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過去編 異世界の勇者達

過去編 ガイールの思いと八雲の思い

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 八雲は走って間をすり抜けた。
しかしその先にもオークが
八雲はオーラを高め止まる。

地面に向け

吹っ飛べ~『エアブロー』

 オークに砂塵が飛び視界を奪う。
八雲はその隙を見て脇をすり抜ける。

暫く走ると一樹さん達がいた

「お、八雲戻ったか、いきなり走り
出すから心配したぞ~」※一樹

「八雲お兄ちゃん大丈夫?」

 皆心配そうに声をかけてきた。

「うん、大丈夫、それよりこの人怪我を
 しているんだ。早く連れて帰らないと」

「おい、大怪我してるじゃないか急いで
ギルドで治療してもらわないと」※健司

「皆あとは頼んでいいかな!」

「八雲お兄ちゃんは
どこへ行くの?( 。゜Д゜。)」

「ガイールさんが待ってるんだ
行かなきゃ!」

「八雲お前分かってるのか、
危ないから逃げてきたんじゃね~
のかよ」※健司

「うん、でも」
 八雲は皆の顔を見ないようにして
一言「ごめん」と言って走り出した。

 本当は怖くて堪らなかった。
皆を見てしまうと一緒に来て欲しい、
助けて欲しいと思ってしまう。
………それはダメだ、
これは僕のエゴ、皆を危険な目には
合わせられない。

「ウアァァァ~」
八雲気合いを入れさらに早く走る!


「うぐっ、がはっー」
ガイールは血を吐きつつも、
大剣を杖変わりにして
何とか立ち上がる。

既に満身創痍、
八雲達を逃がすため奮い立たせる。

 一回り大きなオークの手がのしかかる。
ガイールを潰さんとゆっくりと力を
入れる。

「うぐぐぐぐ」
 ガイールはすべての力を
絞り出して抵抗、
しかし徐々にオーラが弱くなり
押し込まれていく。

ここまでか………八雲のやつちゃんと
逃げられたか……これ以上は無理みたいだ
……………すまないな耄碌じじぃの限界だ!

「うぉりゃ~」
 衝撃音と共にガイールの
負荷が無くなった。

「ガイールさん大丈夫ですか!!」

「や、八雲なんでいるんだ、おまえ……」
 ガイールは驚きそのまま疲労の
あまり気を失った。

「ガイールさんありがとうございました。
 ここからはぼくが………いや、おれが殺る。

 八雲はオーラを最大まで高め、
オークの群れに突撃する。
 殴り殴られオーク達との激しい闘いが
繰り広げられた。

「うぐっ、くっそ~負けるか~」
 戦況は八雲が完全に不利だった
1体2体くらいなら何とかなったかも
しれないが徐々に押し込まれる。
死へ恐怖が八雲を襲う。

『死にたくない』

 八雲の心の叫びに呼応するように
オーラが高まる。一撃一撃の拳が重くなる。
 オークが異変に気づいた頃には、
仲間のオークが地面に転がっていた。


……

「うっ、ここは………八雲、やくもー」
ガイールさんは目を覚まし、
気絶する前のことを思い出す。

「ガイールさん、ここです」
八雲は木にもたれ掛かって座っていた。

「うぐっ、……八雲おまえ生きてたのか?」
無理やり身体をおこし八雲を見る。

「はい!
 何とかなりましたよ(。・ω・)ゞ」

 ガイールは八雲を確認した後、オークが
気になり周りを見渡すとオークの死体が
そこらじゅうに転がっていた。

「いったい何が……八雲これはおまえが…」

「はい、無我夢中だったので途中から
 あんまり覚えてないですけど、
 ぼくが殺りましたよ( ^Д^)」

「ふっ、どうやら命拾いしたようだ」
 ガイールはわずかに笑い再び眠りに
ついた。

 その後、ガイールさんに肩をかし
ゆっくりギルドに戻ろうとしたら
まだ一樹さん達がいた。
 華凪ちゃんが僕を追おうと暴れ
ギルドにもどれなかったらしい。
華凪ちゃんには大分泣かれた。
 心配かけてごめんね。華凪ちゃん!

 ガイールさんがまともに動けなかった
ので、おんぶして移動しようとしたら、
何故か断られた。
 仕方ないので1日かけてギルドに戻った。

「本当はですか?至急村に調査隊を
送ります。それと皆様大変申し訳
ありませんでした。」

「ルリリカさんが悪いわけでは」

「いえ、ギルドが正しい情報を
提供しなければ、冒険者の命に
関わります」

 ルリリカさんは真剣な顔で僕達に
謝罪をした。ギルドからは謝礼金と
オーク討伐の報酬を頂いた。
オークは群れの場合は、Bランク任務に
なるのでいままでの金額とは
桁違いだった。
(ちなみに金貨5枚)

「八雲、華凪ちゃん大丈夫だったかい」
大慌てでピリカさんがきた。

「ピリカさん、心配かけてしまった
みたいですね全員無事ですよ」

「そ、そうかい、オークの群れに
遭遇したと聞いた時には
………ガイールは無事かい」

「あはは、無事ですよ今ギルドの
治療室で寝ています」

「ふ~ん、そうかい、そうかい
 ちょっとからかってやるかい」
ピリカさんはニコニコしながら
歩いていった。

「華凪ちゃん、僕達はご飯にしよ、
腹へった」

「うん、お肉食べる。(’-’*)♪」


……

「ガイール寝てるのかい」

「寝とらんはピリカ」

「………久しぶりにまともに名前を
呼んだね!心境の変化でもあったかい」
驚き嬉しそうに話すピリカ

「俺は今日本当は死んでた!!」
ピリカは眉をひそめる。


「ピリカ、すまなかった」
ガイールは頭を下げる。

「それはなんの謝罪だい」
ピリカは鬼の形相になる。

「俺があの時、迂闊な行動を取って
しまったせいでダリアが
………死んでしまった。
そして俺はその責務から逃げて
しまったことを」

「頭を上げな」
「あれはあんたのせいじゃない!
 ダリアは親友のあんたを
 助けたかったからやったことさ」

「しかし、俺の迂闊な行動が
 お前の旦那を殺し、おまえを一人に……」

ガイールの声が段々小さくなるなか
ピリカは思いっきりデコピンする。

「痛~」

「ガイール、あんたあの子を見て
なんとも思わなかったのかい
あの子は死ぬかもしれない覚悟のうえで
あんたと生き残りの人を助けに
行ったんだよ!
カッコいいと思わなかったかい」

「私はね~ダリアもあんたも
カッコいいと思ってる。
だからこれ以上カッコ悪いまね
するんじゃないよ」
 ピリカは笑顔だった。

「………… ピリカはお前は相変わらず
強いな」

「当然、あんたよりよっぽど強いわよ」
 ピリカはやっと昔のガイールが
戻ってきた気がして

「アハハハハ」2人で笑った。

 
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