60 / 170
過去編 異世界の勇者達
過去編 八雲冒険者ギルドに行く
しおりを挟む『冒険者ギルド』
モンスターの討伐から薬草の採集まで
幅広く依頼を受ける独立機関、
場合によっては国の悪政を暴き
捕縛することもある。逆に国の要請で
国の脅威が発生した場合は住民を守る為
命をかけて戦うことを義務とした
正義の機関でもある。
『冒険者ギルドのランクと依頼の制度』
ギルドには冒険者の実績に合わせ
冒険者ランクが上がる。
最も高いのがSランクその下に
A.B.C.D.Eとあり、全6段階ある。
冒険者ランクが上がることで
依頼内容の選択肢が増える制度
ランクによる依頼内容
D~Eランク
小型のモンスターの討伐や薬草の採取等
B~Cランク
大型のモンスターの討伐
犯罪者(盗賊、海賊)の討伐、捕縛
ダンション探索可能
Aランク
ドラゴンや大型魔獣等、
国の存続に関わるモンスターの討伐
Sランク
魔族の討伐
邪神の討伐
各国で危険と判断された危険対象の討伐
…
……
………
「お~でっかいな~」
僕達は冒険者ギルドに登録する為
ギルドに来ているのだが、流石と
言うべきか大陸でも有数の規模の
ギルド想像よりかなり立派で
腰抜かしそうだ!
「お~い、ぼーとしてんじゃない行くぞ」
※指導者ガンジール
全員町にでたことがなかったのと
ギルドの迫力に周りをキョロキョロして
落ち着きがない。
ガンジールさんに呼ばれギルドに入ると
大勢の人で賑わっていた。ガヤガヤと酒を
飲みながら話をしている者、真剣な顔で
依頼内容を話あっている者、ここは活気で
満ち溢れている。
「お~い、こっちで順番に
受付を済ませろ」
ガンジールさんに言われ受付をする。
「初めまして私はギルドの受付を
務めています。ルリリカと申します。
貴女方の担当をさせて頂きます。
宜しくお願いします」
「あ、どうも八雲と言います。
こちらこそ宜しくお願いします」
後から話を聞いたが本来新人冒険者に
担当者はつかない。僕達は特別な
根回しがあって担当者がついたらしい。
ちなみに担当者がつくのは、
Bランク以上らしい。
「八雲さんはすでに儀式を受け水晶を
お持ちになっていると聞いています。
水晶を見せていただきますか」
「はい、どうぞ」
八雲は水晶をルリリカさんに渡すと
綺麗な水晶を沢山付けた機械に置き
レーザーみたいなもので鉄のプレートに
書き込みを行っている。
「お待たせしました。
こちら水晶とギルドカードになります」
ギルドカードは貴方のランクを
証明するものとなり依頼達成状況
書かれており、報酬のお金を
入れておくことができるらしい。
但しギルドでしか下ろせない。
ちょっと不便………
「ありがとうございます………」
「ジ~」
「すいません失礼だとは
思うのですが」小声で
「その耳、エルフさんなん
ですか?」小声で
「…………ふっ、そうですよ!
触ってみますか!」
「!?…いえいえいえ、し、失礼
しました~」
八雲は恥ずかしくなり走って
逃げてしまった。
「うふふ、可愛いわね」
……
………
「は~焦った~
気になってつい聞いてしまった」
八雲は取りあえず逃げてほっとしていた
その為、あんまり周りが見えておらず
人にぶつかってしまった。
「あ、痛!!………すいません」
「あ~なんだって~」
なんじゃこのいかにも歴戦の
冒険者みたいな人はガタイがでかい
ガチムチの隻眼の戦士だと~!
「おい坊主、なんだって~」
僕がプルプルしていると、
「お~い八雲何してるんだ!
……お、来たか」
ガンジールさんがこちらに来た。
「来てくれましたか、ガイールさん」
「お前に頼まれたら来ないわけ
にはいかん」
「ありがとうございます」
ガンジールさんは頭を下げる。
「で、どうした八雲?」
「あ、いやそれがですね」
八雲がガンジールさんと話
している間にすたすたとガイールさんは
歩いて行ってしまった。
「あれれ~」
八雲は呆然とする。
…
……
僕達は訓練を兼ねて任務をする
ことになった。最初の任務は
ゴブリンの討伐だ
チームは僕以外に
健司さん、一樹さん、
華凪(かな)ちゃんがいる。
そして僕らの指導員
「俺はガイールだ、死なないように
しっかり着いてこい!」
眉間にシワをめっちゃよせて威圧する。
怖いです~
僕達は早速簡易的な装備を備え
近くの山に行き任務のゴブリンを
探すことにした。
「華凪ちゃん大丈夫?」
山までかなりの距離を歩いたが
体力が向上しているので自分は
問題ないが、華凪ちゃんは
パッと見体力は無さそうだから
不安になり声をかけた。
「うん、大丈夫…………」
華凪ちゃんは異世界に来てから
ほとんど誰とも喋っていない
どうやら人とコミュニケーションを
取るのが得意でないようだ。
ただ気になるのは、華凪ちゃんはまだ
10歳とむしろ泣きわめいて助けを
求めそうなのに、とても物静かで
感情が乏しい。唯一持っている
熊のぬいぐるみと
遊んでいる時だけ笑顔に見えた。
「取りあえず無理はしていないかな」
「おい!!」
「わー」
ガイールさんが突然横から声を
かけてきた。
「周りの警戒を怠るんじゃない。
どこから攻撃が来るか
わかんないんだぞ」
「すいません」
八雲は頭を下げる。
「嬢ちゃんは見ておくから、
自分のことに集中しろ」
「…………!?………了解です」
八雲は呆然としてから意味を理解し
返事をした。
暫くすると3匹のゴブリンを発見
全員草むらに潜める。
「お前達良いか、ゴブリン達を
相手にする時……」
「あんなやつボコボコに
してやるぜ」※一樹
「お前みたいなアホが恰好の
餌食になる」
「なんんん~」
一樹が反論しようと声上げる前に、
ガイールが口を押さえる。
「いいか坊主、ゆっくり上を見な!!」
一樹は言われるまま上を見ると、
木上に弓を持ったゴブリンがいる。
「ゴブリン共はそれほど強くはない。
だがな~その分知恵と工夫で
敵を罠に填める。今いる3匹は囮だ、
既にこちらに気づいて仲間に
後ろから攻撃させるつもりだ。
このまま前に出れば後ろからグサッと
矢が刺さるわけだ」
一樹はぶるっと震えていた。
僕達も例外じゃない。全然気が
つかなかった。
「弱いからといっても油断するなと
言うことさ。俺が上のやつを対処する
から目の前の3匹を殺ってこい」
ガイールさんから指令がでるが、
誰一人として前に出なかった。
さっきのことで自分の死を
意識してしまったからだ。
「ポ~イ」石がゴブリンに当たる。
「………………」※全員
投げたのはガイールさんだった。
「ほら、こっちに気づいたぞ!行け行け」
ガイールさんは手をシッシッと動かし
僕達を行かせようとする。
「たしかにこれは行くしかない!
一樹さん、健司さん行きましょう」
「だ~行くぞオラ~」※一樹
「お、お、おう負けるかよ」※健司
ビビりながらもそれぞれが闘う
覚悟をした瞬間だった!
僕達は異世界に来た。
今まで居たぬくぬくした生ぬるい
世界じゃない。
僕達は命をかける!
そうしなければ生きていけないから………
『僕達は初めて命をかけてモンスターと闘う!!』
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる