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過去編 結城とあゆみ悲劇までのカウントダウン 

過去編 出会いは突然にワン!!

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「父は街の防衛の為、ギルドの討伐軍
リーダーを任され、私を含む20人の
部隊でレッドドラゴンに挑みましたが
結果は惨敗。私以外に二人
生き残りましたが、酷い火傷を負い、
冒険者としてもう活動は出来ないでしょ」

マナイさんは目を瞑り、思い出し
僕に説明をしようとしてくれた。でも……

「マナイさん無理して思い出さなくて
良いですよつらいでしょ!」

マナイさんは首を横に振り
「ん~ん、良いのあいつと闘う前に、
 しっかりと思い出して決意を固めたいの!
 どんなことをしてもコロス覚悟を!!」

「…………分かりました。お願いします」


「私達は巨大なドラコンに対してもちろん
無策ではなかったは、私を含む足に
自信のあるメンバーで相手の撹乱をした。
 防御を得意とするタンクもいたけど、
 ドラゴン相手では耐えられないと判断して、
 遠距離魔法師の援護にまわってもらった。

  作戦はうまく行き、ドラコンは相手を
うまく定めることが出来ず。攻撃は私達には
 当たらなかった。そこに強力な魔法を何発も
ドラコンに叩き込んだわ。流石に効いた
みたいでふらついているところに、
父が爆撃魔法を纏った
右ストレートを叩き込んだの!」

「凄いですね。作戦が見事にはまって、
 長年の経験値がそれを成功させるんですね」

「そうね!……私もこれで倒せると思ってた。 
父の一撃でドラゴンは倒れ沈黙したわ。
けど、私達は分かっていなかった。
ドラゴンと言う生き物の耐久力、生命力を、
咆哮と共にドラゴンは立ち上がり、傍にいる
仲間は突然のことで反応もできず爪に
引き裂かれて、その一撃だけで三人
死んだわ。さらにドラゴンは
炎のブレスを吹いた。一気に周りは
惨劇と化した。魔術師は攻撃の為オーラを
高めると、その気配に気付き、ドラゴンは
口から火球を放ちタンク部隊と魔術師を
まとめて吹き飛ばした。仲間のほとんどが
この時まともに動くことが出来なくなって
いました。
 
 でも父は諦めていませんでした。

 父は突撃しドラゴンの顎を爆撃魔法で
弾きとばしそのまま顔面を殴り続け
ました。しかし、派手に弾いていま
したが、大したダメージは与えることが
できず、ドラゴンの牙によって
 片腕を噛み千切られました。
 私はすぐに父のもとへと行きました。

 父は息絶え絶えで私にすまないと謝り
 逃げろと言いました。
 私は父に肩を貸そうとすると、
首を横に振り
 「お前は生きてくれ」
 父は立ち上がり、ドラゴンに向かって
 走っていきました。
 
 長年共に戦った壮年の戦士達が父に
並走して走っていく姿が見えた。
 
 私は父と共に闘いたいと思い、
走り出だそうとすると肩を掴まれました。
母でした。
 
  母も以前上級冒険者だったの。
 今は引退してたけど今回は緊急事態
だったから参加していたの。母は涙を
流しながら逃げるよう私に言いったわ。
でも私は即座に断った。
けど母は許してはくれなかった。
 
 私は頭に血が上ってたから冷静な判断が
 できなかった。母に頬を叩かれるまで
 気が付きませんでした。
 母は既に満身創痍、片足は膝から下はなく
 お腹には瓦礫の破片が刺さっていました。
 
 早く治療を行わなければ、母は死んで
しまうことは明白でした。私は母と共に
戦線を離脱、
 ………つまり逃げたのです。
 
 母を守りたかったのか、
 怖くて逃げたのか分かりませんけど!

マナイさんはうっすら笑いをしたが、
僕はなんかイラッとして

「そんなの決まってるじゃないですか!
お母さんを守るためですよ。なに自虐的に
なってるんですか、自分を責めて楽に
なりたいだけの発言になってますよ。
 誰が何と言おうと!マナイさんは
 お母さんを守ったんです。それで今から
 ドラゴンを倒す。それで終わりっスよ」

「ふ~ん、そう言うこと言うのね、
八雲は!」

「あれ?間違えましたか?」

「いいえ!心にグサッと刺さったわ!」

マナイさんは笑いながら
「ありがとう」と言った。

「話を戻すはね!この闘いで父は
レッドドラゴンに殺された。だから
私はあいつを倒したいの、でも、
私では力不足、八雲力を貸してくれる」

「もちろん!ぶっ飛ばしてやりますよ!」

「フフッじゃ宜しく」


…………▽


「作戦通り動いてくれ、もしもの場合は
 命を優先にすること、いいな!」

 あれから梵字さんの素案をみんなで
話しあい作戦は決まった。

僕達はやつがいる山を登る。

「お兄ちゃん!!」

「うん、どうした華凪ちゃん
 えらい難しい顔をして、何かあったか?」

「うん、私、今度こそ役に立つんたから!!」

 華凪ちゃんは両手を腰に当て宣言する
後ろにやっぱり黒いオーラを出す
白根さんが居て僕はひきつった笑顔で
答えるしかなかった。
「おう………宜しく(;゜∇゜)」


「八雲よ気づいておるか、この気配」

突如梵字さんが険しい顔で問いかける。

「………………梵字さん、わかりません!」

「八雲よ!お前もまだまだよの~」

もしかしてドラゴンの気配を感じたのか!
流石梵字さんだ!

「かなり強い!!来るぞ!」

「ガサガサガサ」林の中から現れたのは、

トコトコトコ

「犬?………ですね~」梵字さんを見ると

「八雲よ!人は間違えを起こす
生き物なのだ!」

「……………ぼ、梵字さんマジっすか」

「なんだよ!俺にようかワン」

僕は犬を見てしばらく考える
「……………うん、う~ん、うーん
『犬』が喋った~」

「なんだよ喋っちゃいけないのかよ~」
メチャメチャガンをつけられた。

「すいません(*´Д`*)」

「いいか、犬だからって喋ったら
いけないとか偏見だからな~
わかってのか坊主」

「はい!はい!」何故か犬に謝ることに………

「ま~気を付けろよ!………あ、あと
この先にレッドドラゴンがいるから
気を付けろよワン!」

そう言って犬は去っていった。

「……………行きます。梵字さん」

「うむ………いこうか」

 こうして意味のないようで
意味のある出会いをして
レッドドラゴンに挑む!

 
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