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過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン 

過去編 カウントダウンが始まる

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「カシャン」静かなに佇むなかに
 剣を納める音が響いたように大地と
未希は感じた。

「ちょっと、結城くん今の何?
 ぜんぜん見えなかったんだけど!」※未希

「なんだよ今のは結城、
 お前今まで手を抜いてたのか?」※大地

「いえ、そんなことはないですよ。
 こないだの闘いで痛感したんです。
 あゆみを守るには今のままでは足りないと…
 ずいぶん鍛えましたよ」

 結城は爽やかな笑顔をしているが、
大地と未希はどれほどの訓練をすれば
あれほどの力を手に入れることが出きる
のかと、その壮絶な思いの強さに戦慄した。

 そして闘いは終結した。
 結城達の協力により
 被害を最小限に抑えることができ、
 魔王軍を殲滅することができた。

「あゆみさん、あなたはなんで素晴
らしい人だ!是非とも我が屋敷に
招待したい」男①

「あなたの剣さばき、惚れ惚れしました。
是非この後、訓練を御一緒させて
頂けないでしょうか」※男②

「あーあなたはまさに私の勝利の
女神だ!どうかこのあとも御一緒
させて下さい」※③
 
 あゆみは多くの男達に詰め寄られていた。
 
 戦場で魔王軍と闘うあゆみの姿が
兵士達には勇敢にまた華麗に見えたようだ。
凄まじい勢いであゆみのファンが増えて
いった。あゆみはその対応に負われ
あたふたしていた。
 しかし、この状況もあと少しかも
しれない。その近くでは笑顔と裏腹に
黒いオーラを放つ勇者結城が居たからだ。
解散まであと3分と言ったところか………

「大地さ~結城くんの強さ異常じゃない」
※未希

「うん? 別に良いんじゃないの?
 むしろ心強いじゃん。これなら魔王だって
 楽勝かもよ!」※大地

「う~ん、そうかな~何か無理して
ないかな~ちょっと心配~」※未希

「あぁ!そういう意味ね!
確かにな!あいつ俺達より若いのに
しっかりしてるけどあゆみちゃんの
ことになると、目の前が見えなくなって
るところがあるからな~
ま~人生の先輩として見といてやるか!」
※大地

「ね~大地、なんか年寄りくさいよ。
 ………言ってることには賛成だけど、
 私達20代前半なんだからね!分かってる?」
 ※未希

「分かってるって!しっかりしないとな!
俺って思っただけだよ!」※大地

 未希は大地の顔を覗き込み嬉しそうに
笑った。

  その頃あゆみ達は食事をしていた。
 案の定と言うか、当然と言うか、
 あゆみに群がっていた連中は結城によって
 排除された。
 
  結城は笑顔でオーラを放ちながら乱入
 群がっていた連中は何も言えず押し
出されるように離れていき今に至る。

「ありがとね! お兄ちゃん助かったよ!」
※あゆみ

「そうかな~また余計なことしたん
じゃないか」※結城

「そんなことないよ!正直どうして
良いか分からなくって困ってたんだよ!」
※あゆみ

「そうか!なら良いんだけど!」※結城

  結城自身は優しいあゆみの言葉にいつも
 助けられていると感じている。
 
 結城はいつもあゆみのことを思って
動いているつもりなのだかあとで
あゆみのためではなく単に自分の
自己満足で迷惑をかけているのでは
ないかと思っていた。

 ただ我慢ができないので、
 自分にやや悩んでいる結城だった。


「おい、またらしいぞ」※長身の兵士

「例のやつか………は~そいつなん
なんだよ!」
 ※太っちょの兵士

 少し離れた位置から兵士達の会話が
 聞こえてきた。

「これでこの辺では3か所目だ!
聞いている限りだが他の地方でも
かなり被害が出てるみたいだ」
※長身の兵士

「なんでそいつだって分かるんだよ!
 かなり広範囲で被害がでてるみたいだけど
 そんなの同一犯とは限らないだろ!」
 ※太っちょの兵士

「同じなんだ!」※長身の兵士

「同じ?」太っちょの兵士

「同じ手口なんだよ!  
そいつは………『村殺し』と呼ばれて
いるんだが突然ふらっと現れて何人か
の村人に声をかけるらしい」※長身の兵士
 
「何て声をかけるんだ!」※太っちょの兵士

「あなたには大切な人はいますか?」
 ※長身の兵士

「どういう意味だ!」※太っちょ兵士

「さーな、知らないがそいつは同じ質問を
 手あたり次第に声をかけその後に、
 村人を皆殺しにする」※長身の兵士

「ゴクッ」太っちょの兵士が喉をならす
 
「いや、…………正確には違ったわ!
 たしか1人だけ……1人だけだは殺さずに
 生かして逃がすらしい」※長身の兵士

「なんでそんなことするんだ?」
※太っちょの兵士
 
「分からん、けどいつも生き残ったやつが
 いるからこの話はかなり信憑性が高い
 俺達も気を付けないとな!」※長身の兵士

「あ……そうだな………」※太っちょの兵士

「どうした、そんな顔して、そんなに
怖がるなよ!ここは砦だぜ。流石に
襲ってはこないよ」※長身の兵士

「…………俺じゃないんだ!ここ最近
襲われてる近くに俺の村があるんだ」
※太っちょの兵士

「………………」※長身の兵士

 2人の兵士は黙りうつ向く。
太っちょの兵士は家族が心配
長身の兵士は仲間に何て声をかけたら
良いのか迷っている。そこに突如乱入
する少女

「私に任せて!みんな助けるから!!」
 少女は真剣な顔で兵士達を助けようとする。
 その後ろでは男が笑顔で笑っていた。

……………………………………………………………………………
『運命の時までのカウントダウンが
始まった』
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