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過去編 異世界の勇者達

過去編 ゴブリンとの闘い

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 僕達は覚悟して前に立つ、
3匹のゴブリンに対しそれぞれ1対1に
なるように移動した。

ゴブリンも戦闘態勢になる。

「は~は~は~」
 まだ睨みあっているだけで息が上がる。
それにしても何だよこれゴブリンか~
 僕が想像してたやつより地味に大きいぞ
身長160cm弱くらいか、僕とたいして
変わらないじゃないかー こえ~よ

 僕の相手はこん棒を武器にしている。
 ジリジリと距離を縮めてくる。
 僕は剣を抜き盾を構える。

「ガア」
 大きな鳴き声と共にこん棒を
振りかぶり八雲を殴りつけた。

「ぐっー」
 八雲は盾で受けるが勢いを殺せず、
後ろに下がる。

「いっつ~」
 おいおい盾の上から受けても
手が痺れるぞ!
ゴブリンは非力じゃないのか?

一樹さんと健司さんは大丈夫か?

 2人を見るとやはり悪戦苦闘していた。
 ドンドン受けるばかりで
攻撃に転じれてない。このままじゃ
殺られる。

「は~ふ~は~ふ~」
 相手から目を離さず深呼吸をする。

 落ち着け相手の攻撃は見える
決して早くはない!!

「オラァ~」
 八雲は盾を前に出し突っ込む
「ガブ」
 ゴブリンに衝突と同時に側面から
剣を脇腹に突き刺す。
「ギャー」
 ゴブリンは叫びながら暴れる。
八雲は離れまいとさらに押し
ゴブリンを倒した。

 八雲は思った今しかない!
「死ね~」
 剣をゴブリンの胸に突き立てた。
 ゴブリンは血を吐き動かなくなった。

「シャア~」
 八雲は叫び喜ぶが、その瞬間叫び声が

「あああああ~俺の腕がーーー」
 ゴブリンにこん棒で殴られ健司の腕が
曲がっていた。

 健司は恐怖のあまり逃げ出す。
逃げた健司をニヤニヤした顔で見ながら、
大きく振りかぶってこん棒を投げた。
こん棒は健司の背中に当たり転倒する。
健司は気を失ったのか動かない。

 ゴブリンは首をかしげながら
周りを見て「ニヤリ」とする。
八雲はゴブリンの視線の先を見ると
木陰に隠れた華凪ちゃんが……

「まさか、華凪ちゃん……」
八雲は咄嗟に走り出す。

 ゴブリンは完全に標的を華凪ちゃんに
変更したようだ、ギラギラした目で
華凪ちゃんの方に走り出した。

「くそ~待て~」
 八雲よりゴブリンの方がかなり
華凪ちゃんに近い。間に合わない!!

「キャ~」
 華凪ちゃんは恐怖で動けず腰を抜かる。


「だらしない奴らだ」
 ガイールは剣を鞘から抜こうと
手を伸ばした瞬間

ゴブリンの首が飛んでいた。

「ん」ガイールは目を細める。

ゴブリンの前には八雲が!!

 どうやらゴブリンを倒したのは
あいつのようだな。

「華凪ちゃん大丈夫?」
 八雲は華凪ちゃんのもとに
行き声をかける。

 「うん」華凪ちゃんは呆然として
 返事をするのが精一杯のようだ。

「よかった~間に合って」
 八雲は心底ほっとした。

「初めからやらんか、ばかもんが!!」

ガイールは八雲の頭をこつく
「あ、いた~」
「ガイールさん何するんですか?」

「訓練で闘い方の指導を受けたんだろが、
 なぜオーラを使わん!」

「……………そういえば、焦って忘れてた」

「どいつもこいつも話しにならんな」
 ガイールはナイフを出し、残りの
ゴブリンに向かって投げる。
ナイフは頭に当たり
倒れて動かなくなった。

「全く訓練のしがいがありそうだ。
  全員覚悟しとけ。今日は帰るぞ」

 ガイールは健司を肩に抱え歩いていった。

 ギルドに戻ると健司は治療を
受けることに流石異世界、流石魔法、
健司は骨折していたのだが
あっという間に治ってしまった。

「魔法ってほんとすごいよな~」
 八雲は改めて魔法のすごさに
感動していると、服を引っ張られた。
なんだと振り向くと
華凪ちゃんがいた。

「あの………助けてくれてありがとう」
 華凪ちゃんは恥ずかしいのか
下を向きながらお礼を言った。

「うん、華凪ちゃんに怪我が
なくってよかった」
 八雲は華凪ちゃんの頭を優しく撫でた。

 華凪は最初何をされたかわからなかった
どうして頭を撫でるの?華凪の中で疑問が
膨らんだが八雲笑顔を見て、撫でられる
ことが心地よく感じた。
自然とぬいぐるみを抱き笑顔が溢れた。



「よし、怪我は治ったな。じゃ行くか」

「ちょっと待ったくれ」

「なんだ」

「何で助けてくれなかったんだよ!」

「助けるまでもないからだ!」

 健司さんがガイールさんに
食って掛かった。

「俺は骨折したんだぞ!!」

「それがどうした」
 ガイールさんはやや威圧し健司に言う。
健司はビビり押し黙る。

「いいか、これは全員に言えることだ……
  これは遊びじゃね~だよ。冒険者に
 なるなら怪我するくらい覚悟しておけ」

「…………」皆押し黙る。

「わかったら行くぞ!」

「ガイールさんちょっといいですか?」
 八雲はガイールを声をかけ止める。

「なんだ、まだ言いたいことがあるのか」

「はい、お腹が空きました。
 せっかくなんでギルドで
食べて帰りましょう」

「………は…?」

「冒険者になったんですから
 チームの親睦を深める為にも
 皆で食べましょう」

「………ま~いいだろう。
 ここは奢ってやる。好きなもん頼め!」

「あざ~す」
 ガイールはぶっきらぼうに了承
八雲はワクワクしながら食堂の
席に着いた。

「あいつ意外と性格図太い
神経しているな~」
一樹は八雲の後ろ姿を見て思う。

 注文した食事を食べながら
八雲は質問した。

「ガイールさん何でこの依頼を
受けたんですか?」

「何でそんなことを聞く」

「ガイールさんって相当強いと思ったんで
 僕達と依頼をこなしても得しないのかな~
 と思って」

「国からお前らの指導料を貰っている。
 どちらかと言うと安全にお金が稼げる」

「おーなるほど、それなら良かった。」

「なぜ安心する?」

「ガイールさんに迷惑かけたら
 悪いじゃないですか」

「……………」
ガイールは眉間にシワがよる。

「フッ、八雲お前が心配する
ことじゃねよ」
 ガイールは一言言って
酒を一気に飲みほした。

「うん?あんたガイールかい?」

後ろから誰かに声をかけられた。

ガイールは空を飛んだ……………続く

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