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第四章 結城との再開
天使と悪魔の闘い
しおりを挟む「ハァァァァー……ウッウッガアァァァ」
「八雲………それが君の今の姿かい」※結城
八雲の姿は禍々しいオーラを纏って
いるだけではなく髪は白く変化し
手は真っ黒に変色、目の周りには
斑模様の黒いアザが浮き出ている。
八雲は自分の身体を確かめるように、
手を頻繁に動かし、納得したのか
手を止めた。
そして結城を見据え跳躍する。
手を大きく振りかぶり一気に振り下ろす。
その衝撃は凄まじく本来耐えることも
困難なほどだが、結城は障壁を
張り持ちこたえる。
「!?」
結城はあることに気づく、障壁が何か
得たいの知れない力に侵食されて
いることに!
徐々に崩れ、その隙間から突如腕が現れ、
結城を殴り飛ばす。
「ガ、ガハッ、なんだこれ、く、苦しい」
結城は殴られたダメージに耐え何とか
立ち上がろうとするが、殴られた胸が
苦しく、膝を着く。
胸を見ると、黒い何かがへばりついて、
身体を守るオーラをどんどん侵食、
結城は力が抜けていく。
結城は胸の部位にオーラを集め
切り離すことで、黒い何かを
引き剥がすことに成功した。
「八雲くん、ずいぶんと厄介な力を
持っているね!どうやら当たるわけに
はいかないようだ!」
結城は転移して、八雲の遥か上空に移動、
『一刀雷斬(いっとうらいざん)』
高速で雷撃が木霊する。
八雲は上空に手をかざし大量の
黒いモヤを放出、雷撃を飲み込み、
結城の攻撃を圧倒、さらに攻撃を
強めようと試みるが何故か力が
入らない。危険を感じた。結城は攻撃を
中断、転移で移動する。
あまり余裕が持てず移動したため、
横に数十メートルしか移動できなかった。
八雲がいた位置を見ると八雲がいない。
転移のタイミングで見失ってしまった。
捜そうと首を動かした瞬間顔に衝撃が走る。
結城はそのまま地面に落下し
数十メートル、転げ吹っ飛んでいく。
「……………」
結城はゆっくりと立ち上がる。
身体中から血を流し、そのダメージは
見るからに深刻に見えた。
『ひかりまほう………天使の輪』
結城の頭上に光の輪が現れ、
身体中の傷がみるみると治っていく。
「もう同じ手は受けない!
八雲ここからは天使と悪魔の闘いだ!」
「わたしの声よ!天に届け
『天鈴(てんりん)』」
結城の頭上にある、光の輪から
透き通るような音色が鳴り出し、
同時に空からも同じような音が
鳴り出した。その音は徐々に共鳴し
空が割れる。
割れ目から光り輝く騎士の軍勢現れ、
結城を守るように周りを囲う。
「我が敵を討ち滅ぼすのだ、
天の騎士達よ!」
号令と共に空を舞い高速で移動する。
移動はやみくもに動くのではなく
整列しお互いの死角をなくすよう
意識した動きだ。さらに100を超える
圧倒的な物量の軍勢
しかし、八雲は動かない。
騎士達は剣、槍、弓と様々な
武器を使い攻撃を仕掛ける。
八雲はそれぞれの攻撃に対し
手のひらで受け止め。触れた武器は、
先程と同じように侵食し武器を
破壊していくが、攻撃の物量が
あまりにも多いため手数が間に合わず
八雲は徐々に押し込まれ傷をおう。
「……………このまま押しきれれば良いが
そうはいかないかな」※結城
時間が経つにつれ、八雲が押し返し
始めた。何故か騎士達の動きが
悪くなっていたからだ。
「やはりあのモヤがダメージを
与えるなりオーラを奪い取るなりして、
闘いを優位にしている。時間が経てば
経つほど毒がまわるが如く勝てなく
なるか」
「天の騎士よ贄となりて、
我が敵を討ち滅ぼせ」
『天の嘆き ホーリーナイトブレイク』
天の騎士がそれぞれ輝きだし大爆発
巨大な光の柱となり八雲を攻撃する。
「……………………来たか!」※結城
しかし爆発の煙の中から
八雲は出てきた。
その姿は少し変わっており、
今は腕だけではなく脚まで黒くなり。
顔の黒い斑が増えている。
高速の突撃からの拳が結城を襲う。
受け止めることにリスクを感じ
下がる結城、
八雲は拳を開き、黒いモヤを手から
放出、結城は躱すことがてきず直撃!
『天鈴(てんりん)聖なる音色』
神々しい音色と共に黒いモヤが
晴れていく。モヤを払い結城は
八雲に突撃し蹴り飛ばす。
八雲はモヤを広げ地面の激突を防ぎ
そのまま地面に降り立つ。
「ウァァァーー」
黒いモヤが増殖しモヤの形が変化、
黒い鳥となり、数百と数を増やし
空を覆う。
結城はその光景を見て警戒を強める。
天鈴(てんりん)の聖なる音色を維持する。
黒い鳥は結城の周りに集まり
ジリジリと結城の周辺を回り距離を
詰める。
黒い鳥はモヤを出し飛行
徐々に結城の視界が黒一色になる。
結城はその時、警戒を強めたゆえに、
動かず相手の出方をみてしまった。
結城の位置からは分からなかったが、
黒い鳥は巨大な魔方陣を描いていた。
八雲は片腕を結城に向かってあげ、
『ライフロスト フィールド』
黒いモヤが高速で結城に絡み付い
ていくが、天鈴(てんりん)の効果で
黒いモヤは消されていく。
お互いの力が均衡する中、その周りでは、
黒いモヤで作られた魔方陣が発動
結城の周り数十メートルの空間が
真っ黒に塗りつぶされた。
次に見た時には結城は
いなくなっていた。
天使を倒し合流する赤城とリーム
「おい、何が起きた妖精」※赤城
「あれは八雲の闇なのじゃ」※リーム
「闇?」※赤城
「説明は後じゃ、とにかく時間を
稼ぐのじゃ」※リーム
八雲がこちらに歩いてくる。
『ダークイーター』
八雲から迸る黒いモヤが、
蛇のような長い怪物に変化、
赤城とリームを襲った。
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