キャンベルさんから袋を渡され中を
見てみるとジャラジャラ結構入ってるぞ!
これならしばらくは食べる事には
困らなさそう。
「中には113万1530リオン入っております」
『ドカン』
大きな音が隣からしたので見ると、
リルがテーブルに頭を叩きつけている。
なにこれ?
「リルどうした?頭大丈夫か?
色んな意味で!」
リルはゆっくりと頭を持ち上げこちらに
振り向く。
「100,100超えですか!多いとは
思っていましたが」
「なにこれ多いの?」
「蒼字(そうじ)様の今回換金された
お金はBランクパーティーが数日かけては
稼ぐ金額です」
俺って今Eランクだよね~しかも
単独(ソロ)みたいなもんだし、
そう考えるとかなり多いかも!
ちなみに通貨はこんな感じで~す。
小銅貨=10リオン
銅貨=100リオン
銀貨=1000リオン
金貨=10000リオン
白金貨=100000リオン
王金貨=1000000リオン
あとでわかったことだが
1リオンは大体1円くらい。
「蒼字(そうじ)様はすでにかなりの
実力をお持ちのようですね!」
「いえいえ、そんな事をはないですよ!
偶然です」
「蒼字(そうじ)さん、偶然とか無理が
ありますから」
リルが軽~いツッコミを入れる。
「すいませんが実力があっても実績を
積まないとランクアップが出来ません。
今回は換金だけですので実績になりま
せん。依頼を受けて達成して頂かないと…」
「いんですよ!気にしないで下さい。俺は
ランクアップが目的な訳ではないんで………」
キャンベルさんがあまりにも申し訳なさ
そうにするので慌ててフォローをする。
「そうですか、分かりました。それでは
何か依頼を受けられますか、こちらで
良さそうなものを見繕って来ますが?」
「あ、ありがとうございます。
でも大丈夫です。この後行くところが
あるんで、今回は身分証明書があれば
十分です」
「そうですか、分かりました。それでは
またの機会をお待ちしております」
…………▽
俺達は冒険者ギルドを出て!
もう一つの目的地商業ギルドへと向かう。
商業ギルドに向かう理由はリルが
商売をするために許可書を発行しに行く、
勿論いきなり店なんて持っていないので、
商店街で路上販売をすることになるのだが、
許可書がないと罰則を受け、最悪ここの
国では商売出来なくなる。いちいち
面倒くさい気もするがデメリットばかり
ではなくしっかりと管理されている。
トラブルが起きれば対処をしてくれるし、
詐欺まがいな行為をしていないか確認も
してくれる。売る側も買う側も安心して
購入が出来て良い事なのだ!
しかし、商業ギルドまでの道のりは
遠いようだ!お前達は本当にテンプレか?
さっき冒険者ギルドで揉めた連中が俺達を
待ち構えていた。
「へっへっへ~お前ら待ってたぜ!
さっきの借り、返させてもらうぜ!」
あ~面倒くさ!どうせ弱いんでしょ!
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