125 / 167
過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン
過去編 戦場の覚悟
しおりを挟む「ごほごほゴホゴホ」
血の匂いが立ち込める。今僕達は
砦の中にいる。なかは酷い状態だった。
通路等に怪我人が溢れかえっている。
医療室では賄いきれていないからだ、
決して医師や回復術師が働いていない
わけではない。数百いるであろう
怪我人に対応出来ていない。
血の匂い、これは死の匂いでも
あるのだろう
僕が思う地獄がここにあった。
「八雲、大丈夫かワン」※ポチ
「ポチ、ありがとうかなりキツいけど
大丈夫だよ!」※八雲
僕はもちろんのことみんな気分が
悪そうだ。健司さん、一樹さんは
あまりにも酷い光景に
気分が悪くなり吐いていた。
当然だ! 僕達日本人は平和な国で
生きてきた。僕達の日常にこんな
ものはない。でもきっとこの世界に
いる以上これが当たり前として
受け入れないといけない時が
すぐに来るだろう。
「皆さんこちらです!」※ガザイ
少し広い会議室のような場所に
僕達は通された。
「お疲れ様です!………どうやら
皆さんには少々刺激が強すぎま
したかね!」※ガザイ
「気にするな。この程度慣れて貰わねば、
これからの戦いでは死ぬだけだ!」
※ガンジール
みんな反論する気はなく、ただただじっと
黙っている。
「フッ、ガンジールさんは相変わらず
厳しいですね!懐かしいです」
「なにをこの程度で! 生きるか死ぬか
我らは兵士はその環境に身を
置いているのだ。甘さを捨てねば
それが死に繋がる」※ガンジール
ガンジールさんの厳しい一言は
先程の光景と相まって全員の心に
刺さった。
「ガザイ団長、現状魔王軍に
動きはないのか?」
「今のところは魔王軍の接近は
確認されていません。安心は
出来ませんが!」 ※ガザイ
「そうだな、さっきの状況からして、
次に同じく規模の軍が来れば
対応は困難か!」※ガンジール
「そう言うことです。
ですから皆さんが来てくれたことは
我々にとってはこれ以上ない朗報
なのです!」※ガザイ
「ガザイ団長はお優しいですな~
我らの今の姿を見てもそのように言って
頂けるとは、私は正直覚悟が
足らんかった!今本当にお役に
たてるとは思えん!」※梵字
「いえいえ、気にしないで下さい。
我々は間違っても貴方達だけに
頼るつもりはありません。
ですので力を貸して下さい」
※ガザイ
ガザイ団長は深々と頭を下げる。
「うむ!頭を上げてくれ、ガザイ団長
気を遣わせてしまったな!
私達も精進せねばな!」※梵字
ガザイ団長はにこやかな笑顔をした。
「先程も言いましたが、この砦の戦力が
足りていません。兵士の大半が
現在戦闘不能となっているからです。
皆さんには援軍が来るまで、
砦を守って頂きたいと考えています」
「ガザイ団長さん任せて私達が全力で
この砦を守るから、ね!お兄ちゃん」
※あゆみ
「あゆみ突然だな!全く、でももちろん
頑張らせて頂きますのでご安心を!」
※結城
「はい、皆さん宜しくお願いします!」
※ガザイ
その後、ガザイ団長に砦での注意点と
今後の予定について確認し解散となった。
…………▽
「ここ景色言いな~」※八雲
今僕は砦の中をポチとリームさんと散策、
砦の側防塔で景色を見ていた。
「どうしたワン、ちょっと元気
ないんじゃねいか?」※ポチ
「元気がないって言うか、ショック
だったのかなまだ、現実感がなくて
ふわふわした感じ今はなんか
落ち着きたくってここに来たのかな?」
※八雲
「八雲がいた日本とは平和で
戦いがない世界から来ればそうなる。
しかし、こちらの世界では魔王が
現れたからには今後戦争は激化して
いくのじゃ!」※リーム
「覚悟しないとですね!」※八雲
八雲は広大な景色を見ながら………!?
「リームさんあれってモンスターじゃ」
※八雲
「そうじゃな、あれはなかなかの
大きさじゃ」※リーム
「ワイバーンの群れワン
………こっちに来るワン」※ポチ
「ワイバーンの群れを発見、戦闘態勢」
拡声魔法により砦周辺に非常事態を
通達される。
「数は14、5と言ったところか、
しかしかなり遠いが良く見えたのう~」
※リーム
「だんだんと身体能力が上がってきた
みたいで、今じゃ、自分の身体じゃない
みたいに動くから凄いですよね~」※八雲
「うむ!異世界人は転移の際に異界を通る。
その時にギフトを授かると同時に身体に
何らかの作用が発生し、肉体が変わると
言われておるのじゃ!」※リーム
「ふ~ん! そうなんですね~」※八雲
「二人とも雑談はそのくらいで、
そろそろ来るぞ!ワン」※ポチ
砦の周りを獲物を選ぶように
廻るワイバーン!
「魔法障壁 展開せよ!」拡声魔法により
指示が飛ぶ。
「お~バリアだ!」※八雲
何故かリームさんがニヤリと笑った。
『ストーム』
「ヘッ!?えーーーーわーーーー」
突如足元に魔方陣が展開、突風が
下から吹き荒れ、気がついた時には
遥か上空に…………えーー( ゜Д゜)
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる