上 下
108 / 169
第四章 結城との再開 

それぞれの想い

しおりを挟む

「ない!!そんな!シャインリングが
ありません!?」

 フィア姫が叫ぶようにリングを捜すが
どうやら見付からないようだ。

「なんと言うことだ。しかし何故だ!
 ここには誰も侵入していないのだぞ」

王様も驚きながらもあり得ないと
考え始めた。

「やはり、既に取られてしまって
おったか」

「どう言うことでしょうか?赤城さん」

セシリアが赤城に聞く。

「やつは空間に干渉する能力を
有している。それてなければ、
そもそも異界にある
シャインに入ることなど出来ん」

「そうです。確かにどうやって
鍵がないのに侵入できたのか
分かりませんでしたが
その可能性は高いですね」

「しかし、既にリングはないのならば
やつはすでにここにはおらんじゃろう」

リームは腕をくみ八雲を見る。

「先生心配しないで下さいよ。
 もう結城さんがいないなら取り敢えず
 休みますよ」

「あ!でもその前にみんなに改めて一言
言っておかないと、みんなさっきは
ごめん!それとありがとう。
それじゃ寝る…………zzz」

八雲は疲れて速攻で寝てしまった。

「ふ~やっと休む気になったのじゃ」

赤城は難しい顔をして
「妖精、八雲のあの姿はなんだ!」

「………あれは八雲が新たな力を手に
入れるために出来た副産物なのじゃ」

「副産物だと、つまりあれは
偶然出来た魔法か」

「八雲が会得出来た精霊闘気は
『風』と『水』の2つのみじゃ。
人間が使えることはまずない
特別な魔法じゃ、八雲はそれにも
関わらず2つも資質を持っておったのじゃ。
しかし、今のままでは魔王軍に勝つことが
出来ないと思った八雲が編み出したのが、

 精霊闘気 亜種 『光』なのじゃ

 資質もないのに精霊魔法と同じ効果を
得られる。ゆえに亜種、この力には
リスクが発生した。八雲の心を精霊化
することで使えるのだが、光は心の
良心の部分を使う。その為使用後は
八雲の心が不安定に成りやすく、
何かの切っ掛けで悲しみ、怒り、嫉妬
などの負の感情が高まると

  精霊闘気 亜種 「闇』が発動
してしまうのだ

 それが、先ほどの八雲の姿じゃ」

「それじゃ、私を助けるために
使ったから」 ※セシリア

「確かに切っ掛けはそうだが気に
しなくて良いのじゃ本来使っても
しばらく経てば元に戻っておった。
しかし今回はガンジールと言う男が、
切られたことで八雲が怒りを
抑えられなかった。それ際なければ
こうは成らなかったのじゃ」

「あれは闇にのまれた八雲な訳か!」※赤城

「そう言うことじゃ、何にしても、あれは
 八雲に多大な負荷がかかる。今はとにかく
 休ませねばならんのじゃ、しばらくは
 八雲を無理にでもじっとさせておくのじゃ」

「分かりました。私は少しでも八雲が楽に
 なるようにそばについて居ようと思います。
 それでは失礼します」

「我らも一度休息する必要があるのじゃ、
 まずは凛達と合流なじゃ」

「そうだな」※赤城


………
…………
……………

「お父様、結城はシャインリングを使って
 何をするつもりなのですか?」

「それについては、私は直接聞いておる。
 あやつの目的は妹を生き返らすことだ!」

「やはりそうでしたか、あゆみさんを
生き返らす」
 フィアは納得できたがとても
悲しく感じた。

「フィアよ!良いかあやつは既に
修羅と化しておる。
お前とて容赦なく切られるやも知れん。
無茶はしてくれるな!」

「はい、分かっております。しかし私は
 結城を諦めるつもりはありません。
 お父様、申し訳ありません」

王は怒りの形相となる。

「私は許さんぞ!いくらお前の
想い人だとしても私に手をかけた以上、
ただでは済ますつもりはない。
良いかフィアよ!肝に命じておけ」

王はそのまま部屋を出ていった。

「お父様、ごめんなさい。
私は諦められないのです」

………
…………
……………

 八雲の身体やっぱり強い呪いが
かかっている。何とか解かないと

 セシリアは様々な破魔の力を宿す
道具を自室から持って八雲が休んで
いる部屋に向かうと
既に部屋の前に先客がいた。

「フィア姫、八雲のお見舞いですか?」

「え!え~そうです。八雲の様子は
どうですか?」

「難しいところです。身体に強い呪いが
かかっていますので、まずはそれを
解かねばなりません。きっと大丈夫です。
八雲はとてもタフですから!」

「フフッ、そうですね。
貴方のしごきにもついてきましたから!」

「フィア姫、ひどいですよ!」

「フフッ、ごめんなさい」

「セシリア、結城は今も
あゆみさんのことを……」

「そうですね。結城さんに取って
どれだけ大切だったのが良く分かります。
 あゆみさんを今でも諦めていないのです。
 ですから………いえ、私もどうして良いか
 分かっていないのですが」

「セシリア、私は結城を諦めたく
ありません。ですから、
どうか、どうか私を助けて下さい」

「フィア姫………はい!
私も諦めたくありません!」

部屋の扉が突然開いた。

「いつまで扉の前で喋ってるんですか、
 部屋に入って話せば良いじゃないですか」

「!?、八雲起きて大丈夫なのですか?」

「あ~セシリア、心配かけたね!
 もう大丈夫だよ(* ̄∇ ̄)ノ」

「……………あ~!!、ライフを使いましたね~
 八雲、貴方かなり少ないはずですよね!
 ダメじゃないですか!」

「大丈夫だよ!早いところ治して、
次の行動に移らないとね( ´∀` )b」

「もーう、八雲はもっと自分の命を
大切にしなさい
何度言ったら分かるんですか!」

セシリアはプリプリ怒る。
 
「お二人は仲が宜しいようで
 羨ましいですわ!」※フィア姫

「取り敢えず部屋で話しましょうか」
※セシリア
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。

曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」 「分かったわ」 「えっ……」 男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。 毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。 裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。 何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……? ★小説家になろう様で先行更新中

記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ
恋愛
 メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。  頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。   ご都合主義です。誤字脱字お許しください。

(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)

青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。 ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。 さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。 青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。

処理中です...