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第一章 異世界暮らし

第9話 冒険者ギルド

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 パンさんに会うことができ、そのまま家に
泊めてくれる事になった。宿無しの俺に
とっては非常に助かる。久々にベットの上で
寝ることが出来たので熟睡できた。

 俺はベットから起きると外に行き蛇口を
捻り水を出し顔を洗う。
 ここで一つ問おう、異世界に蛇口?
もちろん行く場所によってはあるかも知れ
ない、しかし一般的異世界イメージは
きっと井戸とかから「うんしょうんしょ」と
苦労して引き上げてやっと水を手に入れる。
しかし蛇口これ如何に?

 答えはそれ程難しくはなかった。魔法で
ある。魔法で生成した水を水道局みたいな
場所から送っているらしい。火に関しても
流石にガスはなかったが、コンロがあった!
最初は「は~?」となったがマジック
アイテムで火の魔石を使うことで術式が
組み込まれ着火して使う。今の内容だけでも
お腹いっぱいである。どうやら方向性は違え
どこちらの世界は独自の進化を遂げている。
意外と生活には不十分しないのかもしれない。

「蒼字(そうじ)さんおはようございます!
今起きたところですか?」

「うん、そうだよ遅かったかな~時間の
感覚がなくって」

「いえ、そんな事ないですよ。蒼字
(そうじ)さん、ちょっとしゃがんでくれ
ますか!」

「え?なになに」
 疑問に思いつつもしゃがむとリルは
おもむろに俺の頭を触りだした。

「寝癖酷いですよ!今直すんでじっと
してて下さい」 
「リル、い、良いよ自分でやるから」
「ふふふ、なんですか、蒼字(そうじ)さん
照れてるんですか?」
「照れてないわーい」※照れてます
「ふふ、気にしないで下さい慣れてますから、
父さんもいつも寝癖つけているんです。
直すのは私の朝の日課みたいなもんなん
です。これからは蒼字(そうじ)さんのも
直してあげますね」

「………ありがとう……でもなんか恥ずかし~」
 またしてもリルに笑われました。
 この子は本当に強い子だ!親を亡くしても
一生懸命生きようとしている。これは昨日の
話を聞いたからには俺もリルの夢を応援
せねばなるまい。

 こうして、異世界に俺のやるべき目標が
一つ決まった。

 朝食を食べながら今日から何をするかを
考えていた。パンさんは優しいのでしばらく
泊めてくれるとは思うが、それに甘えては
いかんだろう。まずどうするか?

「取り敢えずギルドに行きましょう」
 リルが提案する。

「なんでギルドに行くんだ?」
「理由は二つです。一つは蒼字(そうじ)
さんの身分証明書を発行することです。
2つ目が今ある魔石を換金してお金に
しましょう。しばらくの生活資金になります」

「確かに両方とも急ぎの案件だ。それが
同時にギルドに行けば解消出来るわけだな!」

「そう言うことです。食事が終わったら
行きませんか?」

「もちろん行くよ!ギルドか~なんか
楽しみ……」

………………▽

 俺とリルは冒険者ギルドへと向かい
到着した。
 かなり立派な建物で中からガヤガヤと声が
聞こえる。朝から活気があるようだ、今も
入口から冒険者が次々と出ていき旅立と
している。

 俺達はギルドに入るといきなり絡まれた!
 テンプレである。

「なんだ~お前~変な格好してるな~あ~ん」
 どうやら絡まれているのは俺のようだ、
お金もないから仕方ないけど学生服のまま
だった、これは目立ってしょうがない。

 酔っ払っている冒険者と話しても仕方ない。
「お兄さん知らないんですか、これ今最新の
ファションですよ!まだあまり来ている人
いないんで知らないかもしれないですね!」

「へ~そうなのか?変わった服だな~俺そう
言うのあんまり興味ないからよ!それって
格好いいのか?」
 
 知らん!適当に言ってるんだから適当に
流して欲しい。そうこうしているうちに
周りに数人の冒険者が来た。
 
「コラ、ダメでしょ!また酔っ払って人に
絡んでる!」
「でも、本当に見たことのない格好?」
「ガルムさん怖がってますからさ~こっちに
来て下さい」

 ズズズーっと長身の男が酔っ払いを引き
ずって連れて行く。なんか騒いでるけど気に
しないで行こう。

「ごめんね!あの人悪い人じゃないんだけど、
酔うと大概トラブル起こすからいつも監視して
るんだけど、ちょっと目離しちゃって!」

「良いですよ!酒臭い意外は何の問題も
なかったんで」

「アハハ、そうだね!それであなた達は
なにしに来たの?冒険者じゃないよね。
そんな格好出し」

 確かに学生服で冒険者になりたいとか
言ったらどやされるかも、場合によっては
換金だけして出直しか?

「あの~大変言いにくいんですが、
冒険者登録しようかと思いまして……」

「あ!へ~そうなんだ!もう少し色々
整えた方が良いよ。知ってると思うけど
冒険者は危険だから!」

 この人は優しい人だな~俺達のことを
心配してくれている。

「そっか!分からないことがあったら聞いて、
私はそこそこ長いから大概のことは
分かるよ!」

「ありがとうございます。たぶん分からない
ことだらけなんで宜しくお願いします」

「うん、任せて!………そうだ!今から
受け付けに行くなら注意してほしんだけど、
キャンベルって言う受付嬢には気をつけ
てね!たぶんこないだ出世したって聞いた
からいないと思うけど、かなり厳しい人
だから、変なことすると登録してくれない
かも」

「なるほど、キャンベルさんですね!変な
ことはしないつもりですけど気をつけます」

「うん、じゃ~頑張って~」
 お姉さんはさっきの人のところに
戻っていく。

 受付に行くと10ヶ所あり、そのうち7ヶ所に
人が居た。
 どの人にしようかと見て考える。
 できれば美人でかつ真面目さらに優しい人
だとGOODだね。
 
 さてと、どの人にし・よ・う・か・な!……
……良し、2番の人にしようやさしいそうだ!

 さすがは受付嬢、皆さん美人さんで仕事が
できそうだ!
 決めてはほんわかした空気を出して
いること。
 
 ルンさんに決めたぜ!

「すいません、冒険者登録をしたいん
ですけど!」

「冒険者登録ですね!少々お待ち下さい準備
しますので」ルンさんは何かを取り出そうと
していると……


………「失礼致します」
    後ろから別の受付嬢か現れた。
 「ルン、ギルドマスターが呼んでいます。
  すぐに行って下さい」



………「ルンに変わり私キャンベルが対応
   させて頂きます。宜しくお願いします」

きれいなお辞儀をする。
美人で真面目で怖そうなのが来~た~


トラップ発動…………キャンベル召喚?

  (╯°□°)╯︵┻━┻ んなアホな~

 
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