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過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン 

過去編 ドラゴンの真相とマナイの決着

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「ドラゴンが喋った( ・◇・)?」※八雲

「ユルサナイユルサナイユルサナイ」
 ※ドラゴン

「何が許さないよ!お前こそ許されると
 思わないことね!」※マナイ

マナイは凄まじく怒気を放つ

しかしドラゴンは何も感じないよう言う。

「ワタシノカワイイムスコヲ
ヨクモコロシタナ」

「え!?」
 その一言はマナイにはすぐ意味が
理解できなかった。

「あまえのむすこ?」※マナイ

 ドラゴンは立ち上がることが出来ず
とうとう立てず、首だけをこちらに向け

「マダコロシタリナイ、
オマエタチモコロス!」

「何をいってるの?貴方は沢山に
人を殺したのだから私は貴方を止める」

「ナラバオマエ二トオウ、ナゼワタシノ
 ムスコヲサライコロシタ」

今度はしっかりマナイの耳に残った。

「…………貴方の息子を人が手にかけた。
 それが貴方が街を襲った理由なの?」
※マナイ

 マナイは噛み締めるように良い。
頭の中で引っ掛かっていた物が
解けた気がした。

 普通ドラゴンは街に降りて人を
襲うことはない。今回は複数の街を
襲っていた。もしかしたら
目的があるのではと考えていた。
まさか、このドラゴンも私怨で行動を
起こしていた。

「オマエタチニンゲンハ、ワタシノ
ムスコヲサライコロシタウエニ、
カイタイシブキヤボウグ二カエ
ミニツケル、コレホドノムスコ二タイスル
 ブジョクハナイ」

涙を流し訴えるドラゴン

うろたえるマナイ、父の仇を取りに来たが、
このドラゴンは私と同じではないだろうか、
親しい人、家族を失った怨みをはらすために
………私達はこのドラゴンを殺す資格が
あるの?

「マナイさん、大丈夫ですか?」

 八雲が声をかけてくれた。
きっと今のワタシは
凄い顔をしていたのだろう。

「うん、大丈夫………でも分から
なくなっちった!」

「…………」八雲は頭をひねり考える。

「うん、僕はマナイさんに従いますよ!
 このドラゴンを殺すなら殺しますし
 見逃すならそれはそれで……」

「八雲良いの!?
 もしも私が許すって言ったら
見逃すつもり?」

「う~ん!僕の気持ちで言えば
マナイさんが満足できれば良いかなって
思っちゃって アハハハ~」

 八雲は笑っている。私のことを
しっかり考えて
言ってくれた一言なんだ。

マナイは必死に立ち上がり、

「ドラゴン、私は父を殺した貴方を
心の中では一生許すことは出来ない
でしょう………けど許します。
私はここで決着にします」

ドラゴンはただじっとマナイを見る。

「マナイさん………」※八雲

「でも勘違いしないで下さい。ドラゴン
 貴方は街をを襲い多くの無関係な人々を
 殺しました。今からは冒険者マナイとして
 貴方を討伐します」※マナイ

ドラゴンの表情は特に変わらない。
覚悟は出来ているのだろう。

「一つだけ約束するは、私は貴方の息子を
殺したの奴らを見つけて必ず裁きを
与えます。ですからそれは安心して下さい」

ドラゴンは目を閉じた。

「八雲、私では止めをさせない。
本当は私がやるべきことなんだけど、
お願いできる?」

「もちろん!それでマナイさんがちゃんと
 進めるなら」

「八雲お願い」

 八雲はドラゴンの前に歩いていく。

「できるだけ一瞬で終わらせる」

『ライフパワー』オーラが溢れ出る。

 ドラゴンの額に手を当てオーラを
片腕に集中する。

『氷葬(ひょうそう)」

ドラゴンの頭を貫き一瞬で脳を凍られた。

ドラゴンの身体から全ての力が抜け、
動かなくなった。

「ふ~疲れた……終わりましたねマナイさん」

「そうね。でも約束しちゃったから、私は
 今からが新たなスタートよ!」

「頑張って下さいマナイさん」

 マナイは凄くスッキリした顔と
決意を固める顔の両方をぼくは安心した。

「流石だ!八雲よ、良くやってくれた!」

梵字さんが片腕を抱えて歩いてきた。

「梵字さん!良かったです生きて
いたんですね!」
 ※マナイ

「うむ、流石に肝を冷やした。」

八雲は梵字さんのもとに行き、
『ライフキュア』

「うむ!?………痛みがなくなった。一瞬で!」
梵字さんは腕を動かし確認する。

「そうか!それが八雲のギフトの力
なのだな!」

「はい、そうです!なんか突然使えるように
 成っちゃって良く分かんないんですよね?」

八雲は首を傾げる。

「うむ!使えるようになって良かった。
 しかし、大いなる力には責任が伴うものだ
 八雲も力の使いどころには注意するのだ!」

「はい」

「吹っ飛ばされたくせに偉そうに
言うんじゃの~」

「いやいや、ダメでしょう良いこと
言ってたのに台無しじゃない
ですか~あ!」※八雲

 ぼくは梵字さんを見ると
「ムムムム」とした顔をしてたので、
取り敢えず目をそらした。

「あ~れ?かなり近いところから声が
 聞こえたけど誰もいないけど」

「どこを見ておるのじゃ!下じゃ、下」

足元を見ると犬が居た。

「よ~またあったな坊主ワン」

犬は前足を上げて声をかけてきた。

「あ、どうも先程ぶりで………」
ぼくは犬と話をしている。異世界って
素晴らしいね~
やや現実逃避しつつ対応していると

「我を無視するでない、ポチも黙っておれ」

「なんだよ良いだろリーム。たまには
人間と話すのも悪くない。
こいつ喋り易いぞきっとワン」

「うんうん、なかなか面白そうじゃ
 さっきの戦いは見事であったのじゃ
 しかし、あまり多用はせん方が良いのじゃ
 寿命を縮めるのじゃ」※リーム

「へ!?」※八雲

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