上 下
151 / 167
過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン 

過去編 生きるために必要な人

しおりを挟む

 結城達は目的のマーム村に到着した。

「結構大きそうならしいぞ村だな~」
※大地

「良かった!野宿と変わらないような宿に
 泊まるのとか最悪だもんね!」※未希

「いや、そう言う意味で言ってる訳
じゃないからな、ま~確かにあれだけ
デカけりゃ宿もしっかり
 してるだろうけど」※大地

「もう、大地さんも未希さんも
 目的忘れてません~」※あゆみ

 あゆみがムッとした顔を大地と未希に
 近付けたじろいだ。

「ま~ま~あゆみ大地さん達も
分かってるよ落ち着いて」※結城

「ご、ごめんなさ~い、私スイッチ入ると
 そればっかりになっちゃって!」※あゆみ

「アハハ、良いの良いの!
 私達もちょっと緩んでたよ!
気をつけるね!」 ※未希

 3人でワイワイと話をしている姿を見て
結城は幸せな気持ちで一杯になっていた。
初めは異世界に飛ばされ頭の中では
あゆみをどう守るかで頭が一杯たっだが、
本当に良かった。僕達と同じように
飛ばされた異世界人も城のみんなも
いい人ばかりだ運が良いのかな!

「お兄ちゃん何してるの?早く村に入ろ!」
 ※あゆみ

「ごめん!今行くよ!」※結城

 結城はあゆみ達がいる村の入口に
走っていく。村には比較的あっさりと
入ることが出来た。これだけ大きいと
取締りが厳しいこともあるのだが、
名前と写真を取られ村に入ることが出来る。

  少しだけ門番の兵士に話を聞いた。
『村殺し』についてはやはりここでも噂に
なっていた。周辺の村に被害も出ている
ことでギルトにも協力してもらい村の中を
警戒している。
 
 今のところ村に変わった様子はない。

「どうします!取り敢えず村の中を廻って
 怪しい奴を捜しましょうか?」※あゆみ

「う~ん、それなんだけど、実際この村に
『村殺し』がいるか分からない訳じゃない。
 急がなくてもいいかな~思って、まずは
 宿から探さない!」※未希

「お前な~さっき言った言葉は
どうしたんだ!」※大地

 大地は呆れて首を振っている。
 未希はアハハと笑い誤魔化す。

「良いじゃないですか?宿も重要です。
二手に別れて宿を探す組と村を捜索する
組に分かれましょう。
 大地さんと未希さんは宿を探す。
 僕とあゆみは村の捜索をする。
 どうですか?」※結城

「………は~気を使われたぞ!未希!!」※大地

「そんな言い方しないでよ!
 分かってるわよ!  ごめん!」※未希

 大地に怒られ未希があからさまに
 へこんでいる。

「大地さん、未希さん良い宿お願い
しますね!」※あゆみ

「あゆみちゃん………良いの?」※未希
 呆けながら未希は声をかける。

「もちろんですよ!私が先走り過ぎなのは
 分かってますし、宿探しも重要です!」
※あゆみ

 あゆみはビシッと人差し指を立てて
 みんなに言いきる。

 大地はやれやれと言った表情で
 未希に宿探しに行くぞ~と言って
 手を引っ張り歩いていく。

 未希はえっとした表情に一瞬なったが
 嬉しそうに大地の腕を取り歩いて行く。

「あ~良かった!(。-ω-)
 私のせいで喧嘩とかしたら、
 どうしようかと思ったよ!」※あゆみ

「ハハハ、なんだそんなことで
焦ってたのか!大丈夫だよ。あの2人は
何があっても別れたりはしないよ。
あゆみだって見てれば分かるだろ!」
※結城

「そうなんだけど、あの2人が
喧嘩してる姿を見たくないんだもん!」
※あゆみ

「そうだな! それは僕も分かるよ。
 それじゃ僕達の任務に行こうかあゆみ」
※結城

「は~い(* ̄∇ ̄)ノ」※あゆみ

 結城達は村の捜索に行く。

 
 その頃、村人に声をかけ
続けている『村殺し』
 
「もっと生きの良い獲物はおらんかの~
 美味しく美味しく実った獲物………」※村殺し

「そこのお嬢ちゃん!」※村殺し

「な~に、おばあちゃん?」※村の少女

「お嬢ちゃんには大切な人はいるかい?」

「うん?大切な人………」※村の少女

「そうだよ~大切な人さ~
 お嬢ちゃんにとって生きるために必要な人
 ずーっと一緒にいたい人だよ」※村殺し

 少女は少し考え
「う~ん、パパとママ!!」
 明るく笑って答えた。

「そうかい、そうかい、お嬢ちゃんは
いい子だね~」※村殺し
 優しく少女を撫でてまた違う人に
声をかける。

 その横を結城達が通る
「ギルトはこっちで良いんだよね~」
※あゆみ

「あと少しだよ!
 そこで情報を手に入れられるはずさ」
※結城

 ギルトに到着、思っていた通り
こじんまりとしている。それほどの戦力が
あるようには見えないが、村の規模から
したらこのくらいだろう。まずは受付で
話を聞こう。

「すいません、少し聞きたいことが
ありましてお時間宜しいですか」※結城

「はい~喜んで~」※受付嬢

 受付嬢の目は分かりやすいくらい
ハートマークだね。お兄ちゃんが声かけると
みんないつもこうなんだもん。
こうなると時間かかりそうだな~
あゆみはそう思いキョロキョロとあまりを
見ると例の『村殺し』の手配書が張って
あった。

「時間かかるだろうしちょっと見とこ~」

 あゆみは手配書の掲示板を見る。
 
『村殺しのヨルム』
20を超える村を壊滅させた容疑で
B級の手配がかかっている。
見た目は70前後の女で身長は180cmほどの
大柄長い杖を使っている。
 
 生存者からの情報では
 多くの村人に大切な人がいるか聞き
 その中の1人が逃がされている。理由は不明

 あれ!?さっきここに来る途中に
 大柄のおばあちゃんがいた!
 もしかしたら『村殺し』かも!? いけない!  
 村の人が危ない。

「お兄ちゃん!!『村殺し』見つけたかも!」
 ※あゆみ

 あゆみは大声で叫び、
 そのままギルドを飛び出す。
 その後ろを即座に追いかける結城

…………………………………………………
   『運命は刻々と迫っている』
…………………………………………………

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。

曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」 「分かったわ」 「えっ……」 男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。 毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。 裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。 何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……? ★小説家になろう様で先行更新中

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

処理中です...