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過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン 

過去編 上空からの死のダイブ

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「うわぁーーヤバイヤバイーー」※八雲

「ま~ま~焦ってどうにかなるわけ
でもないワン落ち着くワン」※ポチ

 横に座禅を組んで落ち着きの極地に
 達しているポチがいた。
 ポチを見ていると落ち着けそうな
…………気がするか~

「バタバタしてる暇はないのじゃ、
 あいつ我らを食うつもりじゃぞ!」※リーム

「うわぁーー」※八雲
 大口開けたワイバーンが突っ込んできた。

「食われてたまるか!!」※八雲
『エアバレット』…………「カーン」
………「あれ?」

 何事もなく魔法が弾かれた。

『エアバレット』………「ズシャッ」

  空気の弾丸は難なくワイバーンの
身体を貫き、そのまま落下して行った。

「ワイバーンの外皮は固い、その程度の
威力ではまるで歯が立たないのじゃ!」
※リーム

  凄い破壊力だった。同じ魔法でこれ程
 違うものなのか?

「八雲良いか、同じ魔法でもひと工夫
するだけでも威力は格段に上がる。
ドリルのように先端を鋭くすれば
貫通力が上がるのじゃ、良いか?
放つだけではないどう変化させれば良いか
常に考えて魔法を遣うのじゃ!」※リーム

「なるほど~なんですけど落下中に
聞いても、頭に残んね~す!」※八雲

「今言ったであろう!魔法は使い方一つで
 色々な力を発揮する。八雲よ
…………今のままでは
 ペッちゃんこになるのじゃ!」※リーム

 リームさんは可愛くウインクしたけど、
 そんなの見てられるか~

 凄まじい速度で落下どんどんスピードが
 上がっていく。

 「ウォーー落ちる~~~」※リーム
 
 どうすれば良いどうすれば良い
どうすれば良い~頭の中で錯綜する思考、
………そうこれはただ混乱
しているだけ、何も考えちゃ~いない!

 あと数十秒で手を打たないと………死ぬ!!

「やくも~頭かて~んじゃないか?
 飛べば良いじゃないか~ワン」※ポチ

「そんな簡単にできる……………違う!!
 出来ないなんて決めつけるな!
 やらなきゃ死ぬだけだ!イメージするんだ、
 空を飛ぶイメージを!」

 イメージイメージイメージイメージ
 なんかないかなんかないかなんかないか、
 ………………!?いる~さっきまで隣に居た
じゃないか、リームさんをイメージしろ~
どうやって飛んでた!
 
 羽……いや!リームさんの羽は殆ど
動いてなかった。だけど凄い安定感が
あってまるで何かに包まれて
固定されているみたいだった。

 風で身体を包む………そしてその場に
 止まるイメージ!!

「ま~ま~じゃな!」※リーム

「リームさん………僕………飛んでるん
ですね!」※八雲

「ま~端的にはな!しかしそれでは使い物に
 ならんからしっかりと制御出来るよう
 訓練あるのみじゃ」※リーム

「やった~何にしても助かった~…………って
 ポチが落下している。助けないと~」※八雲

「お~なかなかやるのじゃ」※リーム
 
 八雲はポチに向かって飛んでいく。

「ポチーーー」

「やくも~~」

 ポチは手を伸ばすがまるで届かない。

「ま、間に合わない………くっそ~~」

「ワン~」
 遠吠えと共にポチは……………見事着地した。

 
 
「エ~~~」 八雲驚く

「八雲ゴメン助けてくれそうだったのに、
 先に地面についちまったワン」※ポチ

「ポチ………足大丈夫なの?」※八雲

「足が痺れたワン!
 リームはまったく無茶するワン
 俺じゃなかったら骨折してたワン」※ポチ

「いやいや骨折どころじゃないから、
 トマトジュースみたいになるから!」
 ※八雲

「八雲、気にするでない!ポチは
丈夫なんじゃ!」※リーム

「は~……まー普通の犬ではないとは
思ってはいたけどここまでだったとは
………驚きだよ!」※八雲

「八雲よ!我らも少しは働かねばな!」
 ※リーム
 
「あ!」自分のことが必死で忘れてたけど、
 今ワイバーンに襲われていたんだ!
 僕達も加戦しないと」※八雲

「では行くのじゃ。言っておくが
気を緩めるな!その状態を維持するの
だぞ!」※リーム

 今は僕は中空に浮いている。
 確かに気を緩ますと落ちるかも!
 
 僕はゆっくりと空に上がっていく

 「……………こ、こえ~」※八雲
 現在上空数百mの高さにいる。
とにかく怖い、さっき死にかけたのに
何故来たんだ俺と自分に問いかけたい
気分だ!
 
「ま~大丈夫だ!さっきもなんとか
なっただろう!リラックスリラックスだ
ワン」※ポチ

 ポチも一緒にいるのだがリームさんの
 魔法で浮いている状態だ、僕なんて自分を
 浮かすだけでも神経使っているのに、
 リームさんはポチの方すら見ていない
 どうやったらこんなこと出来るんだ?

「良く聞くのじゃ!ワイバーンの外皮は
それなりに固い、さっきのような半端な
魔法では倒すことは出来ない。
ではどうすれば良いか
 ……………考えてこ~い」

「ウォーイー」八雲の背中に突如突風が発生
 ワイバーンの方に吹っ飛んでいく。

「リームさんはスパルタ系かーー」

 既に何度かこんなことがあったので
 少し慣れた僕はワイバーンに集中
 倒す方法を考える。
 
 さっきと同じ技じゃダメだ

『ウィンドブレード』………「ガキーン」

「チッ」傷は付いたけど貫けなかった。
 これじゃほとんどダメージになってない。

「こうなったら………」※八雲
「ギフトは禁止じゃ」※リーム
 いつの間にか横にリームが並走していた。

「………!?……リームさんそれは
ないですよ~」※八雲
「それでは訓練にならんのじゃ、
 次を考えるのじゃ」※リーム

 う~ん、どうする。と言うか何で
リームさん気合い入ってるんだ?
こないだの先生のくだりは冗談だったのに~


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